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ウィシュターニア公戦記  作者: 上西日向守
剣の国アニース編
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理想郷の中で

ウィズがフランネの頭上を斬った瞬間、何かの糸が切れたように前かがみに倒れそうになりそれをウィズが支える。「流石は死神。誰にも見えない操る糸を見破るとは。いや素晴らしいな」ウィズがフランネの手から長剣を奪い取るとベルモット目掛けて投擲するもベルモットは、それを素手で掴み地面に突き刺す。「スノー!!」「はい!」ウィズは、気絶しているフランネをスノーに渡す。「フランネ姫を頼む」「はっ!ご武運を」ベルモットがヘラヘラと笑う。「ここからが、死の舞踏会さ!!」ベルモットが地面を蹴り上げ剣を交える。「その剣は、特別な剣かな?」「だから、なんだゲスが」

ベルモットがニヤッと笑う。「その剣は、神器だね。しかも、初代剣神の剣」「貴様には関係あるまい!」

ベルモットが剣を横に薙ぎ払う。

ウィズは、それをバックステップで避ける。「神器とは、世界各地にある、神の力を宿した器。つまりは、人智を超えた代物なのさ」

ウィズは、ベルモットの剣を紙一重で避けながら言う。

「それがどうした?」

ウィズが剣を振り落とすとベルモットは、その剣を素手で掴み取る。

「喚くなら、死んでから喚け」ベルモットがウィズを剣ごと引き寄せ、腹に蹴りを入れる。

「ぐふっ!」ウィズは、吹き飛ばされるも何事も無かったように立ち上がる。

「君は、神器の素晴らしさを知らないのかい?」ベルモットがニヤッと笑う。

「世界を変える力があるんだよ。それは、我々の理想さ。従来の考えを全て超越するんだよ!!」ベルモットが狂ったように笑い出す。「笑止!!」ウィズは、ベルモットに蹴りを入れる。

「君らは、何をやりたい」ベルモットが尋ねる。

「全ては帝国の安寧の為に!」ウィズが吠える。

「そうかい!」ベルモットは、ウィズを蹴り飛ばすとまたも剣で斬りかかる。

「なら、その理想の中で死ね!!死神ウィズ・アルベルト!!」ベルモットが剣を振り下ろす。

しかし、ウィズはベルモットの剣を片手で掴み受け止める。

そして、そのままへし折る。

すると、ベルモットは折れた剣を投げ捨て新しい剣を取り出す。

ウィズがベルモットの懐に飛び込むと拳を突き出す。しかし、それをベルモットは紙一重で避けると逆にウィズの腹に蹴りを入れる。ウィズは、それを腕でガードするも衝撃を殺し切れず吹き飛ぶも後ろにあった岩を蹴り上げその勢いでベルモットに特攻し流石のベルモットも避けきれず肩口を斬られ出血するも左手でウィズを捕まえ地面に思いっきり叩きつけ尚も手を離さず剣を突き立てようとするも顔面を蹴り上げられ、ベルモットは、剣の柄で足を殴られそのまま体勢を崩したところで右と左頬を殴られ最後に飛び膝蹴りで中を舞った瞬間、一回転蹴りを食らい今度はベルモットが岩に激突する。「はぁ……はぁ……」ウィズがフラフラと立ち上がりベルモットを見るとベルモットは、口から血を流しながら立ち上がる。そして、互いに剣を持ち対峙する。

「内なる狂気をモノにしたね」ベルモットが血を吐きながら言う。「内なる狂気など知らん。これは、俺の力だ」ウィズは、剣を下段に構える。

そして、お互いに剣を交える。

「流石は、死神のウィズ・アルベルトだ!!」ベルモットが叫ぶと剣を地面に突き刺した。すると地面から鎖が現れウィズを捕らえる。そして、その鎖は徐々に体に巻き付き体の自由を奪っていく。「油断大敵さぁ」

しかし、ウィズは鎖を引きちぎりそのまま剣を振り落とした。

「なっ!?」ベルモットが驚きながらも何とか避けるも剣は、左腕を掠り皮膚を切り裂き血が滴る。「ぐっ!がぁ!!」

そして、また剣を振り下ろす。それをベルモットが受け止めようと構えた瞬間、ウィズの足がベルモットの剣を横から蹴り折る。「なっ!?」

更にウィズはベルモットの剣を奪い剣先をそのまま横腹に突き刺す。「ぐふっ!」しかし、それだけでは終わらずウィズは突き刺さった剣を抜き今度は、心臓目掛けて突き刺そうとする。ベルモットは、それを止めようとするも間に合わずウィズの剣がベルモットの胸を貫く。「あ……ぐ……」

しかし貫かれたのはウィズの方だった。

「な……何故……」ウィズの胸からは、血が流れフランネの持っていた長剣が刺さっていた。「フランネ姫を操っていた糸は無機物も操れるのさ」ベルモットが笑いながら言う。「だから、さっきの剣を拾ったのさ」

ウィズは、刺さった剣を抜くとその場に倒れこむ。「よくも!!」血眼になったスノーの斬撃がベルモットに放たれるがベルモットは、軽くそれを手刀で弾く。「美しい兄妹愛だね。歪んだ愛はやがて過ちを犯す」「貴様に私の何がわかる!!」スノーは、折れた剣でベルモットを斬ろうとするも空振りに終わり首を掴まれ締められる。「人は死ぬ生き物だ。君はそれが、今なだけさ」スノーが目を閉じ自分の死期を悟った時、凄まじい殺気が放たれた。

「これは、驚いた」ベルモットが振り返るとそこには、ウィズによく似た黄色い瞳の男が立っていた。

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