女神に愛された子
クレアが眩しい光の中で目を開くとそこには、夫であるウィシュターニア公であり帝国軍人のウィズ・アルベルトが十字架に磔にされていた。
『これは!?』『これは、いまのパパなの』ぷかぷかと空中に浮く赤ん坊リアが未来の母クレアの疑問に答えた。『リアとパパのこころがリンクしてるの。だから、パパがあぶないのわかるの』『危ない?』『うん!パパは、てきにころされそうなかんじなの!』『 ……そんな』
ウィズが殺される。クレアは、そう思っただけで涙が流れた。
『どうすれば、旦那様……パパをたすけられるの?』『いまのリアたちは、とうくのようすはみれるけど、かんしょうはできないの』『どうすれば……』クレアがそう呟いた時、再びあの感覚が来た。今度は、手足に浮遊感を感じ目を開けるとそこは……『ここは……』『パパをたすけるには、めがみさまのちからがしつひつようなの。でもめがみさまは、わるいやつにつかまってるの』『悪い……やつ?』『うん!』
『でも、どこにいるのか……』『アクシズきょうこくなの。わたしとめがみさまのこころがつながってるの』『えっ……アクシズ教国』クレアは、その国の名に覚えがあった。『でも、どうして……そっか女神アクエリウスを信仰する国家だから』『そうなの。そこにめがみさまのたましいをやどしたおんなのひとがつかまってるの』『女神様』『めがみさまは、そのおんなのひとをたすけようとして、ちからをつかったの。いまは、わるいやつらにちからをうばわれてるの』
『その女の人って誰なの?』『う〜んとね。れいしゃってひとなの』『れいしゃ……それってもしかして、神聖国のレイシャ・クローズさん?』『そうなの!でもね、そのおんなのひとは、めがみさまのたましいのはんぶんとゆうごうしてるの。でもわるいやつにねんねさせられて、めがみさまのちからをつかえないの』
『そんな……』クレアは、絶望した。
ウィズを助けるには女神アクエリウスの加護を受けたレイシャの力が必要なのにそのレイシャは神聖国の人間でしかも今は、囚われの身だと。
『どうしましよ』クレアは、絶望した。
するとリアが、『だいじょうぶなの!』と叫んだ。
『えっ?』
『パパをたすけられるひとがいるの!そのひとならきっとパパをたすけてくれるの』『誰なの?その人は……』『けんしんさまなの!』
「ウィズ様を救えるのは、初代剣神アルベルト様だけ」クレアは、自分のつぶやきにハッとした。『リア……私はどうしたら』『うーんとね』リアは眠そうな目を擦りながらクレアにその方法を教える。
『けんしんさまのけんがひつようなの。そのけんは、いま、れいしゃおねえちゃんとおっしょにアクシズきょうこくにあるの。めがみさまのかごとけんしんさまのけんがあれば、パパはむてきなの』わかったわ」『でもね……』『大丈夫、旦那様が助かるなら私は何でもするから!』クレアは、リアに向かってそう宣言する。すると赤ん坊のリアが満面の笑みを浮かべる。『ママだいしゅきなの』
「私もよリア」
そして、再び光に包まれた。
「ここは……」クレアが目を開けるとそこは、屋敷でもなく、セピア色の部屋でもない·····そこは、アクシズ教の総本山。女神アクエリウスを信仰する神の国。アクシズ教国だった。




