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ウィシュターニア公戦記  作者: 上西日向守
剣の国アニース編
82/134

模擬戦死神対剣帝公

訓練場には、木剣が用意されていた。ウィズとレイヴは、距離を取って対峙する。

「よろしくお願いします」「こちらこそ」ウィズの構えには隙がない。対するレイヴも構えを取る。両者睨み合いが続くが先に動いたのはウィズだった。

素早い踏み込みで間合いを詰めると横薙ぎに剣を振るう。しかし、レイヴはそれを難なく受け止める。そのまま鍔迫り合いいになる。

「やるなレイヴ卿」ウィズは一旦離れると今度は連続で突きを放つ。しかし、レイヴはその全てを難なく捌く。

「ふむ……噂通りだ」ウィズは一旦間合いを取る。「では私も少し本気を出させて貰うとしよう」ウィズの雰囲気が変わった。

次の瞬間には再び距離を詰めると強烈な一撃を叩き込む。咄嗟に防ぐが威力を殺しきれずに吹き飛ばされる。壁に激突しそうになるところを何とか体勢を立て直すがそこに追撃が入る。ウィズは、目にも留まらぬ速度で剣を振るい続ける。レイヴはその攻撃を辛うじて防ぎ続けるが次第に押され始める。

(なんて速い!このままでは持たないぞ)「どうしたレイヴ卿?もう終わりかな?」ウィズの挑発的な発言にも耳を貸さないほどに追い詰められている。

しかし、レイヴもやられっぱなしではない。一旦距離を取ると呼吸を整える。そして一気に距離を詰めて切りつける。しかしその攻撃も簡単に受け止められてしまう。

そのまま鍔迫り合いになる。ウィズは力尽くで押し切ろうとするが、逆にレイヴの方が押されているように見える。

「くっ!」レイヴは苦しそうな表情を浮かべる。それを見たウィズは笑みを浮かべると一気に力を込める。

「うおおおお!!!」レイヴはその勢いに押されて吹き飛び地面に倒れる。ウィズはゆっくりと歩み寄ると手を差し伸べた。「……参りました」しかしウィズが持っていた木刀は、根元からへし折れていた。「引き分けですね」エミリアが微笑む。「流石はアニース王国最強の騎士殿だ。素晴らしい剣技でした」ウィズが握手を求めてくる。レイヴはその手を握り返した。

翌日、リオネスは、王国への連絡に帰国しレイヴとミオーレは帝都の街を散策していた。「さて、これからどうしようか」レイヴは思案する。

すると突然ミオーレが叫んだ。「レイヴ様、あそこにいるのは……」

見るとそこには、ウィシュターニア公家のスノーと男の子が手を繋いで歩いていた。「スノー殿!」レイヴは声をかける。

「あらレイヴ様、ご無沙汰しておりますわ。此度の帝国と王国の軍事同盟誠におめでとうござきます」スノーは笑顔で答える。「ありがとうございます、ところでその子供は……」

スノーは、男の子をレイヴに紹介する。

「この子は、私の弟のユリウスです」ユリウスと呼ばれた子どもはぺこりと頭を下げる。

「スノーお姉ちゃんこの人が剣帝公様?」ユリウスが目を輝かせて聞く。「ええ、そうよユリウス。兄さんと互角いえそれ以上の実力をお持ちの方ですよ」スノーが答える。

「初めましてユリウス君、レイヴ・フォン・マーリックだ。巷では、剣帝公と呼ばれている。よろしくな」

「うん!よろしくお願いします!」ユリウスは元気よく答えた。

「ところで、スノー殿はどうしてここに?」レイヴは尋ねる。「ええ、実はこの子に帝都の街並みを見せたいと思いましてね。「それにしても、こんなに可愛らしい弟さんがいらっしゃるなんて知りませんでしたわ」ミオーレは、ユリウスの頭を撫でる。

「はい!スノーお姉ちゃんは僕の大事な人です!」ユリウスが元気よく答える。

「ふふ……ありがとうございます」スノーが微笑むとミオーレも微笑ましく見ていた。それからしばらく4人で帝都を散策していると、声が聞こえてくる。「……ですから……なので」スノーはその声に聞き覚えがあった。「ロイネット。帰ってたの?」「ス、スノー!」リターニア公女アリアの護衛として、リターニア地方に行っていた、ロイネットがいた。ユリウスが、スノーの足の間から顔を覗かせる。「ソフィアお姉ちゃん!」ユリウスが、ロイネットと話していた女性に飛びつく。

「相変わらず可愛ゆいですね。ユリウス君は」それは、女剣隊統括隊長

【冷血姫】ソフィア・フォン・フルシュタインだった。

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