小さな冒険者③
ユリウスは、厩舎に来ていた。そこには、軍馬が飼育されていた。
「わーかっこいいな」ユリウスは、馬を見て目を輝かせる。するとそこに1人の人影が見えた。
「なーにしてるの?」人影のツンツンするも驚いたように飛び上がる。
「ユ、ユリウスかビックリさせるな」それは叔父のエドワードだった。「エドにーちゃん何してるの?」ユリウスは改めて尋ねた。
「まぁあれだかくれんぼ?してるのというかなんていうか」「見つけた!!」入口付近からの声だった。
「エドワード!!」声の人物は、エドワードの首を絞める。「や、やめろ!子どもの前で!メアリー!」首を絞めていたユリウスの叔母にあたる公軍第二大隊長のメアリーは、我に返った。「あれ?ユリウスくんこんな所で何してるの?」
「探検!!」「そう、気を付けてね」
メアリーは、エドワードの首を絞めながら言う。「ゲホッ!ちょと待て!」
「何よ?エドワード」絞める手にさらに力が入る。
「助けてくれユリウス!!」エドワードは、手を伸ばす。
「メアねーちゃん離してあげて」ユリウスは上目遣いでメアの脚にすがる。「ダメよそんな目で見ても悪いのはエドワードなんだから」「なんだよ悪いって仕事の合間にちょっと息抜きしてただけだろ」「なーにが息抜きよ!サボってるだけじゃないのよ」「う……そ、それは、うちの部下は皆優秀でな俺なんていらなおんだよ」
「メアねーちゃん!エドにーちゃんを許してあげて!」ユリウスは再び懇願するように上目使いで見る。
「でもこいつは……」
「メアねーちゃん」ユリウスは、ウルウルと瞳を潤ませる。
「……っわかったわよ仕方ないわね」メアは、手を離した。「ゴホッ!ゴホッ!あー死ぬかと思ったぜー」エドワードは、首を押さえながら言う。
「ユリウスくんに感謝しなさいよ」
「わかってるよ」
エドワードは、ユリウスの頭を撫でる。「ありがとうなユリウス!」
「うん!」ユリウスは、嬉しそうにする。
「でも、お仕事しなきゃダメだよ?」「ああ、わかってるよ」エドワードは、ユリウスの頭を撫でる。
「お子様に叱られてる」メアが軽蔑の目でエドを見る。「うっせーよ」エドは、言い返す。
「だったらさっさと早く仕事に戻りなさいね。サボってたら奥さんに報告するわよ」「それだけは、勘弁してくれ!わかったから」エドワードは、急いで厩舎から出ていった。
ユリウスとメアの2人きりになった。
「本当に世話のかかるヤツね。ユリウスくんは、あんな大人になっちゃダメよ」「うん!」
「元気があってよろしいお菓子を上げましょう」メアは、ポケットから箱を取り出した。「わーい」
「ほらお食べ」メアは、クッキーを1つ手に取りユリウスの口元に運ぶ。
「ありがとう」ユリウスは、小さな口を大きく開けクッキーを食べた。
「おいしい?」「うん!」ユリウスは満面の笑みで答えた。
「ほんと弟って可愛いわ」メアは、再びユリウスの頭を撫でる。
「えへへー」ユリウスは、嬉しそうにした。
すると軍馬達が、ヒヒーンと鳴く。
「あら、餌の時間ね」メアは、立ち上がり
メアは干し草を餌箱に入れた。「よーしよしお前達いっぱい食べるんだぞ」メアは、馬の首をさする。
「わぁーかっこいい!お馬さん!」ユリウスが嬉しそうにする。
「そうでしょ?乗ってみる?」「いいの!?」ユリウスは、目を光らせる。
「ええもちろんよ」メアは、ユリウスの後ろから抱きつき手綱を持った。
「さ、こうやって乗るのよ」メアは、ユリウスを乗せたまま鞍にまたがった。
「わあー!すごいすごい!」ユリウスが嬉しそうにはしゃぐ。
「よしよし良い子ね」メアは、ユリウスをなでる。「お姉ちゃんかっこいい!」ユリウスも馬の首をさすった。それからしばらく2人は邸内を乗馬して周った。
「お姉ちゃん・・・」「どうしての?」
「僕、眠いよ」「そう、ならお部屋に戻りましょう」
ユリウスは、メアに抱きつきながら馬に揺られる。
ユリウスは、目をこする。
「さっ着いたわよ」メアは、ユリウスを降ろした。
「ありがとうお姉ちゃんおやすみなさい」「ええどういたしまして」
ユリウスは、まだお昼寝をしいる姉達の横に潜り込みすぐに眠りについた。この幼い少年が、帝国最強の騎士になるのはまだ未来のお話である。




