女神の加護
「ウィズ様……ゼラ殿は」「ゼラは、消えてしまいました……。貴女を助けるために……」ウィズが、レイシャを抱きしめる。レイシャは女神アクエリウスの魂つまりゼラと融合する事で生き返った。それを説明するとレイシャは、泣き出してしまう。「私が弱いばかりにゼラ殿の存在を消してしまった」「それは違うぞレイシャ殿。ゼラ殿の魂つまり女神アクエリウス様の魂は、貴女の中にある」ウィズはレイシャの手を握りしめる。
「ゼラ殿の想いを継ぐのです」
「はい……」レイシャが涙を拭い、立ち上がる。「何を終わったようにしている君ら」2人が振り返るとズタズタに切り刻まれて生きているのが不思議なくらいの身体で立っているベルモットがそこにいた。「まだ生きていたのか」ウィズが、ベルモットを睨みつける。「女神の魂を宿した小娘か……剣神の血……初代剣神の剣……いつか我が物に!!今回は私の敗北だ。しかし忘れるな女神アクエリウスの身体は、我が手にある事を!!」ベルモットが姿を暗ませると同時にクリスタルの結晶に封印されていた女神アクエリウスの身体も消えてしまった。「くそ!!」ウィズは、拳を地面に殴りつける。「私は、自分が信じる女さえ救えないのか!」
その拳をレイシャが優しく握る。「大丈夫です。私(魂)が分離しているかぎり、ベルモットに悪用される心配はありません」「しかし、ベルモットはレイシャ殿を狙っている。そしてその力を欲しています」
ウィズの言葉にレイシャが頷く。「はい、私がなんとかします」レイシャの瞳から強い意志を感じた。ウィズも覚悟を決める。「わかった。私は貴女を信じます」レイシャとウィズは手を取り合う。
「では、行きましょうか?」「はい!」
「ここは……どこなのだ?」「そういえば、忘れていたな」気絶していた神聖国を支配する5人の最高臣老神の1人でベルモットの死徒として操られていた、アルキメデウスが正直に戻った。
「老神アルキメデウス様!」
「貴公は、聖十字軍のレイシャ・クローズではないか……ここは一体。私は何を……」「正気に戻ったなら話が早い。ここを出るぞ」アルキメデウスが立ち上がり辺りを見渡す。
「見たところここは地下のようだが。それに貴公は何者か?」
「私のはグラディウス帝国中将
ウィズ・アルベルト・ウィシュターニアだ」「なんと!帝国の死神ウィズ・アルベルト殿か!」アルキメデウスが膝を落とす。「すまない。私は貴公を殺そうとしていた。許してほしい」
ウィズが首を横に振る。「気にするな、老神アルキメデウスよ。それより今後の事を考えた方がいいぞ。神聖国の内部には、相当ベルモット一派の犬が紛れている」
「ベルモット?」「貴殿を操っていた輩だ」「しかし、私は操られていたとはいえ貴殿らに攻撃を……しかも戦争まで引き起こしてい」
ウィズが首を横に振る。「だから気にするなと言っている」
「感謝します。ウィズ殿」ウィズも頷く。
「ベルモット一派を倒すには、神聖国の内部をもう一度調べ直す必要があるな」
「左様……しかし我ら5人の最高臣老神は全員ベルモットの手に落ちてしまったと考えるべきだ」
ウィズが考えるように腕を組む。「そうだな……まずはベルモットの支配から神聖国を救う」
「しかし、どうやって?神聖国の国民はベルモットの洗脳を受けている可能性がある。それに最高臣老神が敵の手の中だとすると教皇様も……」
ウィズは、レイシャに視線を移す。「レイシャ殿はどう考える?」「私もウィズ殿と同じ考えです。まずはこの混乱を収めましょう」
「それなら問題ないだろう。我々が地下にいる間だ帝国もアホみたいに待っているだけではないでしょうし」「そうですね。確かにウィズ殿の言うとうりですね」「では、地上へ向かおう」ウィズとレイシャが地下からでる。「とりあえずここからでるか?」「はい」
アルキメデウスも後に続く。
神聖国に戻った3人を待っていたのは、帝国ウィシュターニア公軍だった。




