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【少数派だった】

ファビアナ「こっちだ、シグレ!ロレン!」


「悪い、遅くなったか?」


ティナ「いえ、私達もいま来たところです。」


ファビアナ「良し揃ったな!おやじさん!酒をくれ!」


「待った!待っただファビアナ。ティナは未成年だし俺は酒が弱い。果実ジュースにしてくれ。」


ファビアナ「えっ・・・・骨喰、お前酒が飲めないのか?」

 ファビアナが思いっ切り引いていく。


「いや、飲めないわけじゃ無いんだがどうも弱いみたいでな。すぐ寝てしまうらしい。せっかくだから起きていたいしな。」


ファビアナ「仕方ないな。なら、他にジュースが良い奴はいるか?」


 結局俺とティナの他はロレーヌが酒に弱いらしく、トコトコ付いてきたエリザが手を上げなかったので頭を小突いてジュースに差し替えた。


ファビアナ「じゃあ渡ったな。シグレ。クランの団長なんだから何か言え!」


「何か言えって・・そうだな、クランメンバーになったと言っても今まで通り自由にしてくれて良い。ただしだ、自由には責任が伴う。自由に振る舞う行動の責任は取らなきゃいけない。俺達の後ろには籍を置いてるパーティーと、これからはクランが有る事を忘れないでくれ。以上だ。」


ファビアナ「ほう?良い事を言うな。」

「そうか?」


ファビアナ「ああ解りやすくて言い。良しクラン芙蓉峰ここに結成だ!カンパーイ!」


「「「「「「「カンパーイ!」」」」」」」


ファビアナ「今日は団長の驕りだ!遠慮無くやってくれ!」

「えっ?そうなの?・・・まあ良いか。」



ファビアナ「ところでシグレ。」

「なんだ?」


ファビアナ「その小っこいのは何だ?」


「ブーーーーーーーーー!えっ?」


ロレン「そうなんだ。俺も馬車を出てから気になってたんだが、突っ込んで良いものか迷ってたんだ。」


 するとファビアナが椅子に座り食べ物に貪りついているエリザにしゃがみ込んで話しかけた。


ファビアナ「お嬢ちゃん、名前は?」

エリザ「エリザベス――モグモグ―― エリザで良いぞ。」


ファビアナ「エリザちゃんは、シグレとどんな関係なのかな?」

エリザ「ん?――モグモグ―― シグレの ――モグモグ―― 妹。」


ファビアナ「妹?妹なのか?シグレ、お前に妹がいたのか?」

「えっ?ああ居たんだ。訳あって此処で暮らしてたんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()んだ。」


