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ウィシュターニア公戦記  作者: 上西日向守
ユスタリス神聖国編
101/134

誰の為の戦い

「なので……今はダメです」「あぁ……クレア!クレア!」ウィズは、再び妻を抱きしめた。「嬉しいよ……クレア!ありがと……愛しているよ」「私もです旦那様……」ウィズは、強くクレアを抱きしめる。「なら、尚更勝ったんといかんな。この子の未来の為にも……お前の為にも」ウィズは強く強く抱きしめる。クレアの頬に温かな雫が落ちる。「旦那様……泣いてるんですか?」「嬉し涙さ。君が……俺の子を身籠ったってわかってな」

「……はい、私も嬉しいです」クレアは、涙を流しながら微笑む。「俺は、全てを君の為……ウィシュターニアの未来の為に捧げる」「嬉しい……私も貴方の為、ウィシュターニアの為に尽くします」

部屋を出ると扉の前でアリエルが声を押し殺して泣いていた。

「……アリエル?」「ち、違うの別に嫉妬してる訳じゃないよ……でも、少し羨ましくなっちゃって……」「アリエル……おいで」ウィズが両手を広げる。「……うん」アリエルは、素直にウィズの胸に飛び込んだ。ウィズもそれを優しく抱きしめた。

「私は貴方と共に歩みたいの……私はね、きっと戦場で君を支える為に軍人になったんだと思う。クレアちゃんの代わりにって言うのはおこがましいと思うかもしれないけれど君を守らせてよ」アリエルが、涙を流しながら訴える。「……本当は怖いんだ。英雄とか、死神なんて呼ばれていても怖いんだ。夢に見るんだ戦場の夢を……失っなた命ばかりに気を取られて今、生きている生命の重みを忘れるのが。俺は人なんか殺したくないし、殺されたくもない……臆病な男なんだ」その日は、クレア、アリエルと3人で眠った。

翌日中将邸の前には、ウィシュターニア公軍とリターニア公軍の公公連合軍が整列していた。「諸君!!我々は、これより我が愛すべき帝国領に侵攻して来た邪神を崇める異端者をあの世に送っりに行く!!それぞれに思いや使命があるだろう!!しかしそれを今だけでも、私に預けてくれ!」ウィズが大声で演説する。「諸君!君達は、英雄だ!!誰一人として欠けてはならない!死んだ者もまた英雄である!ただ生きて帰って来たものは皆等しく英雄である!」

その言葉に公軍の兵士達は歓声をあげた。「では出陣する!!帝国の誇りを示せ!!」「うおおおぉぉぉ!!!」兵士達の雄叫びがあがる。そして、エドワード率いる先鋒隊が出陣してく中。ウィズは、クレアと幼い妹弟に騎士のヴィクトリアを呼ぶ。「ユリウス」「はい!!」ユリウスは、敬礼する。「お前は男だ。ウィシュターニアの男だ。私は戦に出る。わかるな?」「はい!!」「兄達がいない今、お前が、ウィシュターニアの長だ。だから家族をお前が守らなくてはいけない」「はい!!」

ウィズは、真剣な眼差しで言う。「ユリウス……頼んだぞ」「お任せ下さい!兄上!」

今度は、ヴィクトリアと向き合う。

「ヴィクトリア・バルベルデ。ウィシュターニア公家騎士としてその剣で任を全うせよ」「命に変えても我が主」「私が戻るまでクレアを妹弟達を頼んだぞ」

「……はい」ヴィクトリアは、涙ながらに返事をした。

最後にクレアに向き合う。「クレア」「……はい」ウィズは、そっと唇を重ねる。

「いってらっしゃい旦那様……ご武運を」「あぁ……行ってくるよ。我が愛すべきウィシュターニアの地に土足で入ってきた輩を直ぐに蹴散らして帰ってくる」ウィズは、再び抱きしめ愛しい妻の温もりを感じながら戦場に向かったのだった。

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