第二十四話 「いと雅」
※本作はオリジナル作品です。
※BLゲーム世界が舞台ですが、女性主人公視点で進みます。
※次回も三日以内に更新予定です。
「人の婚約者にちょっかいをかけるなんて、
西園寺家の者ともあろうお方が少々無粋ではなくて?」
その凛とした佇まい。
棘を纏った黒薔薇のような美しさ。
そして——
悪役令嬢の中の悪役令嬢と言わんばかりの口調と態度。
正真正銘、彼女は……
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——遡ること、数時間前。
野くんに話しかけようにも、
なかなかタイミングが掴めないまま——気づけば数日が過ぎていた。
それに、うゆくんはあのお茶会以来、どこかへと出掛けることが増えた。
父と一緒なので心配はしていないが、何か心境の変化でもあったのだろうか。
推しの供給が途絶えているのは悲しい。
けれど、うゆくんのことは全力で応援したい。
何もしてあげられないのが、少しだけ複雑だ。
ちなみに——
例の“彼女”にも、まだ会えていない。
考えることが多すぎて、少々憂鬱である。
しかし、この前のように白水に邪魔されては元も子もない。
うーんうーんと悩んでいると……
「よう!鈴乃!
なんだ、元気ないじゃんか」
「野くん……
野くん!?」
「お、おう。どした」
あれだけ話したかった人物が、今ここに現れて声をかけてきたのだ。
思わず勢いで肩を掴んでしまった。
途中で我に返り、小声で伝える。
「突然で悪いのだけれど…
今日の放課後、少し話す時間あるかしら?」
「お、おう」
「それなら放課後、中庭のベンチに来てもらえるかしら?」
野くんは驚いていたものの、
「わかった」とすぐ了承してくれたのだった。
放課後。
中庭のベンチへ向かうと、すでに野くんの姿があった。
「お待たせして申し訳ないわ」
「いや、それは構わないけど……
話ってなんだ?」
「そうね。
野くんには話しておかなければならないことがあるの」
「この前の……」
そう言いかけた、その時だった。
「人の婚約者にちょっかいをかけるなんて、
西園寺家の者ともあろうお方が——
少々無粋ではなくて?」
そこに立っていたのは、
私がずっと会いたかった人物だった。
白水ルートの悪役令嬢が私なら、
風音ルートの悪役令嬢は——彼女。
四大財閥の令嬢。
九条財閥の一人娘。
九条 雅。
——そして。
野 風音の婚約者、その人だ。
。.ꕤ続くꕤ.。
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やっと雅ちゃん出てきました~☺︎
個人的に好きな子なので何卒よしなに。




