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ウィシュターニア公戦記  作者: 上西日向守
ユスタリス神聖国編
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刺客

「誰ですか!」フリューゲンは、男に向かって叫ぶ。男はゆっくりと振り返る。

「……聖十字軍参謀。フリューゲン・ラインバッハ……か」「なぜ私の名を知っているのですか?貴方は何者なのですか!」フリューゲンは、この男から只者ではないと感じとる。「フリューゲン・ラインバッハ。噂どうりの美女……だな」「何を言っているのです!?答えなさい!」フリューゲンは、警戒し、剣を鞘から抜く。「……俺と戦うと言うのか?」「何者だか知りませんが、貴方が敵であるならば容赦はしません」フリューゲンは、剣の切っ先を男に向ける。

「俺の任務は……貴様だ」男はゆっくりとした口調で、レイシャを見つめる。「貴方は一体誰なのですか!?私を知っているようですが、私は貴方など存じていません!」レイシャは、男に対して叫ぶ。「ゲルガ・オルフェノク……だ」は、そう名乗る。「ゲルガ……オルフェノク……!?」それを聞いたフリューゲンは、驚きを隠せなかった。

「聞いたことがあります。アストロ諸国連合に加盟するデルトラード王国の【鬼人】の2つ名で、恐れられているという第一級犯罪者です」

「……流石は、博識高い女だ」ゲルガは、ゆっくりと歩き出す。「そんな人物が、何故ここに」レイシャは再度問いかける。

「……俺は七剣列強の1人」「し、七剣列強!?」レイシャとフリューゲンは驚愕する。

「ベルモットからの俺への指令は、一つ女神アクエリウスの魂を宿すレイシャ・クロードの捕縛だ……」「捕まえて……何をするつもりです」

「……さぁな。だが貴様が必要だそうだ」「私を……」レイシャは、ゲルガを見つめ返す。「わ、私に何をするつもりなのです!私を連れてって……何が目的なのです!?」レイシャは、ゲルガに問う。

「答える必要は無い。それは、貴様が一番よくわかっているはずだ……」そう言い捨てると、ゲルガが腰につけていた双剣を抜き放つ。「フリューゲン・ラインバッハ貴様に用はない……」「私は、聖十字軍参謀です。逃げ隠れもしません」フリューゲンは、剣を構える。……愚かな女だ」ゲルガがフリューゲンに斬りかかろうとする。その瞬間、ゲルガの双剣が弾かれる。「!?」ゲルガは、後ろに後退する。「レイシャ・クロード……俺は出来れば無傷で貴様を連れて行きたい……フリューゲン・ラインバッハ俺は、女を斬る趣味はない……」「私もここで捕まる訳にはいきません。貴方は、私を連れ去り……そしてどうするおつもりですか?」

「……何度も言うが貴様が、知る必要のないことだレイシャ・クロード」

「なら、私は貴方をここで倒します」レイシャは、剣を構える。「……いいだろう。だが俺は、七剣列強の1人だ。甘く見ない方がいい……」ゲルガが双剣を構え直す瞬間、フリューゲンが斬り込む。

「私もいますよ!」「愚かな……2人同時に相手をすればいいだけ」

レイシャとフリューゲンは、ゲルガを挟む形で斬り込む。だが、ゲルガの双剣がそれを全て弾く。

「……この程度では、俺は倒せない」

「くっ……」レイシャは、剣を構え直す。「神聖国の聖十字軍もこの程度……か」ゲルガが双剣を鞘に収めるとフリューゲンに斬りかかる。「!?」フリューゲンもそれを剣で防ぐ。「な……なんて速さなのですか!」

「遅いぞフリューゲン・ラインバッハ」ゲルガの拳がフリューゲンの腹に入る。

「ぐはっ……!」フリューゲンは、そのまま吹き飛ばされる。

「……眠っていろ」ゲルガは更にフリューゲンの首筋に手刀を入れる。

「がっ……」フリューゲンはそのまま気を失う。そしてゲルガがレイシャに振り向いた。

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