剣神立つ
アムネシアから王城の一室を借りたウィズ一行は、作戦会議を始める。
ウィズ達王国勢力は、ウィズ、エド、スノーに王国騎士団は王女フランネを人質に取られ身動きが取れず実質ウィズ達だけが戦力になった。「まさか、旅行気分で来たのにベルモットと戦うことになるとはな」ウィズがため息を吐く。
「確かに兄様に八つ裂きにされたのにアニースに潜伏しているとは……」スノーも頭を抱える。
「アニース女王の話では、ベルモットは旧貴族の館を根城にしているようですよ」エドが地図を広げながら説明する。「アジトがわかれば話は早いな」「にいちゃんかっちょいい!!」ユリナンテが両手を上げてはしゃぐ。「で、このかわい子ちゃんは、どうするんですか?」エドがユリナンテを捕まえて抱き抱える。
「アムネシア陛下にお預けする」
「や!にいちゃんと戦う!!」駄々をごねるユリナンテをスノーが抱っこしてあげる。「ユリナンテ、ちょっと我慢してね。アムネシア陛下に預けたほうが安全だから」
「うー、わかった」ユリナンテが渋々納得する。
「では、ベルモット討伐は明日だ。各自準備を怠らないように!」
ユリナンテが可愛く敬礼した。
ユリナンテが眠ったあと大人達だけで会議を続ける。
「アムネシア陛下の話によれば、娘であられるフランネ姫を人質に取られてアニース王国騎士団は身動きご取れないらしい」「それは、我々の行動も制限されるのでは?」「だから部隊を2つにわける。ベルモット討伐隊は、私とスノー。フランネ姫捜索隊は、エドと王国騎士団でおこなう」「わかったわ。兄様」スノーが頷く。
「では、決行は明日だ!」
翌日、王城に集まった王国騎士団の集団にエドワードが加わる。
「アルベルト卿」ウィズは、そう呼ばれて振り返ると金色の髪に青い瞳をした騎士が立っていた。「初めまして私はレイヴ・フォン・マーリックと申します。王国騎士団の団長をしており、アムネシアは、我が実姉であり、卿がお力添えしていただくと聞き心強い限りです」「お初にお目にかかります。レイヴ卿。私は、ウィズ・フォン・アルベルト・ウィシュターニアです」すかさずエドも名乗りをあげる。「私は帝国軍少佐。エドワード・オルスタインであります」「お二人の武功は、存じておりますよ。帝国の死神とその鎌と」レイヴが恭しく頭を垂れる。「頭をお上げください。恐れ多い」エドが頬をかく。
「フランネ姫を捜索隊のリーダーは、誰に?」ウィズの問いにレイヴが答える。
「私が指揮を取ります」「そうですか……私も貴公の事は存じていました。アニースでは、貴公の事を【剣帝公】と呼ぶとか」「確かに……しかしそれは噂に過ぎません。実力など【剣王】であられる姉上に比べれば雲泥の差ですよアルベルト卿。ではエドワード殿。参りますしょう」レイヴ率いるフランネ探索隊が、王城を出陣していく。見送るスノーが振り返る。「本当に我々2人でベルモットと対峙してよかったのですか?」
「大勢で戦うのは得策ではない。奴は乱戦になれば成程に狂気地味たた戦い方をするからな」「アルベルト卿」その時アムネシアと手を繋いだユリナンテが見送りに来た。「ご武運を」「にいちゃんがんばれ!!」「任せておけ」ウィズがユリナンテの頭を優しく撫でる。
「では、参りましょう」スノーの言葉にウィズが頷く。
大草原を歩き続けるウィズとスノーの2人。ベルモットの潜伏している旧貴族の館を目指す。
馬に乗り颯爽と走り抜ける中ウィズは、不穏の空気を感じ取る。「スノー」
「はい。気付いてます。囲まれていますね」
周囲を見渡すと、黒い集団が取り囲むようにこちらに迫っているのがわかる。ウィズは、腰にぶら下げた銃剣の柄を握った。スノーも剣を抜き臨戦態勢に入る。やがて黒い集団が2人を円のように取り囲み始める。
「何者だ?」ウィズが叫ぶのと同時に黒装束達が一斉に襲いかかってくる。ウィズとスノーは、背中合わせで黒装束達を迎え撃つウィズは、剣で黒装束の1人を斬りつける。
スノーは、剣を振りかざして次々と黒装束達を薙ぎ倒していく。しかし倒しても倒しても黒い集団が2人に襲いかかりきりがない。
「キリがない」スノーが愚痴を溢す。「だが、ベルモットの手下なのは間違いないだろう」ウィズが冷静に分析しながら初代剣神の剣で敵を斬り伏せていく。
「兄様!後ろ!」スノーの言葉に反応して振り向くと馬の首が飛び血飛沫で前方が見えなくなり、ウィズの目の前には長剣を握りしめた少女がっ立っていた。




