【蠢きすぎる森その2】
「木や草で視界が悪い!各パーティーごとに背中を合わせて集団戦に徹しろ!」
ファビアナ「了解だ!4人でアニスを囲むよ!」
「「「おう!」」」
ティナ「了解です!集団戦ならお手の物です。」
イデリナ「紫蘭玉樹!やるぞ!」
「「「「はい!」」」」
ロレン「解った!ロレーヌ中に入れ!カタリナ、シュゼ、後ろを任せる。」
「「「「はい!」」」」
『【解析鑑定】』
アラクネ(幼体) レベル32
「アラクネの幼体らしい。レベルが32だ。気をつけろ、グリーンウルフより小さいが強いぞ!
ナナイ!アラクネの幼体って売れるの?」
ナナイ「レア中のレアよ、シグレくん!」
ファビアナ「良いか、蜘蛛型の魔物は腹を傷つけるなよ!糸袋が腹にあるんだ!傷つけたら金にならなくなるぞ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
―― 10分前 ――
「ファビアナ、この先は木が多いんだな。」
ファビアナ「この林を脱けた先にジャイアントスパイダーの住む洞窟があるんだ。」
「サクラ。この林の中に気配はあるか?」
サクラ「それが気配は感じないんですが、嫌な臭いはしています。」
ナナイ「シグレくん、魔物にも気配遮断を使う奴がいるからね。」
「了解だ。でも此処を通らないといけないんだよな?」
アニス「そうね。此処がジャイアントスパイダーの巣まで最短なのよ。」
「警戒を厳重にして進もう!パーティー毎に警戒を頼む!」
「「「おう!了解!はい!」」」
―― カサカサ・・・
「何かいるな?て言うか、囲まれたぞ!」
サクラ「突然探知に反応しました。20匹です。」
「木や草で視界が悪い!各パーティーごとに背中を合わせて集団戦に徹しろ!」
「キ、キ、キ・・・・」
―― ブシュ! 糸を飛ばしてきた。
アカネ「【炎弾】」
―― ボワ!
―― ザザザ・・・・
―― ザシュ!
「糸は目隠しだってか?甘いよ。」
糸を飛ばした後、横に廻って襲いかかってきたアラクネ幼体の人型部分を骨喰で切り落とした。
「人型の子供の口から糸を出す!火魔法で燃えるぞ!」
ロレン「うちはロレーヌが火魔法を使える!問題ない!おらっ、1匹め!」
―― ザン!
ロレンが1匹袈裟に切り伏せた。
「ナナイ!赤い連檄についてくれ!アカネ、ボタンは紫蘭玉樹だ!」
「「「はい!―い!」」」
「?。サクラ上だ!」
サクラ「はい!【水鏡】」
サクラが水の鏡を踏み台に上へと登っていく。
―― トントントン。シュ!シュ! ボト!
―― カサ!カサ!カサカサ・・・
ファビアナ「カサカサ五月蠅いよ!セリャ!」
―― シッ! ボト!
ファビアナ「チッ!擦った!」
ナナイ「それでも足が落ちたわよ!」
ガエン「まかせろ!ふん!」
―― ズン!
「ギャギャ・・」
ファビアナ「擦っただけであれか。シグレ良い剣を貰ったよ!後でチューしてやるよ!」
「「「「「「「ダーメ!です!」」」」」」」
ファビアナ「・・・・・・」
「エリザ、手を出さなくて良いぞ!シユナ。木の上にまだいる。弓だ!」
シユナ「はい!」
エリザ「シユナ。斜め右の木の上じゃ。」
―― シューーー ズン! ボト!
シユナ「ありがとう!エリザ。」
「フジナ!左から2匹来る!居合いで横薙ぎにしろ!」
フジナ「では・・・」
―― シュッ・・・パチン!
「「ギ・・ギ・・」」
ボタン「ふん!」
―― ズン!
「ギ・・」
ボタン「アカ姉!右に2匹!向かってくる!」
アカネ「ティナちゃん、1匹任せて良い?」
ティナ「問題ありません。【氷槍】3つ!」
―― シュ、シュ、シュ!
―― ズンズンズン!
「「ギギ・・・」」
ティナ「イデリナ!後ろは?」
イデリナ「はい!4人で1匹なんとか倒しました!」
ティナ「それで十分です!連携をしっかり取りましょう!」
「「「「「はい!」」」」」
ロレン「カタリナ!」
カタリナ「後ろは大丈夫!シュゼが抑えて、私が削ってるわ。」
「ロレン!」
ロレン「どうしたシグレ?何かあったか?」
「ああ、ロレーヌと話をさせてくれ。」
ロレーヌ「私と?」
「ロレーヌの魔法は火を槍のように飛ばしてるよな?」
ロレーヌ「その通りよ、火で作った槍がイメージなの。」
「良し!今からその魔法は【火槍】だ。いいか、魔法のイメージをこの名前に込めて発動してくれ。
ロレン、前を開けろ!ロレーヌ、丁度1匹来る。やれ!」
ロレーヌ「え、ええ・・名前にイメージ・・【火槍】」
―― ボッ!
「「「「「えっ?」」」」」
ロレーヌ「なに・・・構築が早い。それに槍が大き――」
「ロレーヌ!撃て!」
―― シュン! ドン!
