小さな冒険者②
ウィズと別れたユリウスは、次なる冒険を求めて廊下を歩く。「次は、どこに行こう?」
すると、廊下の先から声が聞こえてきた。「おや?ユリウスあなた1人ですか?」
「ママ!」それはお子様三人衆の母であるエミリアだった。「ママは、お仕事終わったの?」
「母はお仕事よりあなたが大事ですよ」
「じゃあ、ご本読んで!」ユリウスはエミリアに絵本を見せた。「これは……初代剣神アルベルト様の本ですね。懐かしいですね。よくウィズ達にせがまれて読んであげましたね」
エミリアは、懐かしそうに絵本を見つめた。「アリッサお姉ちゃんにも読んでもらったけど、ママにも聞きたい!」2人は近くの部屋に入り、エミリアはクスリと笑うと、ユリウスを膝の上に乗せた。ゆっくり本を開く「初代剣神アルベルト様。彼は、帝国建国の立役者の1人であり、その圧倒的な力で国を救いました。彼の伝説は今も尚語り継がれています」
エミリアの声はどこか懐かしみを感じさせた。「ユリウスあなたは、そんな偉大なお方の意志を受け継いでいるんですよ」エミリアはユリウスの頭を撫でる。「僕、剣神様みたいになれるかな?」
エミリアは優しく微笑んだ。「なれますよ。だってあなたは私の可愛い子供なんですから」
ユリウスは少し照れた様子で笑った。「えへへ」エミリアはユリウスに優しく微笑んだ。「ママ、僕もっと探検するね」そう言って部屋を出るユリウスを見送ると、「屋敷の中でも気おつけるのですよ」と声をかける。
「わかったー」
ユリウスは、エミリアに手を振りながら部屋を出て行った。
エミリアは、ユリウスの後ろ姿を見ながら微笑んだ。そして、再び絵本を開く。「初代剣神アルベルト様。彼の伝説はまだ終わっていないのですね」エミリアはそう呟くと、再び読み始めるのだった。
鼻歌を歌いながらご機嫌のユリウスは、廊下を歩く。「次はどこに行こうな~」
すると、赤ちゃんの鳴き声が聞こえてくる。ユリウスは鳴き声がする部屋の前にたどり着くと、「ここだ」と言って扉を開ける。
するとそこには、赤ちゃんを抱いた叔母にあたるスノーの姿があった。スノーは、ユリウスに気付くと優しい笑みを浮かべた。「あら?ユリウスくんどうしたの?」
「僕ね、お姉ちゃん達に内緒で1人で探検してるの!」「そうなの?偉いわね」
スノーは、ユリウスの頭を撫でる。
すると、赤ちゃんが泣き出した。スノーは慌ててあやし始める。
「よしよし、泣かないでね~」
ユリウスはその様子を見ながら言った。「お姉ちゃんも大変だね」「そうなんだよ~。この子泣き虫さんなんです」
そう言って笑うスノー。
「いい子いい子」ユリウスが赤ちゃんの頭を撫でる。すると、赤ちゃんは泣き止んだ。「あら?ユリウスくんが撫でると泣き止むのね。お兄ちゃんに撫でてもらって良かったわねモードレッド」ユリウスは、ニッコリと笑った。「じゃあ、またね」そう言って部屋から出ると次はどこへ行こうかと考える。すると、前から歩いてくる人影が見えた。それは書類を抱えて持っている公軍第四大隊長でユリウスの叔父にあたるロイネットだった。「ロイ兄ちゃん!」ロイネットはユリウスに気づくと微笑んだ。「おや?ユリウス今日は1人なのか?」
「うん!探検してるの!」「そうか、楽しんでるかい?」「うん!」ユリウスは元気良く返事をした。「それ重そうだね!」ユリウスが書類を指さす。「そうなんだよ。エミリア姉様・・・ママが見当たらなくてさ」「ママ?」ユリウスが首を傾げる。すると、ロイネットは笑いながら言った。「そうだよ。執務室にいなくてさぁ」
ユリウスは納得したように頷く。
「ママならね向こうのお部屋にいるよ!」
「そうなのか?ありがとうユリウス。ママ探してみるよ」そう言ってロイネットは歩いて行った。
ユリウスは再び歩みを進めた。「次はどこに行こうな」
廊下を歩くユリウス。