ロレン「へーーーーージーーー。」

ティナ「ジーーーーーーーーー。」

「ティナ!いつの間に?」


ティナ「そうですか。妹ですか。・・・そう言うことにしておきましょう。そうですか胸は小さくても大丈夫!良し!」

「なに?なんか変な事言ってない?」


ファビアナ「まあ良いか!みんなこの子はエリザだ!一応シグレの妹だ。一応な。深くは聞くなよ!」


「「「「「「「はーい!」」」」」」」

「違うから。ちゃんと妹だから。そう言う趣味は無いから・・・」


サクラ「シグレ様。座って食べませんか?」

「サクラ・・・疲れた・・」



ティナ「シグレ様。ちょっと良いですか?」

「なんだいティナ?」


ティナ「うちのメンバーがシグレ様に名前を聞かれていないと言うので。」

「えっ?そうだっけ・・・そう言えば聞いてなかったかな。」

『俺のせいじゃない!絶対違う!これだって迂闊な奴がいたんだ。』



ブリエレ「ブリエレです!シグレ様!」

ジェリー「ジェリーです。あ、握手を!」

ロゼル「ロゼルです。骨喰は私の憧れです。」

ミッシェル「ミッシェルです。ご指導ありがとうございました。」


「あ、ああ。そう言えばみんなの名前を聞いてなかったね。ごめん。シグレだ。宜しく。」


イデリナ「イデリナだ。」

「知ってるよ!」

イデリナ「私だって名乗っても良いだろ!」


 ティナの紫蘭玉樹のメンバーはヘンウッド侯爵家に連なる子爵男爵家の二女三女から集められたそうだ。

 ティナの祖父、老候からすれば寄せ集めでありティナのレベルアップにつき合わせて死んでも勿体なくない、そう思われていると自分たちで言っていた。

 だが今となっては少しでも強くなってあの老候を見返したい。その道を示してくれた俺に何か憧れのようなものを抱いているそんな感じだった。


ファビアナ「おっ?メンバー紹介か?ならうちもやっておこうか。おい、ガエン!ステアム!」

「「おぅい。」」


ファビアナ「此奴らがあたしと組んで特攻担当のガエンとステアムだ。」

「「ウッス!」」


ファビアナ「で、これがうちの最高戦力アニスだ。」

アニス「最高戦力って、ただの()()()よ。」


ファビアナ「うちは物理中心のパーティーだ。あたしら3人が怪我をいとわず特攻出来るのはアニスが居るからさ。だからこそアニスが最高戦力なのさ。」

「へー、流石ファビアナはちゃんと解ってるんだな。」


ファビアナ「ふん。中にはポーションがあれば回復役はいらないって莫迦な奴らもいるけどね。回復役が後ろに控えてる事がどんだけ有効で確実か解ってないのさ。」


「俺もそう思う。」

アニス「持ち上げられても何も出ないよ。」


「ファビアナ。俺は?」

ファビアナ「シグレ。此奴はハノーク、アニス専属のガードだ。此奴は実力ではあたしの次なんだよ。アニスはうちのパーティーの生命線だからね。」


「なるほど、良い判断だ。赤い連檄はやっぱり間違いないな。みんな宜しく頼む。シグレだ。」

 気づくとロレンとティナのパーティーも自己紹介をしていた。




ティナ「シグレ様はいつセグルドを発つつもりですか?」


「えっ?ああ、ロレンどうする?」

ロレン「うちは今日1日ゆっくりしたからな。いつでも良いぞ。」


「明日の午前中に市場で木の実を買う事になってるんだ。用事と言ってもそれだけだな。まあ急いで戻る必要も無いと思ってるけど。」


ティナ「ならお願いが有るんです。」

「お願い?なんだ?」


ティナ「はい。私では無くエイステンおじさまなんですが、ジャイアントスパイダーを狩って貰えないでしょうか?」


ナナイ「ブーー!ティナちゃん!いまジャイアントスパイダーって言った?それって蠢く森じゃない!嫌よーーーー!」


エリザ「なんだ、ナナイは虫が苦手か?可愛い物じゃぞ。」

ナナイ「だって・・・あいつが・・ああ考えただけでダメ!」


「そう言えば今日も失敗した奴がいるって言ってたな。ファビアナ!」


ファビアナ「なんだ?」

「ジャイアントスパイダーってそんなに厄介なのか?」


ファビアナ「いや、ジャイアントスパイダー自体は大したことはないんだ。ただ、最近蠢く森の様子がおかしくてな。今日もゼーって莫迦がやめろって言われたのに自分のパーティーだけで乗り込んで怪我人を出して帰ってきたらしい。」


「ゼーか、さっきギルドで絡まれたよ。虫の居所が悪かったらしい。」


ファビアナ「はぁ?こりゃ傑作だ!あの蠢く森で散々にやられた奴が虫の居所が良くなかったってか?こりゃ良い!ハハハ・・・」


「ティナ。エイステンは困ってるのか?」

ティナ「はい。ジャイアントスパイダーの糸は紡績にとっても重要なんです。それがここ2週間ほど手に入ってなかったようで、商業ギルドからもなんとかしてくれと請願が来ているようなんです。」


