【昇格試験】
昨日は、あれからもう一度サクラ達をお風呂に連れて行き無駄毛の処理をした。(俺が)
サクラ達に傷を付けないように最善の注意を払った。結果、再び新型ショーツを身につけたサクラ達は改めてデザインが斬新だと言ってくれた。
うん。良かった。良い仕事をしたよ。
サクラ達には2・3日、デザインの違う物を穿いて貰い意見を聞くことになっている。
因みに、定期的な処理が俺の仕事になったと付け加えておこう。
ナナイ「でもこの新型、無駄毛の処理を教えないと売れないわよ?」
「ああ、だから最初はノーマルタイプを売ってショーツを浸透させよう。その後で実際に新型を穿いてるのを見せて説明するんだ。実演販売って奴だね。」
サクラ「実演販売?でも誰が見せるんですか?私はいやですよ!シグレ様だから見せたんですから!」
アカネ「私だってシグレ様以外に見せるのは絶対嫌です!」
「そんなの俺が1番嫌だよ!サクラ達の下着姿を他の男が見たら・・・殺せるな!」
ツバキ「大丈夫ですよ。見せませんから。でもそうなるとどうするんですか?」
ボタン「その為の人を雇うの?」
「んー、その時に考えるさ。取り敢えず普通のを売ってみてからだね。」
いつもの朝を迎え、今日はツバキのおっぱいを堪能してナナイにベッドから出され、朝食を終えこんな会話をしながらダンジョン1階層に到着した。
今日から12階層だ。
「ここもホブゴブリンだっけ?」
ナナイ「そうよ。昨日も短剣が1本出てるから今日も積極的に狩っていく?」
「そうしよう。今日は1日ダンジョンの予定だからいけるところまで行こう。」
「「「「「はーい!」」」」」
12階層は11階層と同じ迷路だ。もはや定番の俺のマップ探知とサクラの探知でホブゴブリンを探しながら進んでいく。
「ホブゴブリンが4匹か。ツバキ。国士無双で!」
ツバキ「はい!行きます。」
非力だと言っていたツバキだが、自分の足を軸にコマのように廻りながら国士無双で薙ぎ切る戦法を編み出した。
穂先が80cmも有るパン切りナイフのような国士無双の特性を活かした攻撃だ。
右足左足と軸足を変え遠心力を加えて襲いかかる国士無双にホブゴブリン共は為す術無く切り刻まれていく。
ボタン「ツバ姉凄いね。」
「魔法使いだと思って不用意に近づくと痛い目にあうな。」
サクラ「シグレ様。右に曲がって50mほど先にいます。この臭いはアーチャーとメイジですね。3匹居ます。」
「アカネ任せる。弓で仕留めようか。」
アカネ「了解です。」
アカネがT字路を右に曲がるとスッと膝を折る。ゲドの弓には既に矢が2本つがえられている。
―― フヒュン!
「「ギャ・ゲ・・」」
―― ヒュン!
