不都合な妹
自分のエロチックや怠惰、逆に他人には秘めてる潜在能力なんかが他人に全部知られていたらどう感じるだろう。
人による。というのが一般的な回答。僕もそう思う。
あれは先週のことか、あるいはずっと昔から気づかないふりをしていただけなのかもしれない。
とにかく僕には妹がいるのだ。
表向きにはいないことになったいるのだが、先週の日曜日、確信した。
「にちようび」って反対から読んだら「びうよちに」だな。なんて思いながら実家の階段を登っていた。
「びうよちにちようび」「びうよつげつようび」
日曜日は好きだ。僕は心弾んでいた。そんなときだった。
ー---「ととと」
足音だ。二階から足音がする。唯一の家族である義母は出払っているはずだ。
足音を追い、「どどど」と駆け足で上を目指す」
「誰かいるんですか?」
返事がない。
「ただのしかばねのようだ」
ぼそりとこぼす。ぼそりとこぼした、その直後だった。
体に吸い込まれていくような、可愛らしくも凛々しく、鼓膜の色すら染めてしまいそうな声が漏れ出るのを聞いたのだ。
「っぷぷ、変なのっ」
「ー-----おにいちゃん、変なのっ」
妹は、確かに言ったのだ。
最後まで読んでくれてありがとう
筆者は原稿用紙に手書きしたものを投稿しているので、400文字前後のものが多くなると思われます。
本作品は、最高のヒロインをモットーにお届けいたします。
良かったら「ブクマ」「評価」お願いします。
そして何より、これからも「不都合が嫌いな妹」にお付き合いいただけると幸いです。