りとらい!刺客
「キャラメリゼファミリー。この街を支配しているマフィアで、それが私達を襲ったらしいわ。」
勇者パーティーは様々な特権を有しているらしく、本来はそれなりにお高い「地理示本」も無料で読める。
なんでも、その大陸で栄えた街や、その街の特色を教えてくれるらしい。
「ふむ、、、基本はフィーシャと俺、メーナとタチバナの二組で行動しよう。」
「それでは、各自解散。伝えた時刻通りに戻ってくる様に」
勇者がパン。と手を叩いて合図すると、フィーシャは勇者の手を引いて、メーナは勝手にスタスタと歩いて行ってしまう。
メーナ、俺を置いて行こうとするのはやめろ。
「まってください、、、!」
「待たない。」
きっぱりそう返されてしまった。根は優しいとは言え、やはり自由人と言うか、猫みたいな奴だ。
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「メーナっ、、、これ以上持てませんよ!」
数時間後、両手には、俺の身長よりも高く本が抱えられていた。
二人組なのはお互いをお互いが護る為であって、荷物持ちしにきたんじゃないぞ!!と言いたくなるが、そんな事は言えない───俺の臆病者っ!!
「へこたれてんじゃ無いわよ。この程度────」
「タチバナ。角、曲がるわよ」
持っていた本はふわふわと浮いて、俺よりも速くメーナの元へ向かっていく。
いや、始めからそれしてくれよ、、、
そんな不満を抱きながら、俺は言われた通りに角を曲がる。この先は一本道だ。
「お嬢ちゃんは勘が冴えるなぁ。オレ達に気付くなんてさ。」
メーナが杖を構えだしたので、俺も合わせる様に剣を引き抜く。
────すると、さっきの道から十人ほどの男達が俺達にそう言いながら入ってきた。マフィアはどこの世界も変わらないのだろうか、黒いスーツに身を包んで、海賊たちが使うイメージのある鉄砲を手に持っている。
「────火球!!」
有無を言わさない、とでも言うかのようにメーナは魔法を放つ、、、が。無慈悲にも銃弾はそれを掻き消すように、こちらへ飛来した。
「人に撃つなんて、どんな神経してるんですか、、、」
メーナに当たりそうだった弾丸を、危機一髪の所で泥を変形させて防ぐ、コアに当たっていないので痛くも痒くも無い。あれ、以外と泥の邪竜騎士って便利な種族?
「さぁ、ショータイムを楽しもうぜ、魔族のペットさんよぉ。」
メーナとあからさまに態度が違う。どうやら魔族と言うのはこの大陸ではそれだけで蔑まれるらしい。
当然と言えば当然だ。ゴーレムやドワーフ、エルフ、ゴブリン以外は人間に対して敵対的だし。
でもペット扱いはイラつくから、ちょっと懲らしめようかな。




