フェイカー・S=D・フォーカスフッド
と、言う訳で、今は魔物を狩っています。
───と言うのも、この街は周期的に海の魔物が上陸してくるらしく、その度に大パニックなのだそうで、
「────" 神級" 」
「過剰回復魔法!!」
フィーシャが魔物に向かって回復魔法を掛ける──と、魔物は肉が膨れ上がり、破裂。
回復魔法は強制的に細胞分裂をさせる事によって実現させているため、過剰に回復すれば腫瘍ができたり、それも神級ともなれば爆殺できるらしい。
恐ろしい、、、
「───汝、肥沃の地に示せ!」
もう一方では雷が降り注いでいる。
メーナは詠唱を短縮する方向に強くなったらしく、効率が今までとは段違い、皆それぞれ強くなっていってる。
「───終わったか?タチバナ。」
俺が適当に殲滅していると、勇者が声を掛けてくる。勇者はあまり強くなっていない様に見える、、、元が強いのもあるのだろうが、それにしたって不自然なくらいだ。
強さでも隠してるのかな?
「あっ、はい。今終わりました。」
額に滲んだ汗を拭い、勇者の元へと歩き出す。
メーナも、フィーシャも同じなようで、皆が集まるのはほぼ同時だ。
「よし、じゃあ昼にするか。」
「えぇ、ボスの話もまだしたいし。」
メーナが賛同し、フィーシャも「それじゃアタシも!」と明るく賛成。
───俺もスイーツ目当てで行こうと思う。
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天井に届きそうな位に積み上げられた人間の死体。
女も、子供も無慈悲に殺されている様で、その全ての体の「目」がくり抜かれていた。
部屋は薬品と脂の臭いがキツく、人間が住める場所では無い。
「やぁ、こんにちは、ルヴェータ君。」
部屋の横には所狭しと棚が置かれ、無数の瞳がホルマリン漬けにされている。
「容易く名前を呼ばないで貰えますか?醜悪なる人間の息なぞ臭くて堪らない。」
一回だけ、強く咳をしては落ち着いた声でルヴェータは言う。それは魔王軍四天王としての確固たる自信と、業務として割り切っているビジネスマンのような側面もあるからだ。
「───転生者は以下のような言葉を残した。」
「郷に入れば郷に従え。だよ」
薄い大理石に彫られた名前を、ルヴェータへと見せる。
「知っていますとも、キャラメリゼファミリー。」
「否───フェイカー・S=D・フォーカスフッド」
ルヴェータの嘲笑する様な声。
直後、肉が裂けるような鈍い音が響いた。
「い"っ"────」
ルヴェータの右手は、タコの脚みたいに折れ曲がってしまっていた。それは唐突に表れた「魔法」によって。
「この魔法は" 虚妄の魔術師 "が残した魔法だ。これが手元にある限り君たちは私に手出しできない。」
「この醜悪な人間めが──!!たかがマフィアのボス程度でッ、、、!!!」
ルヴェータの、痛みを堪える様に捻り出した声は部屋に静かに響く。
キャラメリゼファミリー"ボス"。
フェイカー・S=D・フォーカスフッドは静かに笑った。