「ギャガ・・」
「もう2本同時撃ちも慣れたもんだね。連射も早い。」
アカネ「3本もいけるんですが連射もしたかったので。」
ボタン「あっ!杖がドロップしてる!」
「杖?杖は初めてだな。」
ナナイ「ホブゴブリンメイジの杖よ。短剣と同じでレアなドロップ品よ。」
「ラッキーだね!この先に宿部屋が有るみたいだからお昼にしようか?」
「「「「「はい!はーい!」」」」」
12階層に来ると宿部屋もすいている。10階層から上なら少なくとも10組居たパーティーが宿部屋に入った時は2組だった。
「やっぱり12階層だと探索してるパーティーも少ないな。」
ナナイ「10階層のボス部屋を越えるのが最初の壁なのよ。運良くどこかで〈転移石〉を見付ければ最悪ボス部屋からでも転移出来るんだけどね。そんなに都合良く行かないからみんな慎重になるのよ。」
「転移石って?」
ナナイ「ダンジョンで希に見つかる、ダンジョンの入り口まで転移出来る石よ。」
「じゃあダンジョンの中でしか使えないんだ。」
ナナイ「実はダンジョンの外でも使えるんだけど、ダンジョン以外で使うと何処に転移するか解らないの。他の国に飛ばされたって話もきいたわ。」
「何処に飛ぶか解らない?でも最悪の場合緊急避難には使えそうだけどな。」
サクラ「でも海の上に飛ばされたら終わりですよ。」
「そうだね。運任せだけどその運に掛けたい時もあるかなって思ってさ。」
昼食を済ませ再びホブゴブリンを狩りながら13階層への階段を探すと30分ほどで見付けることが出来た。
「13階層は草が長いな。スライムが居たエリアに似てる。」
ナナイ「そうね。ここはハイコボルトの層よ。岩がゴロゴロしてて良く陰に隠れてるわ。」
「サクラ宜しくね。」
サクラ「はーい!早速ですが右手のあの大きな岩の向こうで戦闘してますね。ハイコボルトが10匹にパーティーは1組です。」
「10匹に1組か?様子を見に行ってみよう。」
大きな岩を回り込んで戦闘している様子を視界に捉えた。
サクラが言うように1組5人のパーティーがハイコボルト10匹と戦闘していたが半ば囲まれていた。
「旗色が悪いな。怪我人がいる。」
ナナイ「そうね。どうする?」
「声を掛けよう。」
後方から近づき声を掛けた。
「助太刀は必要か?」
「えっ?」
怪我をしたメンバーの前でハイコボルトを切り払っていた男が僅かに顔を向けた。
「良いのか?出来るなら頼む!2人ほど怪我をしてるんだ!」
「了解だ。サクラ、アカネ、ナナイ!」
「「「はい!はーい!」」」
アカネが弓で女槍士に攻撃していたハイコボルトを討ち取る。その間に走り出していたサクラとナナイがハイコボルトを間引いていく。
「おい!下がるぞ!」
俺とツバキ、ボタンは怪我人を囲むように戦闘をしていたパーティーに近づき怪我をした冒険者を抱えてハイコボルトと距離を取らせた。
「すまない!助かったよ。」
「気にするな。怪我人は2人か?【回復魔法】が使える。待ってろ!」
「まてまて!その前にハイコボルトが先だ。彼奴らまだ何匹も居るんだ!」
そう言われサクラとナナイを確認したが
「いやもう終わったみたいだ。」
「えっ?」
サクラ「シグレ様。終わりました。」
ナナイ「私達が倒した分の魔石は貰って良いよね?」
「えっ?えっ!あの数のハイコボルトを2人で?」
「正確には3人だな。あそこで1人、弓で狙ってたから。アカネ、ご苦労さん!」
アカネ「はーい!」
「凄いなあんたら・・・」
「リーダー。この人シグレさんだよ。」
「あっ!本当だ!〈ヒイラギ〉の〈骨喰〉だ!」
「会ったことあったか?」
「ネールのスタンピードでゴブリンロードを倒したハーレムパーティーヒイラギのリーダー骨喰シグレだ!スゲー本物に会えるなんて!今日は付いてる!」
長い説明に一瞬呆気にとられていた。
「ちょっと待て!何だそのハーレムパーティーって?」
「俺、あんたのファンなんだ!握手してくれ!」
突然右手を差し出され強引に手を握られてしまう。。
「やったー!うゎもう右手洗えねぇ!」
男と握手した右手に熱い視線を送るって・・・キモイ!
