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【護衛依頼6日目】

『起きろ!起きんか!』


『ん?ああ、ヘパイストス様。暫くぶりですね。』


『儂は神じゃぞ。そうそう暇じゃないわい。』


『どうしたんですか今日は?』


『イサドラに言われたんじゃ。』


『イサドラ様が?また揉ませてくれるって?』


『違うわい!今回は・・・揉んだんじゃ。その詫びに伝言に行けと言われた。』


『はぁーー。それで、伝言って言うのは?』


『それじゃ。光の神デュラトと言う名を知っとるか?』


『ええ知ってますよ。この世界の神らしいですね。』


『そうか。()()()()()()どう言う意味か解るか?シグレ。今お前がいる世界の神はイサドラだけじゃ。』


『そうなんですか?てっきり地球みたいに沢山の神がいると思ってました。』


『地球が特別なんじゃ。あそこは儂ら神にとって非常にありがたい世界でな・・・その事は良い。シグレ、()()()()()()()()()何故か解るか?』


『鍛冶神はいるけど光の神はいない理由か・・・・ああ、神は全て光だからとか?ははは、まさかね。』


『意外に賢いな。その通りじゃ。神は全てその根源が光じゃ。()()()()()()()()()()()()つまり、自らの根源を名乗る神などおらん。例えば、日本の大御神は太陽神じゃ。解るじゃろ?』


『自らを象徴する物が有る。ですか。』


『そうじゃ。因みにイサドラは〈慈愛〉の神じゃ。』


『それで、イサドラ様はその事を俺に伝えてくれと?』


『セレゴスと言ったかの?あの強制時空転移魔法を使う国の事も、光の神の事もお主の気が向いたら正して欲しいと言っておった。儂にはくれぐれも強制はするなと言っておったよ。』


『強制時空転移魔法?』


『お前の言う召喚魔法じゃ。』


『ああなるほど。・・・ヘパイストス様、どうしたら良いですかね?』


『ふん。存在せぬ物を信じてもそれは構わん。それで自身が満足ならばな。じゃが周りを巻き込み崩壊させては話は違う。

 儂ら神は下界の事に直接関与は出来ん。だから使徒なんぞという者を作ったり送ったりもする。まあ、抜け道は有るがの。

 シグレ。イサドラの声が届いたのはお前が初めてなんじゃ。』


『・・・ところで、何処で揉んだんですか?』


『イサドラがな、ハンモックで寝てたんじゃ。これが艶めかしくて、おまけに無防備じゃった。』


『何揉み?』


『2揉みじゃ!どうじゃ!』


『どうじゃって言われても・・・ヘパイストス様。お酒切れてないですか?』


『おう。良いか?』


『どうぞ。そうだ、たまには俺にも――』

『ほっほっ、実はまた良い酒を見付けたんじゃ。今度のは1本白金貨2枚じゃ。そうだダースで抑えるか?そうしよう!』


『だからダースは12本なの!1本白金貨2枚?白金貨24枚だぞ!おい・・・・・・おい!』




ナナイ「サクラ。シグレくんは眠った?」


サクラ「ようやく。でも、アカネがもう少し添い寝をしながら様子を見るって。」


ナナイ「暫くぶりのおっぱいだったから大変だったでしょ?」


サクラ「私とアカネのおっぱいを触ってばかりで中々眠ってくれなくて。」


ボタン「シグ兄まるで赤ちゃんだね。」


ツバキ「こういう時は仕方ありません。」


ナナイ「シグレくん、昨日の夜はどこかに行ってたみたいね。」


サクラ「9時頃気配が消えて11時過ぎに戻ったみたい。」


ナナイ「私達に気を遣いすぎなのよね。」


ルシエラ「みなさん、シグレ様の事をよく理解されてるんですね?」


ツバキ「ルシエラもすぐ解るようになりますよ。」



 護衛依頼6日目。俺達は既にマルド村を発ちセグルドに向かっていた。

 昨日侯爵屋敷の警護に来た騎士10人も一緒だ。


 俺はマルド村を出てからサクラ達に休息を強制され、添い寝という名の監視付きでベッドに寝かされていた。


ツバキ「シグレ様。シグレ様!そろそろ――」

「ん・・・ツバキ?ちょっとだけ・・・」


ツバキ「・・・ちょっとですよ。――ゴソゴソ はい!」


「ああ、ツバキのおっぱいだーーー!気持ち良いーー!」


ツバキ「もう・・・あっこら!おイタしちゃダメです!はい!もう終わりですよ!」

「ふぁーい!」


―― カチャ!


