小さな冒険者①
ウィシュターニア公家のお子様三人衆の1人。末っ子ユリウスはお昼寝の途中、1人だけ起きてコソコソと部屋を出る。ユリウスは、周りをキョロキョロ見渡し廊下を歩く。「フッフーン。今日はお姉ちゃん達に内緒で僕一人で探検するんだ!」
キョロキョロ見渡し、廊下の1番奥で足が止まる。その視線の先の扉を開けると中へと入る。そこには本が沢山ある部屋があった。
「この本は何だろう?新しい本かな?」
ユリウスが手に取ったのは、絵本だった。本を開くと剣士の絵が描かれていた。ユリウス「わぁー!凄い絵だ!!剣ってカッコいいな~。僕も大きくなったら剣を習うんだ!」
そう言って絵本を閉じようとした時、背後から声がした。
「こんな所で何をしてるのですか?」
声の主は叔父エドワードの妻アリッサだった。「アリッサお姉ちゃん!!」「お姉ちゃん達に内緒で探検してるんだ」
アリッサは、少し呆れた表情をした。そして、ユリウスの手元にある本に目をやった。「その絵本が気になるの?貸してごらんなさい」
ユリウスは絵本をアリッサに渡すと、アリッサはその本をパラパラと捲る。「これは、私も小さい時に読んだわ。懐かしい」
「この本は何の本なの?」
「これはね、帝国の英雄であられる初代剣神様のお話よ」「剣神様って、僕らのご先祖さまの人?」
「そうよ。彼は本当に凄い人だったそうよ」
そう言うとアリッサは絵本を開きユリウスに読んで聞かせた。
アリッサの声を聞きながら、ユリウスは興奮したように鼻息を荒くする。「僕も剣神様みたいになりたい!」
アリッサはニッコリと微笑むと、ユリウスに言う。「ユリウス君なら、きっとなれるわよ」
アリッサは、ユリウスの頭を撫でた。「アリッサお姉ちゃん。ありがとう!」
ユリウスは、満面の笑みを浮かべると、絵本を抱えて部屋を出た。
ユリウスは興奮しながら廊下を歩いていると、「アリッサお姉ちゃん。ありがとう!」
ユリウスは、満面の笑みを浮かべると、絵本を抱えて部屋を出た。
ユリウスは興奮しながら廊下を歩いていると、邸内にある湖の畔で人影を見つける。
「全然釣れんな・・・・・・」それは現在療養中の帝国中将でありこの中将邸の主ウィシュターニア公のウィズだった。「よし!次はもう少し遠くに投げて見るか!」ウィズは、釣り竿に餌を付け直して、湖に投げ入れた。
ユリウスは、ウィズの姿を見て声をかけた。「ウィズにーちゃん!」
ウィズが振り返るとそこにいたのはユリウスだった。「どうしたんだ?ビオーネとユリナンテは?」「今日は、ユリウス1人で探検してるの!」「そうか。まぁ邸内なら問題ないなろ」
そう言うと、ウィズはユリウスの頭を撫でた。
「えへへ」と嬉しそうに笑うユリウス。
すると、ユリウスが持っている本に気付き「それは?」と聞くウィズ。
ウィズは本を受け取るとパラパラとめくり始めた。そして、あるページで手を止める。「これは、初代剣神の英雄譚か?」「うん。ウィズにーちゃん知ってるの?」
「当たり前だ。初代剣神は我々の祖アルベルト・ウィシュターニアのことを指す。帝国の武力の象徴だからな」
ウィズはユリウスの顔をじっと見る。
「初代剣神に憧れてるのか?」
「うん!僕もいつかは剣神様みたいになりたいんだ!」「そうか。なら頑張れよ」
「うん!」
ユリウスは、ウィズの膝の上に座った。「ねぇ、ウィズにーちゃん」「ん?なんだ?」
「僕、剣神様みたいに強くなれるかな?」
ウィズは優しく微笑むとユリウスの頭をポンッと叩く。「お前次第だ」
「僕頑張る!」
そう言うと、ユリウスは、次の冒険を探しに歩き出した。




