砂嵐
辺り一面が真っ黒だ。
でも、なんでか明るい。この部屋、前にも見た事がある。
椅子と、ブラウン管がある。ブラウン管には砂嵐が映されていて、俺の体は───────あぁ、良かった。前世のままとかじゃない。
辺りを見渡すと、死んだ時の様な部屋に俺は居た。
どうして全く、俺と言うやつは、、、メーナが調節を間違えたか、俺が弱すぎたか。どちらにせよダンジョンの中で死ぬとは、四天王失格だな。
「はぁ、にしても、マジでここが死んだ世界なのかよ。」
誰も居ないこの空間では、言葉が詰まること無く吐き出せる。
それは失言を漏らしても、単純に誰も聞いていないから安心できる。と言う事実から来ているのだろうか。
だらだらと歩き回り、適当に散策をしていると、真っ黒な壁に何か凹凸があるのを感じた。
輪郭の線が見えるだけの色が無いからなのか気付きづらいが─────ドアノブ?みたいな形だ。
どうにかして掴み、ドアノブをひねる。
見えないドアノブをひねると言うのは、中々に違和感を感じた。
「あぶしっ─────!!」
ドアの内側から光が溢れ出る。黒に支配された部屋から唐突に覗く白い輝き、それは俺の目を刺激するには充分だった。
咄嗟に情けない声を上げながら、手で顔を覆う。
引きこもりが外に出る時って、こんな感じなんだろうなぁ……
そんな事を考えながら部屋の中に足を踏み入れた時、「砂嵐」が居た。
いや、正確にはその正体と呼ぶべき者であるのだ、と言う事が直感的に理解できた。
「──────私ノ体。私ノ魂。」
漆黒よりも深く、黒よりも黒い鱗に身を覆われた体。その体は数えるのも馬鹿馬鹿しい量の鎖に縛り付けられ、苦しそうに悶えている。
そこに居たのは、ドラゴンであった。全長は20mもあろうかと言うその巨体。それは縛られて尚、圧倒的な力強さを感じる。
凄く悍ましい声だ。
ドラゴンが発した声は、否応なしに俺のメンタルを削っていく。
多分、俺があの部屋で発狂してしまったのはこの声のせいだ。
今の体は魔力に守られているからまだマシだが、魔力もないただの人間が聞くには、それは恐ろしすぎる。
─────だが、勇気を出せ。
「さっさとここから出せ。それか────俺に力を貸せ、お前のせいで異世界転生したんだからな。」
不思議と、苛立ちを感じていると恐怖は退いていく。恐らくそれは蛮勇の類なのだが、このドラゴンは勇気に弱いのだろうか?
目の前のドラゴンは顔を顰めて、その後俺を見て笑みを浮かべた。
「────我ノ力、与テヤロウ。」
途端、体の内側が引き裂かれる様な痛みが全身に駆け巡る。凄まじく急激に魔力が吸われ、その分を他者の魔力で補う事による拒絶反応の様な物。
魔力に疎い俺だが、その現状を魔族の本能で理解した。
魔族様々だな、ありがとう魔王。いや、魔王様。
最後にそんな事を思い浮かべながら、俺は意識を闇へと落とした。
なんか、スマホで作業をしているとフリーズした後にChromeは対応していません。と出ます。なんなんでしょうか?