「ファビアナ。ジャイアントスパイダーの依頼を受けたらつき合うか?」


ファビアナ「任せろ!と言いたい所なんだが、実はちょっと訳有りで仕事が出来ないんだ?」


「なんだ、どうしたんだ?」

ファビアナ「剣にガタが来てな。いま修理に出してるんだ。」


アニス「随分酷使したからね。あっちこっち酷かったのよ。新しくしたら?」

ファビアナ「そうは言ってもあれ以上はそうそうないからな。なんかこうガッツリと変わった大剣でもあればその気になれるんだが。」


「・・・良い物が有るぞ。――ゴソゴソ――これだ。」

 収納からゴブリンロードが持っていたデュアルソードを出した。


ファビアナ「これはあの時のゴブリンロードのじゃないか。」

「ああ、面白そうなんで売らないでいたんだがうちのパーティーじゃ使いそうもないからな。使う気があるならやるよ。」


ファビアナ「やるよって、お前!これはアダマンタイトだろ?売ったら相当な額だぞ!」


「だろうな。でもお金よりもクランの戦力強化を考えたら団長としては間違ってないだろ?

 ああそうだ、そう言うことだからカタリナ、ロレンの剣の代金も良いぞ。」

カタリナ「やったー!シグレくん大好き!」


ファビアナ「ナナイ姉さん、良いんですか?」

ナナイ「うちはシグレくんが良いならそれで良いのよ。でも、あんたそれを手にしたら蠢く森に行くの?それを考えたら・・・」


ファビアナ「ははは、シグレ良いのか?後で返せって言っても遅いからな。」


「その代わり蠢く森の案内を頼む。」

ロレン「シグレ、うちも行く。」


「「「「キャーーー!」」」」

 カタリナ達レナスの疾風の女達の絶叫が響いた。


 ファビアナに聞くと現在の蠢く森の様子が詳しく掴めていないらしい。その為、ギルドは蠢く森の狩りは最低3パーティー以上でアタックする事を勧めていた。

 それならとこの依頼を受けるに当たって俺が決断を下す。


「正式には明日アルバータス侯爵に会って聞いてからだが、この依頼クランとして受ける。つまり、全パーティー参加だ。これはクラン団長の決定とする!以上。」


「「「「「「「「「「イヤ――――――!」」」」」」」」」」



 蠢く森にブーブー言っていた女子達だが、気がつくと女子会の体を形成していた。


「ところでお2人増えて・・ティナちゃん結構聞くよね・・変わりないわよ・・やっぱり毎日?・・イデリナも好きよね・・護衛の時だけですね・・ルシエラおばさまも?・・いまはフジナよ。先日からね・・なんの話だ?・・ファビアナ男は・・姉さん何を・・この人奥手だから・・五月蠅い・・そうだカタリナ達は・・ロレンは観念したの・・させました・・毎日?・・毎日迫ってるから・・」


ハノーク「なあ団長。何か餌にされてないか?」

「言わないでくれ。それと団長って呼ぶな。」


ガエン「ロレンの名前も出てたぞ。」

ロレン「・・・・・・・・」

ステアム「何かあの集団に入るくらいならゴブリンキングの集団の方が良いな。そんな気がする。」


「今気づいたが俺達男はこのクランじゃ少数派だ。良いか気をつけろよ、女の集団は恐いぞ。怒らせるなよ。」

ロレン「シグレは怒られた事があるのか?」

「ある!正座をさせられて俺の・・俺の楽しみを奪われた・・」


エリザ「何をしたんじゃ?」

「うぉい!お前居たのか?」

 エリザは俺の横に座りテーブルに載せられた食べ物を掻き集めてパクついている。

「・・・最近は相談しなかったって2時間正座だった。」


ハノーク「骨喰が正座するのか?」

「させられたんだ!」


ガエン「楽しみって?」

ステアム「何を奪われたんだ?」

「聞かないでくれ・・・」


エリザ「大方、お触り禁止じゃろ?」

「違うわ!お前は黙って喰ってろ!いいか、ロレン。なにか感じたらひたすら低姿勢だ。抵抗しても良い事はないからな!」


ロレン「解った・・・」


ブクマ登録が300を超えました!

読んで貰えてるという実感が大変励みになっています。

これからもよろしくお願いします。

本日は2話投稿します。

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