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⁑初心者教習卒業(1)

翌日、僕は体内時計のおかげで、シュッと目を覚ますことができた。


昨夜のまま…カイトの腕が、僕の頭の下にあった。


「…カイト」

僕が小さく呟いた、次の瞬間に…

カイトもパッと目を覚ました。


「…おはよう…」

「…おはよう…ございます…」


言いながら、僕らはまた…ちょっとだけ口付けた。



カイトは、スッと起き上がると、バッとベッドを下り…サクサクと制服を着た。


昨日あんなにダメな酔っ払いだったとは思えない、素早い動きだった。



僕も上半身を起こした。

僕も割と飲んだけど…これっぽっちも酒が残っている感じはしなかった。


もしかして、コアにはアルコールをササッと分解してくれる力もあるのかな…


そんな事を考えながら…僕は自分も制服を着た。



さっさと支度を終えたカイトは、キッチンで、何やゴソゴソとやっていた。


僕が支度を終えてそっちへ行くと、彼はテーブルに茶色い飲み物の入ったカップを2つ置いた。


「…これって…コーヒーかな…」

「ああ」


言いながらカイトは椅子に座ると、そのうちの1つを手に取って啜った。



僕も彼の向かい側に座った。


「これ…とてもステキなカップだね…」

ちゃんとしたソーサーのついたカップではなかったが、グラデーションの模様があしらわれたそれは、まるでコアの光のように美しかった。


「コーヒーも…すごく美味しい…」

「…」


カイトは、僕を見つめて…言った。


「…そのカップに見覚えない?」

「えっ…」


「…そうか…」

そのまま、彼は黙ってしまった。



…もしかして、リューイから貰ったのかな…

僕の部屋にあるグラスみたいに、キーファーさんが特別に作ったシリーズなのかもしれない…


「…ごめんなさい」

僕は思わず、謝ってしまった。



シュンとした僕を見て、カイトはふっと笑った。


「美味い?それ…」

「うん…今まで飲んだ中で一番美味しい…」


「そうか」

さっきよりは少し嬉しそうに、彼は答えた。



それから僕らは、一緒に部屋を出た。

カイトはそのまま、戦闘部隊の体育館へ…僕はエレベーターに向かった。


「終わったら、またこっちへ来い。あれだけ出来る様にになったら、こっちでもやれる事がある」

「うん…分かった」


僕らは手を振って別れた。



そして僕は…いつもの教習機関へ行った。


「リューイおはよう、調子はどう?」

ルイスが僕を出迎えた。


そう言えば、この人は…いつも僕より早くから居るよな…


「あの…ルイスさんって、もしかしてずっとここにいるんですか?」

「そうよー、ここの指導員の部屋は、この敷地内にあるのよ」


そうだったのかー  



そして僕らはいつもの部屋に入った。

いつものように床に座った僕に、ルイスが言った。


「今日は集中無しでやってみましょう」

「えっ…」


「手にコアを出してみて」


そんな…来て急に…何にも準備運動無しで!?


「たぶん…もう出来ると思うわ」

「…」


僕はそっと目を閉じた。目の中のコアは…昨日、カイトが注入足されたせいもあってか、昨日よりずっと輝いているのが一目瞭然だった。

僕はすぐに、あのメロディーを思い浮かべた。


コアが、更に輝きを増した。

眩しいその光は、僕の目の中から溢れ落ちそうなくらい輝いていた。

溢れるその光は、すぐに僕の右手に移った。

それでもまだまだ、コアの輝きは褪せなかった。


「投げてみて」

ルイスが的を出した。


「…」

僕はそこへ向かって、それを飛ばした。


シューーッ

ドカーンッ!


「…っ」

「凄い…昨日よりずっとパワーアップしてる!」


…ホントだ…

この勢いなら、昨日の…あの体育館の的でも届くかもしれない。


「はい、もう一回!」

「…」


続いてのコアも、難なく手に移す事が出来た。

僕はまたそれを飛ばした。


何度もやっていくうちに、僕の目の前のコアは、更に磨きがかかったように、明るく輝いていった。

最後の方では、わざわざ目を閉じなくても、すぐに手の中にコアが出せるようになった!



「…そしたら、今度は違う事に挑戦してもらうわね」

言いながらルイスは、何も無いテーブルを指差した。


「ここに…リューイの部屋から、何か持って来て」


「は?」


「何でもいいわ…例えば、コップとか…」

「何言ってんですか…そんな事、出来るわけが無いじゃないですかー!」


「出来るわよ…」

「…」


「目を閉じて…コアの中に、持って来たい物を思い浮かべてみて」

「…」


僕は言われた通りに…例の、カイトが手品で出してくれた、あのグラスを思い浮かべた。


「はっきり、それをコアの中に入れて…」

「んんんー」


「両手をここに翳して…」

僕は、テーブルの上に両手を翳した。


「コアの中のそれを、ここに移してみて」



…そんな難しい事、出来る気がしなかった。


それでも僕はまた、あのメロディーを思い浮かべながら、必死にそのように…念じてみた。


しばらくすると、僕の身体中のカイトが、どんどんコアに集まっていくような気がしてきた。

その感覚によって、コアの中のグラスの映像が…更にくっきり鮮やかになっていった。


「…っ!」


やがてそれは、鮮やかな映像というより、もうそれそのものになっていき…それが、僕のコアの中から溢れ出そうなくらい、立体的になってきた。


もう、いっぱいいっぱいな感覚だった。たまらず、僕はそれを…翳した手の方に押しやった。


両手から眩しい光が溢れた。


「…」


そして…その光が段々と消えていくと同時に…

何と、そのグラスが…そこに現れたではないか!!!


ええっ…?!

えええーーっ!!?



僕は、ひっくり返りそうになった…





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