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⁑ 初心者教習(2)

「じゃあまた明日来て…」

ルイスに見送られて、僕はそこを出ようとしたが…


「…すいません、えーと…」

僕は、申し訳ない感じで、彼に言った。


「ここがどこで…自分の部屋がどこなのかも…ちょっと分からないんです…」

「あ、あー…そうなの?じゃあ誰かに来てもらおう」



ルイスはフォーンに手を翳しながら、呟いた。


「カイトは訓練中だな…他に誰か分かる人いる?」

「エルンは知ってます」


「あー、じゃあエルンに頼もう…」



そしてルイスは、エルンを呼んだ。

ほどなくエルンがやってきた。


「お疲れリューイ…」

エルンは僕の肩を叩いた。


僕は、彼の顔を見て…少しホッとした。


「どんな感じだった?」

エルンはルイスに訊いた。


「とりあえず、超初心者コースねー」

「…あーそう」



「まーでも、完全にダメってわけでは無かったわよ」

「ホント?」


「最後に、ほんの少しだけ…オーラが出かかってた」

「…」


それ、ホントですか?

これっぽっちも自覚無いですけど…


「気長に頑張りましょ」

そう言ってルイスは、僕に向かって微笑んだ。



「明日ちゃんと自分で来れるように、道順を覚えて帰ってねー」


手を振るルイスに、振り向いて頭を下げてから、

僕らは廊下を並んで歩いた。



「えーと…ここは真っ直ぐ…」

「ははっ…降りる階さえ間違えなければ大丈夫だよ」


ブツブツ呟く僕に向かって、エルンは笑った。


「部屋でいい?」

「…はい…あ、ついでに、お湯の沸かし方教えて欲しいです」


「わかった」


エレベーターに乗ると、エルンは並んだボタンを指差した。


「ほら、ここは26階ね」

「…26…26…」


「ちゃんと横にも書いてある」


ホントだ…

ちゃんとBeginner trainingって書いてある


英語じゃん!!!



「で、リューイの部屋は48階ね…」

「48…」


ほーなるほど、

Combat unit roomって書いてありましたわ…



「ここからは覚えてる?」

「…」


とりあえず僕は、自分で歩いて行って…

ここだ、と思う扉の前で止まった。


「…ここ…ですか?」

「うーん惜しかったね、2つ先だ…」


僕は顔を赤くして、2つ先の部屋の…扉の横のボタンに手を翳した。


扉がシュッと開いた。


「最悪、ハジから全部ボタンに手を翳して行ったらいい…開くのは自分の部屋だけだからねー」

「あ、そうか…」



そして僕らはキッチンに入った。


「お湯だったね…」

エルンは言いながら…さっき僕が出しっ放しにしてあったコップを取ると、そこに水を汲んだ。


「基本、調理はこの機械が何でもできる」


そう言って彼は、キッチンにデーンと居座っていた、

見た事のない機械の、横についているボタンに手を翳した。


機械の前面を覆っていたシャッターの様な扉が、シューっと開いた。


エルンはそこにカップを入れた。


「あ、待ってください…僕にやらせてくださいっ」


僕はそう言って…

その機械のボタンに手を翳してみた。


シューッと扉が閉まって、

30秒もしないうちに、また勝手に開いた。


「…できた…」

「あはは、だいぶ勝手が分かってきたんじゃない?」



出来たどころか、その機械は更に…

カップを乗せていた機械の中のターンテーブルを、ビョーンと外にせり出させてきた!


「…スゴい親切な電子レンジですね、これ!」

僕は思わず叫んでしまった。


「電子レンジ?」

「…あ、いや…地球にも、似たような機械があって…それを、電子レンジって呼んでたんです」


「…ふうーん」

エルンは、ちょっと考えながら答えた。



「あ、あとこれ…これってお茶ですか?」

僕は、袋に入った乾燥葉っぱを彼に見せた。


「あーそれは、お湯に溶かして風味をつけるリーフだな…」

「…」


随分と難しい遠回しな言い方だけど、

要はお茶だよな…



「食事はどうする?」

「…あーどう…しようかな…」


「前みたいにタウンで食べてもいいし、ストアで貰ってここで食べることも出来るよ」

「…」



僕はしばらく考えて…そしてエルンに言った。


「あの…どちらにしても、変装して…行きたいんですけど…」

「…ええっ?」


「サングラスとか、帽子とか、ウィッグとかって…無いですか?」

「…?」


それらの単語は、

逆にエルンが理解出来なかったらしい。


「えーと、色のついた眼鏡とか…」


「…テレスコープとは違うの?」

「そんなゴツいヤツじゃなくて〜こんな風に目にかけるものなんですけど…」


僕は、両手をメガネの形にして、説明した。


エルンはポカーンとしていた。



「帽子は、頭に被るやつ…」


「戦闘部隊が、実戦のときに被るマスクならあるよ」

「あーそんなコテコテじゃなくて、オシャレのために被るのは無いんですか?」


エルンはまた、はあ?って顔をしていた。



「じゃあ…ウィッグなんて、あるわけ無いですよね…髪型や、髪の色を一瞬で変えられる道具なんですけど…」


「ああ、それなら…」


エルンは、サッと自分の頭に手を翳した。


「自分で好きなように出来る人もいる…」


「…!!」


エルンの短髪黒髪が…

あっという間に、ロックミュージシャンのような、ロン毛金髪になったー!!



なんなのー!!


そんな楽しい事が出来るようになるんなら、

ちょっと明日からの訓練、もっと頑張ろうって気持ちになっちゃうじゃんー




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