「おい?なんなんだあれ?」
兄さんと声を掛けた魔法使い風の女に尋ねた。
「はは、すいません。私達D級の〈レナスの疾風〉って言います。あの浮かれてるのがリーダーでロレン。私は妹のロレーヌです。
私達もネールのスタンピードに参加してたんです。あの時シグレさんがゴブリンロードを倒すのを見てから兄がシグレさんのファンになっちゃって・・」
ロレンは俺と同じような体型をしている。濃茶の短髪でそこそこのイケメン。見た目からして剣士だと解った。
反して妹のロレーヌはギリギリ160cm位の身長に薄らと赤い髪をしていた。C寄りのDカップかな。
ナナイ「なるほど刺激が強かったってことね。」
ロレーヌ「はい。兄が思い描いていた強さだったそうです。」
「・・・さあ怪我人治すぞ。【ヒール】」
怪我人を治している間ロレンはずっと右手を上に翳して眺めていた。
いや・・いいからそういうの・・・
「助かりました!私はカタリナ。サブリーダーしてます。」
ヒールを掛けた相手は165cm位。斥候風の軽鎧を身につけカタリナと名告った。うん。Dだな。
「シュゼ。盾役。」
アカネにヒールを掛けて貰った女は、身長は155cm位だが1番メリハリが利いたいわゆるボンキュンボンだ。ナナイには負けるがGは有りそうだ。
「槍使いのアージアよ。最初は5匹だったんだ。仲間を呼ばれてカタリナとシュゼが不意を突かれて怪我しちゃって。ポーションを切らしてたから助かったよ。」
シュゼと対照的にアージアは背が高い。170cmは超えてそうだ。やっぱり胸もシュゼと対照的でギリギリCかな。
アージア「あれ?なんか失礼なこと考えてる?」
「無いっす!そんなわけ全然無いっす!」
何故だ!何故この世界の女はこうも人の考えが解るんだ!
「なんだよ。ロレンのパーティーだって女ばかりでハーレムじゃないか?」
カタリナ「私達は全員レナス村の幼なじみなんです。」
シュゼ「ロレン以外の男がひ弱!だれも村から出ようとしない。」
アージア「今は右手ばっかり見てるけど、あれで結構頼りになる男なのよ。」
「・・・【回復魔法】で怪我は治ったが今日は戻った方が良いんじゃないか?」
カタリナ「そうですね。午前中に倒した分で稼ぎもあるし今日は上がることにします。」
「それがいい。引き時も大事だ。」
カタリナ「その前に【回復魔法】のお金を!」
ナナイ「いいわよそんなの。」
カタリナ「でもそう言う訳には・・・」
ツバキ「みなさんが嫌なパーティーならシグレ様は遠慮無く身ぐるみ剥いでますよ。」
ボタン「ははそうだね。シグ兄、そう言う相手には敏感だから。」
サクラ「シグレ様が何も言わなかったら要らないんですよ。」
ロレーヌ「あの・・・宜しいんですか?」
ロレーヌが俺を覗き込んできた。
「ん?ああ。彼奴から握手の代金は取りたいけどな。」
アージア「それなら遠慮無く。ははは・・・」
カタリナ「じゃあ今度奢らせて下さい。」
アカネ「そうね。なにも無いのも冒険者の矜持が許さないもんね。楽しみにしてるわ。」
「気をつけて帰れよ。」
ロレンが左腕を掴まれ引きずられるように連れて行かれた。
レナスの疾風と別れハイコボルトを狩りながら14階層への階段を探す。
ハイコボルト自体はホブゴブリンよりレベル2程強いだけだがすぐに仲間を呼ぶのが厄介だ。と言っても俺達にはまるで問題は無い。
むしろ魔石の稼ぎ的にはありがたいので面白がって呼ばせていたら28匹になった時もあった。
コボルト系は魔石の他にドロップ品として毛皮を残す。当然上位種になるほど毛皮は高価になる。
「魔石に毛皮か。やっぱり稼ぎ的にはゴブリン系より良いね。」
サクラ「そうですね。それにこの毛皮なかなかフカフカで気持ちも良いです。」
「そうだ、これを錬金してパーティーボックスのラグにしようか。」
ナナイ「シグレくん。あそこ階段じゃない?」
「何かそれっぽいね。サクラ今何時頃?」
サクラ「もうすぐ四の鐘ですね。」
「丁度いいや。今日は14階層の転移門から戻ろう。」
「「「「「はい!はーい!」」」」」
1階層に戻り地上に出て冒険者ギルドに向かった。
ギルドに入ると待ち構えていたようなジャネットと目があう。
ジャネット「シグレさん。良かったお会い出来た。」
「なに?何かあった?」
ジャネット「お時間があったらギルドマスターがお会いしたいそうです。」
「ギルドマスター?・・・お時間無いです。じゃ!」
―― ぎゅ!
