モードレッド・ホワイト
スノーが帝都に戻るとすぐに中将邸の執務室に向かった。「兄上、ただいま戻りました」スノーは、そう言うと執務室の中に入る。
「ご苦労だったな」中将邸の主で兄のウィズは、優しく微笑み出迎える。「その子は?」ウィズは、スノーが抱く赤ん坊に視線を向ける。
「この子は孤児となった子です。名前はモードレッドです。私が責任を持って育てようと思っています」スノーは頷きながら答える。
「そうか……これも姉上の遺伝かそれとも……まぁ大事に育てろよ」
「勿論です兄上!」スノーは笑顔で答えた。「今日は、姉上も帰って来ておられる。そっちにも顔を出せ。きっとお喜びになると思う」「わかりました。早速行きましょう」スノーは、モードレッドを抱きかかえると執務室を出て姉の部屋へ向かうことにした。
姉の部屋は中将邸の二階の突き当たりにある。部屋の前に到着するとノックをして中に入る。中では、妹のユリナンテがベットから上半身を起こしていた。「スノーお姉ちゃん!帰って来たのね!」ユリナンテは、嬉しそうに微笑むとスノーの元へ駆け寄る。「ただいま戻りました」
「おかえり……その赤ちゃんだ〜れ?」
ユリナンテは、スノーに抱きつくと不思議そうに見つめる。
「この子は、モードレッドよ。訳あって私の娘になるの」スノーが説明するとユリナンテは興味深そうに見る。
「そうなの……可愛い!」スノーはそう言ったユリナンを優しく頭を撫でる。
「ユリナンテのそうね……妹になるのかしら」スノーはそう言うとユリナンをモードレッドの側へと連れていく。
「あぅー」モードレッドは、嬉しそうに手を伸ばしてユリに触る。
「ふふっ……可愛い!」ユリナンテがそう言うとモードレッドも真似をして手を伸ばす。「本当にお可愛い事ですね」眠っているユリウスの頭を撫でながらソファーに座る姉、公女エミリアが微笑む。「私が育てた娘が赤子を育てて母になろうとしているとは……考え深いものですよ」エミリアは、そう言うとモードレッドを見つめる。
スノーは、姉の隣に座りながら答える。「ええ……この子が立派な大人になるまで私が守ります。姉上が私達にしてくれたように愛情を注いで」スノーの言葉にエミリアは優しく微笑むのだった。そしてしばらく談笑した後、スノー達は部屋を後にした。その夜、スノーは自分の部屋で眠るモードレッドを眺めていた。その寝顔はとても安らかである。「可愛い子……」スノーはそう呟くとそっと頭を撫でる。すると、くすぐったそうに身じろぎをする。その様子を見て思わず笑みが溢れる。「さて……そろそろ寝ようかな」スノーは、モードレッドをベッドの中へと移動させると自分も布団に潜り込んだ。そしてモードレッドを抱き寄せると優しく抱きしめる。すると、安心したように眠りについたようだった。
翌日、スノーが目を覚ますと腕の中にある温もりを感じた。見るとそこには、気持ち良さそうに眠るモードレッドの姿があった。スノーはその姿を見て微笑むとそっと頭を撫でる。すると、くすぐったかったのか少し身じろぎするが起きる気配はないようだ。スノーは、モードレッドを抱き寄せると優しく抱きしめる。すると、安心したように眠りについたようだった。「ふふっ……可愛い子」
スノーは、そう呟きながらモードレッドの寝顔を見つめていた。そして、しばらくするとモードレッドの目がゆっくりと開いた。「おはよう」スノーが声を掛けるとモードレッドは嬉しそうに微笑む。
モードレッドは、スノーの胸の中で甘えるように顔を擦りつけるとそのまま眠ってしまった。その様子を見てスノーは思わず笑みをこぼすのだった。のちにこの赤ん坊が大陸全土に名を轟かせる事は誰もまだ知らない未来の話である。