「ギャギャ・・」
ロレーヌ「凄い!・・・」
「よしその調子だ。次はシュゼだ。」
シュゼ「私?」
「見たところカタリナとアージアは馬車にあった武器に変えてるけどシュゼはそのままだな。」
シュゼ「盾は無かった。」
「シュゼ、ボタンが見えるか?」
シュゼ「器用。大剣を盾として使ってる。」
「そうだ。攻守一体だ。これを使ってみろ。」
収納から出したのはオークジェネラルが使っていた幅広の大剣だ。
「俺には片手剣に盾は効率が悪く思えるんだ。受けるなら両手で、切るのも両手で一撃で決める。やってみないか?」
シュゼ「面白そう!やる!」
「良し。カタリナ!フォローしてやってくれ!」
カタリナ「任せて!」
「6匹やった!」
ファビアナ「5匹だ!」
ティナ「4匹です!」
ロレン「4匹だ!」
「残り1は・・・後ろか!逃げようとしてる!ツバキ!」
ツバキ「お任せを!【雷】」
―― バリ! ドン!
「ギ・・」
「・・・サクラ。気配は?」
サクラ「有りません。」
「良し。警戒しながら止めを確認してくれ!」
ナナイ「シグレくん、少々面倒なことになったわよ。」
ファビアナ「そうですね、姉さん。
シグレ。森の異変の元が解ったぞ。アラクネだ。」
「どういう事だ?」
ファビアナ「この森には確かにアラクネは居るんだが、こんな浅い場所じゃないんだ。本来もっと深い場所にいるはずなんだ。ただ、浅い場所に出てくることが有ると言われてる。それが産卵の時だ。」
「子供が小さいうちは、森の奥は子供が危険なわけだ。」
ナナイ「そう。それと餌ね。この辺の虫魔物を餌にしたんだと思う。虫魔物が少なかったのはそのせいね。」
「アラクネって頻繁に産卵するのか?」
アニス「50年に1度って言われてるはずよ。」
「それでか!セグルドのギルドにこの状況に遭遇した奴がいなかったから事態が掴めてなかったんだ。
ファビアナ、アラクネ討伐の依頼を受けた事はあるか?危険度はどんな物なんだ?」
ファビアナ「1度依頼を受けた事が有る。成体は体表が金属みたいに堅い。それに動きが速かった。
倒せない事はないが気をぬくとやばいぞ。なにせゴブリンキングを餌にしたって話が有るくらいだからな。
それと、産卵の時は必ず番でいるらしい。」
「なるほど。どこかにアラクネが2匹いるわけか。」
ファビアナ「シグレ、急いでこの林を抜けよう。成体とこの林の中で戦うのは不利だ。幼体は全部お前の収納に任せて良いか?」
「了解だ。」
倒した幼体を収納し早足で林を抜けた。
林を抜け出て現れた場所は、両側が斜面で登れないことはないがそこそこの傾斜がある。樹木もあるが所々に岩が見えそれ以外は草が覆っていた。
『小規模な扇状地って感じだな。』
左右の斜面の間は幅20mほどの平地で、やはり所々に岩があるが概ね草むらだ。
「ジャイアントスパイダーの洞窟はどこら辺なんだ?」
ファビアナ「ここから200mほど行ったところだ。入り口は3カ所。斜面に穴が空いてる。」
「アラクネは気になるが、なるようになれだな。行こう!」
ファビアナの赤い連檄を先頭に斜面の底を進んでいく。
ファビアナ「シグレ、巣の穴が見えてきた。あそこだ。」
ファビアナが指さした先を見ると人が通れるほどの穴が3つあいていた。
「あれなら俺達でも入っていけそうだな。」
アニス「ファビアナ。前に来た時あんな岩有った?」
ファビアナ「えっ?」
巣穴2カ所の入り口横に黒く大きな岩が有った。
「ケケケケケケ・・・・」
「なんだ?」
突然奇妙な鳴き声が聞こえてきた。
サクラ「シグレ様、斜面の入り口から2匹来ます!」
サクラの声を聞いて奇妙な鳴き声の方に振り向くと大きな蜘蛛型の魔物が2匹50m程に迫っていた。
ファビアナ「アラクネだ!」
「キキ、キーーーーー!」
「今度は何だ?」
ツバキ「シグレ様、巣穴の岩です!」
巣穴に視線を戻すと、巣穴の横にアラクネが2匹いた。
どうやら気配を消したアラクネがジャイアントスパイダーの巣穴の横で岩のように身を丸めて網を張っていたらしい。
アラクネ(成体) レベル52
「レベル52か。」
ナナイ「魔物ランクBね。」
「キ、キ、キ・・・・」
「ケケ、ケケ、ゲーーーーー!」
「「ギーーーーーー!」」
巣穴の横に居た2匹の鳴き声の質が変わった。
「何か怒ってるのか?」
エリザ「子供を殺されて怒らん親がいるか?」
「そりゃそうだ。」
アラクネは蜘蛛の体に人型の上半身が付いたなろう定番の魔物だ。3mを越えそうな巨体に、林の方から来る2匹は上半身が女形、巣で網を張っていたのが男型だった。
「番が2組いたわけだ。見逃してくれそうも無いな。やるぞ!」
「「「おう!了解!はい!」」」
「ファビアナ!ツバキを付ける。赤い連檄で1匹頼む!」
ファビアナ「雄を1匹貰うよ!」
「ツバキ!頼む!」
ツバキ「お任せを!」
「ナナイ!サクラ、アカネ、ボタンを連れて紫蘭玉樹と雌を1匹頼む!」
「「「「了解!はい!」」」」
「ティナ!今はナナイの指示に従え!」
ティナ「はい!問題ありません!」
「ロレン!フジナとシユナ、エリザを付ける!雌を頼む!」
ロレン「おう!任せろ!」
「フジナ、シユナはロレンの指示に従うんだ!」
「「はい!」」
「残りの雄は俺がやる!クラン芙蓉峰!戦闘開始だ!」
「「「「「「「「「「おう!はい!」」」」」」」」」」
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