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⁑改修工事見学

翌日…僕らはいつものように訓練に行った。


レオが復帰していた。


「レオ!」

皆に囲まれている彼の元へ…僕らも駆け寄った。


「…よかった…元気になったんだね」

僕はレオの手を、両手で握りしめた。


「ありがとう、リューイ、カイト…迷惑をかけてすまなかった…」

「ううん…本当によかった」


言いながら僕は…そのままレオに抱き付いた。


「…」

「…」


カイトとジョシュアが…

何となくムッとした表情をしていた。



「レオも復帰した事だし…地下の改修も順調に進んでいる。皆、更に気を引き締めていこう…誰も負傷する事の無いよう、一層の自分のレベルアップに励んでいこう」


カイトは、シュッとリーダーの顔になって、皆に向かってそう言った。



肝臓強化の訓練とかしてるくせになー


僕は心の中で思いながら、クスッと笑った。



そしていつものように、全員での集中の時間を経てから、皆がそれぞれの訓練場所へと散っていった。


訓練中にも、若干の地響きと共に、ずっと鈍い音が聞こえていた。



その日の訓練を終えて…カイトが僕に言った。


「地下の様子を見に行ってみるか?」

「あーそうだね」


言われて、シュッと移動しようと、片手を上げた僕を制止するように、カイトは言った。


「エレベーターで行こう」

「えっ」


「いや最近…お前の、その力に頼り過ぎてるから」

「…」


僕がシュッと行きたいんだけどなー

むしろ頼ってくれた方がいいのに…


思いながらも…僕は大人しくカイトに従った。



エレベーターが地下へと近付くほどに、音と地響きが大きくなっていった。


地下に着いて、エレベーターの扉が開く頃には、隣のカイトの声が、聞き取れないくらいの轟音が響いていた。



あ、これは…逆に、急にすっ飛んで来てたら、心臓に悪かったかもしれないな…



カイトは、コア部屋の扉の横のボタンに手を翳した。


シュッと扉が開くと同時に…

もの凄い光が、僕らの目に刺さってきた。


「うわっ…眩しいっ…」

僕は慌てて両手で目を覆った。



「誰?…勝手に入って来たら危ないぞー」


聞き覚えのある声が、轟音に紛れて聞こえた。

同時に、スーパー戦隊のようなマスクをかぶった人物が、僕らの目の前に立ちはだかった。


「あ、リューイと…カイトか…」


「…サバか?…調子は…どうだ?」

カイトは…僕と同じく、目を覆いながら言った。


「様子を見にきたの?…ちょっと待ってて…」



サバは、いったん向こうに行くと…自分がかぶってるのと同じような、スーパー戦隊マスクを2つ持って戻ってきた。


「はい、これかぶって」

「…」



僕らもスーパー戦隊の一員になった。

それをかぶった事で…轟音が嘘のように小さくなり、目を刺す光も感じなくなって、一気に視界が開けた。


「おおお〜」


そこでは、まさに…改修工事が取り行われていた。

何人ものスーパー戦隊たちが、部屋のあちこちで作業をしていた。



「やあ…リューイにカイト…調子はどうだ?」


スーパー戦隊のひとりが…僕らに近付いて、甘い低音ボイスで訊いてきた。


ああ…中身はあの人かー

何て人だっけ…


「久しぶりだな、アルバート…こっちは相変わらずだ…工事は順調みたいだな」


あーそうだ、アルバートさんね…



アルバートは、僕らに向かって続けた。

「内側は、もうあと何日もかからないと思うよ」

「そうか…外側もやるのか?」


「せっかく良い金属が出来たからね…使わない手は無いと思って…長期計画で、ボチボチ外側も補強しようって事になったんだ」

「そうなんですね!」


あの金属が、ステーションの外側にも使われるって聞いたら…フリッツさん、きっと喜ぶだろうな…

頑張りが報われてよかった…



それから僕らは、アルバートとサバに案内されて、作業の様子を見学していった。



カイトが彼らと喋っている隙に…僕は、何となく視線を感じて…ふっとコアを振り向いた。


「…」


いつものように、美しく光り輝くコアに…僕は吸い寄せられるように近付いていった。


コアの表面が、ユラユラと揺らめいていた。



「工事の音、うるさくないの?」

僕は思わず…友だちに声をかけるように言った。


「…」


もちろん…返事が返ってくる事は無かった。

それでも、コアは…何だか嬉しそうに、パステルカラーの小さな光を、チラチラと吹き出していた。


「君を守るために…色々な人たちが、自分の持てる力を振り絞ってくれているんだ…」

「…」


「僕の力も…少しは役に立ってるみたい…」


僕はいつの間にか…まるで、昔ながらの旧友に話すように、コアに向かって語りかけていた。


返事は無くとも…コアが、僕の言葉を受け止めてくれている事を…僕は確信していた。



ほどなく…言葉を返すかのように、コアから小さい光の粒が、僕に向かって舞い散ってきた。


僕は両手を伸ばして、それを受け止めた。


その光は…両手から、じわじわと僕の身体に沁み込んでいき…僕の目の中のコアを、より一層に輝かせていった。



カイトがこっちを振り向いていた。


和やかにコアと見つめ合う僕の横顔を見て…彼は少しだけ、淋しそうな表情をしていた。




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