こんにちは赤ちゃん
「えっ……お腹のこの子が動いた?」クレアは、自分のお腹を触りながら、驚愕し目を見開いていた。そして、はっと我に返り再び夫の事を思い祈った。
するとまた再び動くはずのないお腹が動くのだった。
そしてそのお腹の子は叫んだ『パパをたすけるの!』確かにお腹から声がした。「まさか……そんな」クレアは、再び驚愕するのだった。
するとクレアのお腹は光り輝き再びクレアの声に反応した。
『ママをかなちませるひときらいなの!』今度は鮮明にその声を聞き取ったクレアは、お腹に話しかける。「あ、あの」『ママ!』お腹の光はママと叫んで、大喜びしている。「あなたは誰なのですか?」『わたちのおなまえは、リアなのパパがうぃじゅあしゅべるとでママがクレアなの!』「ママ!?私まだあなたを産んでませんよ!?」
『きもちよくママのおなかのなかでねんねしてたらね、きれいなおんなのひとがきて、パパをたすけてあげてっておねがいされたの!そしたらママとおはなしできるようになったの!』「きれいな女の人?」クレアは、考え込む。こんな神秘的な事のできる人とは?「もしかして」
クレアは、心当たりがあった。ウィズが熱心に祈るアクシズ教の女神アクエリウスならこんな不思議な事を起こしておかしくない。
しかし、いまいち確信が持てない。
するとクレアは、光に包まれ思わず目を閉じてしまい、次に見た光景は、「ここは……」
『わたちのおへやなの!ママ!』光から解放されて目を開いたクレアの目に、見慣れないセビア色の部屋が映った。『やっとママにあえたの!』不思議な事は続くもので赤ちゃんが中に浮きクレアの元にハイハイしてくる。『ママ〜』クレアは、唖然として声がでない。それもそのはず赤ん坊の髪は、黒く右目は赤で左目が黄色いオッドアイで極めつけはその頭のてっぺんにある可愛いアホ毛が生えている。その2つの特徴は、まさにウィシュターニア家とクレアの実家であるフェルナンテ家の特徴に一致する。
「あなたが、私と旦那様の赤ちゃん?」赤ん坊は、満面の笑みを浮かべる。『うん!わたちリアフォードっていうの!』
「リア……フォード」
クレアはその名前を知っていた。夫であるウィズや公女エミリアの母君にあたる先代の公爵夫人の名前だ。「どうして、あなたがそのお名前を知っているの?」『めがみしゃまが、つけてくてくたの!』
「めがみしゃま?」『うん、あおいおめめをしているきれいなひと!そのひとがね、パパがあぶない!っておしえてきれてね、ママとねおはなしできるようにしてくれたの』
「その女の人のお名前わかる?」
赤ん坊のリアは、空中で座り込み、腕を組んで必死に思い出そうとしている。その姿は、およそ赤ん坊のする仕草ではない。『う〜んとね、めがみあきゅえりうちゅっていってたの!』「女神アクエリウス様!」
クレアは、思わず叫んでしまう。神話の女神を名乗る人物に心当たりがあったのだ。それにその女神の外見的特徴と一致している。「やっぱり……あなたは、私と旦那様が愛した人なのですね」『あい?』リアは、きょとんとする。
「いいえ、なんでもありませんわ」『うん!ママだいしゅき!』「ありがとう、私もよリア」『えへへ』リアは、嬉しそうに笑りクレアにおでこをくっつけるとクレアは、光に包まれた。