速い!ジャネットに腕を掴まれた。逃げ損なったようだ。
ジャネット「捕まえた!時間ありますよね?会って貰わないと困ります!」
「なんでジャネットさんが困るの?」
うん。いつになくジャネットの目が真剣だ。
ジャネット「ギルマスに頼まれたからです。いまギルマスに報告してきますから、逃げないでくださいよ?良いですね?」
「解ったよ。待ってるから。」
パタパタとジャネットが階段を上がっていく。
「よし逃げるか。」
ナナイ「ダメよシグレくん。ジャネットが困っちゃうでしょ。」
「やっぱり?しょうがないな。」
―― ・・・パタパタパタ!
ジャネット「はぁはぁはぁ、居た!ギルマスのお部屋に案内します。はぁはぁ、付いてきてください。」
ジャネットの案内で3階のギルドマスター室に通される。
―― トントン!
「入れ!」
ジャネット「どうぞ!」
ドアを開けたジャネットに促された。
「失礼します。」
「おお来たな。」
「あれ?あんたはオットマー!ネール支部のギルマスじゃなかったのか?」
オットマー「こっちに配置換えになったのさ。と言うかあの時点で配置換のはずだったんだがスタンピードに備えて遅らせてたんだ。」
「それで、サラケス支部のギルドマスターからどんなお話しがあるんですか?」
オットマー「おう。まずはみんな座れ。」
執務机の前のソファに全員で腰掛けた。
オットマー「シグレ、おまえのパーティーランクはD級だったな。どうしてC級への申請をしない?」
「申請?C級の?」
オットマー「何だ知らなかったのか?ナナイ、教えてなかったのか?」
ナナイ「シグレくんはランクに頓着が無いのよ。まあそのうちにとは思っていたけど。」
「ナナイ。知り合いだったの?」
オットマー「そりゃ俺くらいの関係者でB級〈斧使い〉のナナイを知らない方が珍しいぞ。」
「そりゃそうか。」
当然と言えば当然と納得してしまう。
オットマー「シグレ。お前のパーティーは魔物の討伐実績はC級に十分すぎるんだ。いやB級でもおかしくない。なにせゴブリンロードにオークキングを立て続けに倒してるんだからな。
そうなるとだ、後はギルドが課してる試験をクリアすればC級になれるってことだ。」
「いや、まだ不自由が無いからな。しばらくは――」
オットマー「試験を受けろ!いや受けてもらう!」
被せ気味に突っ込まれてしまった。
オットマー「冒険者ギルドとしても実力のある者を下位のランクに置いておきたくないんだ。
おぉ、そうか!快く昇格試験を受諾したと言うことで――」
「まてまて!ちょっと強引だろ!」
負けじと被せ気味に反論を企てるが
「俺の意志は無視――」
オットマー「無視だ!断ったら冒険者カードを取り上げるぞ!」
呆気なく切り返された。
「きったねー・・・解ったよ。で、昇格試験って何をするんだ?」
ナナイ「昔と同じなら護衛依頼ね。」
オットマー「そうだ。冒険者ギルドの依頼には大きく3タイプ有る。魔物の駆除。素材集め。そして隊商や個人の護衛だ。まあ、他にも依頼は有るが冒険者になりたてだと魔物の駆除や素材集めに手を出すのが普通で護衛依頼を受けない奴が多い。だから試験としてやって貰うのさ。」
「じゃあ下に行って何か護衛依頼を見付けてくれば良いのか?」
オットマー「それなんだが、お前に護衛の指名依頼が来てる。」
「指名依頼?誰からですか?」
オットマー「ラディス辺境伯だ。」




