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穏やかな構図

公女エミリアの子ども達、上からビオーネ、ユリナンテ、ユリウスの三人は邸内で怪しい行動をしていた。

三人は、エミリアが産んだ子ではなく、別の貴族の娘や戦争孤児を引き取ったのである。「ビオーネ、ユリウナンテ、ユリウス。母はこれからお仕事の時間なので、その間は、お庭で遊んでいてね?」

「うん、わかった!」

エミリアの言いつけに素直に頷き、三人の子ども達は中庭へ駆けていく。その後ろ姿を見送ると、執務室に入り書類に目を通す、するとどこからか視線を感じる。「おや?ユリウスどうしましたか?」視線の正体は末っ子のユリウスであった。エミリアが振り返ると、ユリウスはプイッと顔をそらした。

「あら?反抗期でしょうか?年頃の子は扱いが難しいですね……。やはりウィズ達とは勝手が違いますね。ユリナンテ達はお外で遊んでいますしどうしたのかなユリウス?」

「あのねママ抱っこ!」「え?」

「だからね、抱っこ!お姉ちゃん達には内緒ね」

ユリウスはエミリアの服の裾を握りながら、抱っこをおねだりする。その仕草にエミリアは思わずキュンとする。「もう、ユリウスったら可愛いですね。よいしょっと」エミリアはユリウスを抱きかかえると膝の上に乗せる。するとユリウスは嬉しそうに顔をエミリアの胸にすりつける。「ママ好きー」

「ふふ、甘えん坊さんですね」

「えへへ」

ユリウスの頭を撫でながら、エミリアは書類に目を通していく「お仕事してる時のママかっこいい!!」

「ええ、ありがとう。ユリウス達がいてくれるから頑張れますよ」エミリアは微笑むと、ユリウスを抱きかかえながら仕事を続けた。「ユリウスくんみっけ!!ママ!一緒に遊ぶ!!」

「はいはい、わかりましたよ」

エミリアとユリウスは庭へと出た。そしてエミリアはユリナンテの頭を撫でる。するとユリナンテは嬉しそうに顔をほころばせる。「ママ!大好き!」

「ふふ、ありがとうございます」

「ママ!ビオーネも!」「はいはい、わかりましたよ」

ユリナンテの頭を撫でるエミリア。するとユリナンテは嬉しそうな表情を浮かべた。そんなユリナンテの姿を見たユリウスもエミリアにおねだりする。「ママ!抱っこ!」

「ふふ、わかりましたよ。よいしょっと」

「ママ力持ち!」ユリウスを抱きかかえると、ユリウスも顔をほころばせる。そんな二人を見たユリナもまた笑顔になる。「もう、みんな甘えん坊さんね」そう言って微笑むと、三人は庭で遊ぶことにした。「ほらほら、こっちですよー」

「きゃー!」ユリナとユリウスはエミリアの投げるボールを追いかける。しかし、ビオーネが転んでしまったため、エミリアは慌てて駆け寄る。「大丈夫ですか?ビオーネ?」

「うん!大丈夫!!」ビオーネは元気な声で答えると、すぐに立ち上がり再び駆け出す。そんなビオーネを見て微笑む。「強い子ですね。ユリナンテもユリウス気をつけて遊ぶのですよ」

「はーい」エミリアの言葉にユリナンテが元気よく返事する。

「楽しそうですね。姉上」エミリアが声の方へ振り返ると松葉杖を付いた弟のウィズとその妻クレアがいた。「ウィズ、貴方出歩いて良いのですか?」「リハビリですよ。それにクレアもいますし」「貴方はいつも怪我をして帰って来ますね。鍛錬が足りてませんよ」そう言うとエミリアは、ウィズに近付き頭を撫でる。

「あ、姉上子ども扱いは、ご遠慮願います」「あら、ごめんなさい。つい癖でね」

ウィズは恥ずかしそうに頬を赤くする。「クレアさんもお散歩ですか?」「ええ、姉上様。旦那様1人では心配で」そう言とウィズは赤くなる。「お前も私を子どもあつかいか?」「いえ、そう言う訳では……赤くなる旦那様もお可愛い・・・」クレアの言葉にウィズは慌てる。

その様子を見てエミリアは微笑む。「クレアさんも大変ですね。でも、あまり無理をしてはいけませんよ?」「はい、ありがとうございます姉上様」クレアは笑顔で答えた。「ウィズにーちゃん遊んで!!」するとお子様三人衆がウィズを囲いせがむ。「お前らは鬼か!」ウィズはため息をつく。「遊んでくれないの?」ビオーネが上目遣いでウィズの左袖を摘む。「う、そんな目で見るな……仕方ないな」ウィズは諦めたようにビオーネの頭を撫でる。「旦那様は、お子様達には弱いですね」クレアが笑う。「うるさいぞ、クレア」ウィズは少し恥ずかしそうにする。「えへへ」ビオーネは嬉しそうな表情を浮かべると、ウィズの左袖を掴んだまま走り出した。「ちょ、危ないぞ!!私が!」ウィズは転びそうになるが、何とか踏みとどまる。

「ねーたんあそぼ!」ユリウスはクレアの手を掴むと、引っ張る。「はいはい、わかりましたよ」クレアは苦笑しながら、ユリウスに引っ張られる。その様子を微笑ましく見つめるエミリア。それが帝国公女の穏やかな一日であった。

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