⁑楽しい交流(3)
「うわあー…ホントに中華街みたいだ…」
任務を終えて、レオとジョシュアと交代した僕とカイトは…予定通り、リカルドの先導の元…そのステーションの、いわゆるタウンやファクトリー階的な場所を、プラプラと散策していた。
どこの店も、金が散りばめてあるであろう…原色の派手な看板を掲げていた。
まさに…地球の、日本の中華街とよく似た街並みに…僕はワクワクしていた。
そして、キョロキョロと辺りを見回しながら歩いた。
太陽こそ無かったが…通りに沿って並ぶ街灯らしきものが、これまた煌びやかに点滅していて…その下を歩くだけでも、テンションが上がった。
「華やかだろう?」
「はい…すごく楽しいところですね!」
「何か欲しいものはある?」
「え、個人的に買ったり出来るんですか?」
「買ったり…?」
ああ…また「買う」んじゃないのか…
僕は言い直した。
「欲しい物を、貰えるんですか?」
「コアと交換で貰える」
「えっ?」
「リューイとカイトは、元々コアをいっぱい持ってるから…よっぽどの高級品でなければ、何でも貰えると思うよ」
リカルドは、小さいクレジットカードのような物を取り出しながら続けた。
「俺は、ここにチャージして来たけどなー」
「…!」
すごいな…体内チャージシステムか!
そして僕らは、リカルドの案内で…派手な看板の、ゴチャゴチャした店に入ってみた。
それはどう見ても…僕の記憶の中にもある、中国色満載のエキゾチックな雑貨屋にしか思えなかった。
「何だかワケの分からない物ばっかりだな…」
所狭しと並べられた、派手な色々な小物を見て回りながら、カイトは、目をチカチカさせていた。
「あ、メガネがあるじゃないですか!」
僕は、その一角に並んでいた、色とりどりのメガネをひとつ手に取った。
「…メガネ?」
リカルドが、興味津々で覗き込んできた。
「あっちのステーションには無いですよね」
「…何これ、どうやって使うの?」
「こうするんです」
僕はそれを、自分でかけてみた。
「えーっ!?…面白い!」
リカルドは、早速自分も違う色のメガネを手に取ると…自分でかけてみた。
「ここに鏡がありますから、見てみてください」
「…どれどれ」
そして彼は、鏡に映ったメガネをかけた自分を見て…色々な角度でポーズを決めた。
「いいね、これ…俺、カッコいいなー」
「…」
とりあえずチャラ男くんは放っておいて、僕は更に店内を探索していった。
「あっ!」
僕は今度は、色とりどりの鉛筆を見付けた。
「鉛筆もあるじゃないですか!!!」
って事は…紙もあるんじゃないのか?
その近くを探して…僕は、またも色とりどりの、派手なノートのような物を見付けた。
「あったあった…」
「…それは何だ?」
「字とか絵を書く道具ですよ!」
「そんなの…何に使うんだ?」
「ええー?いや逆に…これ無しで、よく今まで生活してこれたと思うんだけど」
ポカーンとしているカイトに向かって、僕は続けた。
「キーファーさんが使ってる、あの黒板なんかより、よっぽど書きやすいし、読みやすいですよ」
「…へえー」
これから、もっともっとカイトに曲を覚えてもらいたいからな…これは絶対買っておこう…
「ねえ、これどうー?」
向こうの方から、リカルドが僕らを呼んだ。
「…!!」
彼は…とても派手な、丈の長いシャツを羽織って…またもドヤ顔で、ポーズを決めていた。
「……」
「あーまあ、確かに似合いますけど」
「だよねー」
似合いますよ
似合いますけど…そんなのいつ着るんですか!?
そんな調子で…リカルドは、派手な服を数着と…さっき試着したメガネを買った。
買ったというか…例のカードを、まさに読み取り機のようなものに翳して支払っていた。
僕も…色鉛筆を数本と、色々な柄のノートを10冊くらい選んだ。
体内チャージで本当に足りるのかな…
僕は、少しドキドキしながら…その読み取り機に手を翳した。
ピピッ…
無事支払い完了の報知音が鳴った。
体内チャージすごい!!!
それから僕らは、食品を扱っている店に行った。
そこもまさに…僕が知っている中華食材店だった。
様々な乾燥食材や、瓶に入った調味料や…まさに中華菓子が、ズラズラと並んでいる光景は…むしろ懐かしくさえ思えた。
「地球にも、同じような店がありました」
「へえーそうなの?」
「ここは本当に…中国なんですね」
「中国…?」
またもポカーンとしている彼らには構わず…僕は目を輝かせながら店内をしみじみ見て回った。
紹興酒もあった。
僕はカイトに言った。
「部屋で飲む用に、買っていこうかな…」
「いいんじゃない?」
「そしたらつまみも欲しいよね」
「…そうだな」
まさに地球のスーパーにあるような、買い物カゴが置いてあった。
僕は、そのカゴに紹興酒を数本入れると、更に店内を歩き回って、簡単に食べられそうなものを探した。
「あっ」
そして僕は、地球でも散々お世話になった、ある物を発見してしまった…
「これは絶対…カイトが好きなヤツだ!」
僕は、それをいくつも選んでカゴに突っ込んだ。
これなら部屋で自分で作れるし…逆にヴィンセントさんなんかは、この手のものは絶対仕入れないだろうからな…
カゴいっぱいに詰め込まれたそれを見て、カイトとリカルドは、訝しげな表情で訊いた。
「それ…何?」
「えっ…」
そうか…
カップラーメンご存知ないのか…




