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ウィシュターニア公戦記  作者: 上西日向守
帝国編(社交界)
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猛牛のゼフ・科学の女神アリア

「次は、そうですね四公繋がりでボルケーニア公に挨拶をしましょうか」「ボルケーニア公!あの強そうな人?」「そうですよ。彼は武人なので舞踏会など似合いませんから直ぐに見つかるでしょう。ほら、あそこにいますよ。夫人も一緒のようですね」ユリウスは目を輝かせながらボルケーニア公の元へ歩いて行く。「ボルケーニア公、ごきげんよう」

「これは、エミリア!」ボルケーニア公。ゼフ・ボルケーニアは恭しく一礼する。「本日の馬揃え見事でした。流石、帝国の猛牛と謳われる御仁。勇ましいですね」「あまり褒めるな!」ゼフは、満更でもなさそうに高笑いする。「ボルケーニア公、ご紹介いたします。この子は私の息子ユリウスです」「ボルケーニア公!初めまして!」

ユリウスは興奮気味に挨拶する。「これは、これは……お初にお目にかかるユリウス殿」ゼフが手を差し出すとユリウスは、その手を握り返す。

「その目。ガキの頃のウィズに似ているな」「そうですか?ならば、将来はあの子のように立派な武人になりそうですね」エミリアがそう答えるとゼフは豪快に笑い出した。

「はははは!そうだな!女誑しのアイツのようにならなければ良いな!」ゼフはそう言うと高笑いしながら会場を後にした。

「ご夫人もお元気そうでなによりです」ゼフの勢いで影が薄くなっていた夫人にエミリアがお辞儀をする。エミリアに紹介を求められ夫人がオロオロとしている。

「妻はこういう場に慣れていないからな!それに公女エミリアと会話するなど帝国淑女なら誰でも緊張くるわ!」「私は、そんなに怖いかしら?」エミリアがそう言うと夫人は更にオロオロとしだす。

「良いのですよ。それが普通です。特に女性はね」エミリアは夫人を諭すように語る。「お姉さん美人さん!」ユリウスはいつの間にか夫人の横に移動してニッコリと言い放った。

「ユリウス、ボルケーニア公の奥様を困らせてはダメよ」「うん!」ユリウスは素直に頷きながら夫人の手をとりニコリと笑う。

「やはりウィズに似て手も早いか!!しかしフローラは我の妻だぞユリウス!」

「フローラ?お姉さんのお名前?」

ユリウスがそう聞くと夫人は、小さく頷いた。「可愛いお名前だね」

「わ、私は……」「こら!ユリウス!」エミリアは、ユリウスの口を塞ぐと夫人にお辞儀をしてその場を立ち去った。

「もう!ダメでしょ」「だって〜……ママ〜」「母の前で人妻を口説かない!」メッとられユリウスは、しょんぼりする。「おや!おや!これはこれは!アリエル姉しゃま!!じゃあ〜りませんか!」アリエルが振り返るとベロンベロンに酔ったリターニア公女アリアがいた。「ちょっと!アリア飲み過ぎよ」「まぁまぁ〜アリエル姉しゃま。堅苦しいことは言わないの〜」

「四公ともあろう者が酔っ払って」

「堅いことは言いっこなし!ほら〜飲みましょうよ」

アリアはアリエルにグラスを渡すとワインを注ぐ。「ちょっと!」「良いから良いから〜」

「もう……」アリエルが困り果てていると、そこへユリウスが駆けてきた。

「あら?坊やどうしたの?確かユリナンテちゃんだっけ?」「僕、ユリウスだよ。それより大丈夫?」ユリウスは、心配そうな目でアリアを見つめる。「大丈夫よ〜私は強いから〜」アリアはフラフラしながら立ち上がる。

「私の科学力は世界一!!」「あ〜もう。大丈夫じゃないわね」アリエルは呆れ顔になる。

「ほら、お水飲む?」ユリウスがアリアにグラスを差し出すとアリアはそれをひったくり一気に飲み干した。

「ふぅ……私は、まだ飲めるわよ!!」「ユリウスこれは、ダメな例です。覚えておきなさい……」アリエルが苦笑いを浮かべている。

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