「ナナイ。問題ない?」


ナナイ「順調よ。よく眠れた?」


「ああ、お陰様で。サクラ、今何時?」


サクラ「そろそろ三の鐘です。」


「じき休憩かな。」


 それから30分ほどして昼休憩となった。

 馬車を止めてからロレンと侯爵の元に向かい問題がない事を確認して戻ろうとした時、セグルド方向から馬が駆けてくる気配があった。


「セグルド側から馬が来ます。」


エイステン「馬?」


クレイマン「侯爵様!早馬のようです。当家の騎士が騎乗しています!」

 馬車の馭者台から確認していたクレイマンが叫んだ。


 騎士は休憩している馬車の横で止まり、侯爵夫人から書簡を預かってきたと告げた。


 騎士から書簡を受け取り読み進めるエイステンの表情が2度歪みそして俺を見た。


「どうしたんですか?」

エイステン「いや・・・シグレくん。昨日の夜はよく休めたかい?」


「昨日ですか?昨日はメンバーをベッドで休ませて、俺は馬車で仮眠でしたけど。ああ、1度馬車の外に出た時ロレンとかち合ったな。」


ロレン「そうだったな。お前もメンバーを休ませて1人かって笑ってたんですよ!」


エイステン「ははは・・ご苦労様。」


「何か?」


エイステン「昨日の夜、コルのデュラト聖教の寺院が崩壊したらしい。」


「崩壊?あの屋根が?」


ロレン「シグレが言うように無理な建て方だったんじゃないのか?」


エイステン「ノーベルトが人命救助に当たったらしいんだが、地下に鎖に繋がれた成人男女とブルーが発見されたそうだ。それと攫ってきたらしい子供も。ああ、司祭始め武器を所持していた者は全員死んでいたそうだ。」


「崩落の下敷きになったんですか?」


エイステン「武器の所持者だけが都合良く下敷きになると思うかい?」


「そりゃそうか。」


ロレン「天罰ですかね。胡散臭い事をしてたのが明るみに出たんですから。」


エイステン「そうかもね。ただもう一つあってね。」


「もう一つ?」


エイステン「サラケスのリンデン公爵家でも火事騒ぎがあってサラケスの家宰と数人が死んでいたそうだ。

 でだ、やっぱり地下室から攫われたらしい男女とブルー、それと盗品も出たそうだ。」


クレイマン「リンデン公爵様の屋敷からですか?」


エイステン「おまけに地下の壁にデュラト聖教の印が書かれていたそうだ。あそこ、うちのサラケス屋敷の2軒隣なんだよね。まいったな。」


「考えようによっては我々には幸運かも知れませんね。」


エイステン「どういうことだい?」


「我々を狙っていた奴らも尻に火が付いて俺達を狙ってる場合じゃなくなったはずです。蜥蜴の本体は尻尾を切って身を隠すしかないでしょうから?」


エイステン「そうなるか・・・しかし誰がやったにしろ手際の良さに感心するよ。」


ロレン「集団なんですかね?」


エイステン「集団か・・・コルとサラケスで同時ならそう思うよね。

 ふう、こうなるとあの信者の女の子も本当に中毒が軽かったのか疑いたくなるよ。」


「どうしてですか?」


エイステン「色々起こりすぎると全てを疑いたくなるのさ。まあ僕の性分でもあるかな。」



 俺達は何事もなく馬車を進め午後4時目的地セグルドに着いた。


 セグルド。街の規模はサラケスと同じだが経済規模は公王国屈指の都市だ。

 早くから商業が発達した事で商品の集積地となり、実に王都に入る物資の6割が此処セグルドからだと言われている。


「城壁高けー!何メートルだろ?サラケスより高いね。」


ナナイ「此処の城壁は王都の次に高いらしいわよ。」


 西門の貴族専用口から入場した。と言っても領主様がいるのでノーチェックだ。

 サラケスと同じように貴族が屋敷を構える一角、その一等地にセグルド領主アルバータス侯爵邸は有った。


「やっぱりデカい屋敷だな。デランドの屋敷と良い勝負だ。敷地も広い・・・」


「お帰りなさいませ。」

エイステン「ただいま!リーズ!会いたかったよ!」

 エイステンが迎えに出た女性に勢いよく抱きついた。


リーズ「貴方。旦那様・・・エイス!いつも言ってるでしょ、みんなが見てます!」


エイステン「良いじゃないか。みんな知らない訳じゃないし。」

 確かに!クレイマン達はまたかと言った表情だ。


リーズ「そうですか?そちらの方は?」

 抱きつかれているリーズが馬車から降りて挨拶を待っていた俺とロレンに顔を向ける。


エイステン「ふーさっぱりした!紹介しよう。レナスの疾風のロレンくんとヒイラギのシグレくんだ。」


ロレン「レナスの疾風のロレンです。」

 ロレンが腰を折り挨拶をする。

「ヒイラギのシグレです。」

 俺もそれに続く。


リーズ「貴方が・・・エイステンの妻のリーズ・アルバータスです。夫を無事に届けてくれてありがとう。お礼を言わせてね。」


リーズ・アルバータス レベル57 40歳


『レベル57!なるほど女傑だ。濃茶のロングヘアーにダークブルーの瞳。にこやかに笑ってるがしっかり観察されてるな。隙がない。』


ロレン「依頼を全うしただけです。」


リーズ「大事な事よ。そうだルシエラは?」


「馬車にいます。呼びますか?」


リーズ「そうね。お願い――」

エイステン「リーズ。すまないがまず馬車を隠したいんだ。ルシエラさんは後で屋敷に来てもらうから。」


リーズ「ああそうね。ごめんなさい。じゃあ後で。」

「はい。」


 侯爵家の馬車蔵に馬車を入れ、ここまで来てオウコとコハクをやっと馬車から放してやる事が出来た。

 ようやく一息ついた。そんな感じがする。


ロレン「ふーー、これで終わりだな。」


「残念だがまだだよ。」

ロレン「そうなのか?セグルドまでの護衛だろ?」


「王都から来る騎士団に荷を渡すまでが依頼だ。言えば1日早く着いたから此処での寝泊まりは明後日までだな。」


ロレン「そうか・・・まあ野営よりは良いさ。」


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宜しくお願いします。

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