彼女に軽く見られている俺は、隣の部屋の女子に相談に乗ってもらった。
短編初めてです。
『祐樹君! 付き合ってください!』
「んん…」
俺は、目をこすりながら、ベッドの上で目を覚ます。
「また昔の夢…」
自分が快眠してた所を邪魔してきた『昔の夢』を恨みながら、重たい体を起こした。
ここ最近、いつもこれだ。いい加減この記憶も夢も消えて欲しい。自分の中にある罪悪感をこれ以上、増やさないためにも。
パシャパシャッ。
「…ふう」
顔を洗いタオルでふく。俺は、自分の顔にタオルを押し付けながらぼやく。
「なんでこんな思いしなきゃいけないんだよ」
俺には、彼女がいる。自分の幼少期からの幼馴染の彼女。付き合ってからは、かれこれ、2年位になるだろうか。
付き合ったきっかけはただただ単純。自分が幼少期からのモヤモヤとした想いに中学の時に気づいたからである。中学の時の僕は、思いたったら、行動する人間で、自分の彼女への想いに気づいた瞬間に、告白した。今の自分にはとてもそんな勇気ない。
返事は、ノーかと思ったが、とても嬉しい返事をしてくれた。
『いいよ』
と。
そこから、俺は、彼女へと自分の恋人として出来る事を尽くした。彼女もそれに対し、とても喜んでくれていた。
でも…高校に上がってから、彼女は変わってしまった。
────────
「はぁ…」
学校の最寄り駅から学校へとある行く間、ため息をつく。
周りでは、友達とワイワイしながら登校している人達、仲がよさそうな二人組で登校している人達と色々いるが、案の定、自分はボッチで登校だ。
そんな負のオーラの塊であろう自分と、相対する人達が自分の前方にいた。自分は、前方を向くと、その人たち(4,5人)の会話が聞こえてくる。
「このメッシュ可愛くない? 最近染めたんだよねー」
「え、めっちゃ可愛いんだけど! いいね白と黒って合う~」
「やっぱ、時代はメッシュよメッシュ!」
「恵美、メッシュメッシュうるさい!」
どっと沢山の笑いが聞こえてくる。別に、今までは、あんな集団気にしてもいなかった。でも、今は気にしないようにしても視界に入ってくる。
まあ、それは、当然のことだ。
「春香は、最近なんかしたのー?」
「私は、寝てたぁ!」
笑いと共に聞こえてくる名前、春香。僕の彼女だ。
そう、高校で彼女が変わってしまったのは、環境のせいでもあるだろう。中学の時は、一軍、それこそ陽キャの部類には入らないような子だった。
学校で、春香は、あのような陽キャ女子といつもいるので自分は、まず声をかけられない。一年の時、他の人がいない時に、春香と話そうと、話したが、「学校では話しかけないで!」とも言われてしまった。学校で話しかけないんならどこで話しかければいいんだよと思う。
学校のほかの場所。例えば、デートしている時などで手をつなごうとしたら、「ちょ、やめて!」と言われたりし、意味不明だし、拒絶されてるのではないかとも思い悲しい。
しかし、今日僕は、学校で彼女に話しかけて、聞こうと思う。話しかけないでとは言われたけど、聞かないと、もう…無理だ。
俺は、そう決意し、足を早めた。
────────
放課後。
辺りに、人はいない学校のゴミ捨て場で俺と春香は、向かい合っていた。
「なんで、俺をさけたりするの? 理由を聞きたい」
今思ってることを言う。
すると、自分の目を見ながら
「だ、だって、しょうがないじゃん。恥ずかしいし…」
そう言う。
「えっ」
思わず、驚いた言葉が出る。
恥ずかしい…って。自分と付き合うのが恥ずかしいってこと…。
「そんな風に思ってたのか…。まあ、俺なんて釣り合わないよな…」
俺は、泣くよりも先にゴミ捨て場から走って逃げていた。さりげない言葉。でも僕は、とても好きだったからこそ悲しかった。
「うう…」
顔を腕で隠しながら、全力で走る。この顔を誰にも見られたくなかった。必死に、そう、必死に、自分の住んでいるマンションへと走っていった。いつしか、外は雨が降っていた。
マンションに着いたが、制服も長い髪もびしょびしょ。
「はぁ」
何回目のため息だろうか。永遠にため息が出る気がする。
そんな心もボロボロ。制服などもびしょびしょ。まるで生気を失った僕に、一人、声をかける人がいた。
「祐樹くん?」
声の持ち主は、自分の隣の部屋の梨々花。僕に初めて告白をしてくれた人だった。
「祐樹くんだよね?! 大丈夫?! 祐樹く…きて!…」
梨々花の呼ぶ声が次第に遠くなり自分の意識は、無くなった。
────────
「…んん」
見知らぬベッドの上に、起きると自分がいるのは、見覚えがない部屋。
「どこだ?」
すると、部屋のふすまが開き、聞き覚えのある声が聞こえた。
「あ、祐樹くん、おきたんだね。良かったぁ」
「え、なんで俺梨々花の部屋に?」
「さっき倒れたんだよ! で、ひどい状態だったから私の部屋で看病してたのっ」
「あ、ありがと」
「いや、全然大丈夫だよ! むしろ祐樹くんが私の部屋に来てくれて嬉しいくらい!」
そう笑いながら、梨々花は言う。そして、梨々花は続けて不思議そうに訪ねてきた。
「なんで、あんなに目が死んでたの?」
「別に何でもないよ」
僕は、無理やり笑顔を作って、梨々花に返答する。
しかし、梨々花は、むすっとした顔で自分の目を見てきた。
「祐樹くんの事、中学の時告白した時から好き。でも、祐樹くんのそういう我慢するとこは大っ嫌い! たまには、人にぶちまけてもいいんだよ…?」
梨々花の涙目の言葉に、自分の目からは、涙がいつしか止まらくなっていた。そして、全て梨々花に話した。話していくたびに、どんどん心が晴れていくきがした。
「…ごめん、こんな話して。聞いてくれてありがとう。おかげで何か心の突っかかりが取れた気がする」
春香の事をすべて話し終えた自分は、親身になって話を聞いてくれた梨々花に感謝を述べる。普通に嬉しかった。自分の悩みをしっかりと聞いてくれた梨々花に対して。
自分の感謝の言葉の後、暫く沈黙が続く。
「ん?」
長い沈黙に、はてなマークを浮かべていると、梨々花は淡々と言った。
「私じゃ、ダメなの?」
────────
「それなぁ? あれガチやばいよね!」
「分かるわ」
私、春香は、いつも通り仲の良い友達達とショッピングモールに来ていた。
昨日は、祐樹大丈夫だったかな。
昨日祐樹は、私の言葉を聞いた瞬間、どこかに行ってしまった。
まあ、大丈夫。私の彼氏だし、大丈夫だろう。
私が昨日のことを考えていると、恵美がどこかを指さしながら話しかけてきた。
「ねぇ、あれってうちの学校の制服じゃない? ここ結構遠いのに来るんだね」
「…え?」
私は、恵美の指さす男女に、啞然とした。
「どうかしたの?」
「い、いや、なんでもない」
「あっそ」
恵美にはそう言うが、全然なんでもなくなかった。なぜ私は、祐樹が取られるかもなんて簡単な事思いもしなかったのだろう。
今になって、彼が自分にしてくれた事が次々と頭に浮かんでくる。そして分かった。
ははっ。私は、調子乗ってたんだ…。
さっきまで楽しい気持ちで一杯だった心も一気に雲がかった。
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