EP:0 序
本編の前にEP:0として執筆しました。
それも踏まえて読んでいただけますと幸いです。
太古の時代、天より12本の光の柱が地上に降りてきた。
光の柱はこの世界を創造し、人類を誕生させた。
人類の繁栄のため、活力を与えたが、一部の人類は光の柱の考えに反して、自ら知恵を手に入れ、自ら繁栄していた。
この行いは光の柱の怒りを買い、その人類たちを別の惑星へ幽閉してしまいました。
こうして世界は光の柱の理想の世界が作られていきました。
(ルナノーグ文書より一部抜粋)
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空を見上げれば、漆黒の闇に包まれ、豪風。
そこにいる光の翼を纏い神のような存在。
その掌には強大なエネルギーを纏っている火球が。
この世界を崩壊させようというのか。
神は最後の審判を下そうとしているのかもしれない。
逃げ惑う人々。
空を見上げる少年少女たち。時代の叛逆児ともいうべきか。
辺りは大きな光に包まれていく。
もう状況など確認することなどできない。例えるなら、これが世界の終わりともいうべきか。
世界はこうして破壊と再生を繰り返しているのかもしれない。
もう我々人類はその場で諦めるしかないのかもしれない。
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時間的には夜か。辺りは炎に包まれている。激しい炎に包まれている。かなり暑い。一人の青年が自分達に話しかけてくる。
「ここを真っすぐ走るんだ。何も考えず、振り返らずだ。」
言われるがまま、必死に走る俺たち。何のため?どこへ?どこまでも、どこまでも。
走った先にある光に向かって走り続けた。
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この世界は100年前から続く、争いに国民たちは悩まされている。その争いは西方大陸からの侵攻だ。目的は未だわからない。この侵攻の原因である西方大陸には危険を鑑みて、一般人の立ち入りを禁止し、一部の人間のみ立ち入りが許可されている。この西方大陸の侵攻に対抗するべく組織されたのが世界評議会だ。世界評議会は加盟6ヵ国を傘下にし、その幹部たちにて世界を統治している。評議会が国務庁を運営し、その中に6ヵ国の国民を守る、国防省が存在する。侵攻の記録は世界評議会が厳重に保管、保持している。30年前、ある大きな事件を機に、この世界はさらなる混乱へと向かうことになる。
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「評議長、時間です。そろそろ準備の方を。」
「また、あの退屈な会議か。」
「そう言わず、評議長なのですから・・・。それでは行きますよ。」
秘書官の娘に連れていかれる一人の青年。
「それでは評議長が入ります。」
「それでは世界評議会最高会議〝ラダマンティス〟を開催する。それでは各国より現況の報告を。」
一人の青年が会議を仕切り始める。
—————————3時間後—————————
「評議長、お疲れ様でした。」
「な!長いだろ。こんな会議に何の意味があるんだよ。各国防衛部隊長からの現状報告によると西方大陸からの侵攻は問題なく退けている。話し合うべき議題は他にあるだろ。そもそも、あのお方たちは、この会議にすら出席しないのだから。それはそうと、明日から、しばらく、不在になる。留守を頼む。」
「承知しました。」
次回よりEP:1が始まります。