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【醤油・味噌・米】

「良い朝だ!」


 昨日の夜は・・・良かった!


 まずレストランでの要望そのままに寝室に入ってきたサクラ達に夜のバーサーカーモードがオンになりかけたが何とか耐えた。

 そして、サクラ達が最高のサービスをしてくれたのでお礼に俺も思いっ切りお返しをしてあげた。

 まあそれをバーサーカーモードとも言うが・・・


 一の鐘が遠くに聞こえて2度寝をした。どの位寝てたのか解らない。

 サクラ達はまだピクリともしない。

 スタンピードにボス部屋と続いたから相当疲れてるんだろう。

 うん。そうに違いない。


「良し!朝風呂行こ!」



「ふーーーーー!朝から露天風呂なんて最高だな。日本に居た頃じゃ考えられないな。」


―― カラカラカラ・・・


 お風呂のドアが開いた。露天風呂になってからなぜかお風呂のドアが全部引き戸になった。因みに全て木製だ。


サクラ「やっぱりお風呂だったんですね?」


「おはよう、サクラ。ん・・・」

サクラ「ん・・・おはようございます。」

 どんな時も朝の挨拶、キスは忘れない。


「みんなはまだ寝てた?」

サクラ「はい。シグレ様が起きた気配がわかったので。私だけです。」


―― カラカラ・・・


ツバキ「おはようございます。シグレ様。ん・・・」


「ん・・・おはようツバキ。ツバキも来たんだ?」


ツバキ「はい。朝から露天風呂というのは凄く贅沢な気がしますね?」


「ははそうだろ?でも良いもんだよな。これから休みの日の朝はこれだな。」


―― カラカラカラ・・・


ナナイ「そうね。賛成!」

アカネ「私も賛成!」

ボタン「信じられない・・・朝からお風呂なんて・・」

 3人と順番にキスを交わす。


「ところでさ。ツバキちょっと立ってみて?」


ツバキ「何か気になることでも有りますか?」


「ちょっとね。」


―― ザバ!

ツバキ「あの・・・朝日の中だと流石に恥ずかしいんですが。」

 恥ずかしそうに立ち上がったツバキをジックリ見る。


「・・・ありがとうツバキ。ナナイ。ナナイもお願い。」


ナナイ「えっ?私も?」

―― ザバ!


「やっぱり!ねえ、ナナイもツバキもお肌の調子も良さそうだけど・・若くなってない?」


ナナイ「気づいた?」


「そりゃね。サクラ、アカネ、ボタンもお肌の張りが益々良くなってるよね?」


ツバキ「実はシグレ様に可愛がって頂くようになってから若返っている実感があるんです。」


ナナイ「私もよ。急激なものじゃ無いから最初は気づかなかったんだけど。最近サクラ達に若くなったって言われて、あれやっぱり?って。」


アカネ「ナナイとツバキの容姿が若く見えるようになって、先日その話をしてたんです。」


サクラ「私とアカネも体の(なか)に力が溜まっていく感覚を感じてます。」


ボタン「シグ兄。私は・・・少し肉が付いちゃって・・」


「ボタンのは太ったんじゃないよ。いままでが痩せたんだ。食事が改善されて本来の体つきに変わってきてるんだよ。夜の触り心地も柔らかくなってきたからね。」


ボタン「えっ?じゃあこれで良いの?」


「ああもちろんだよ。しかし、みんなの変化はどういう事なんだろうな。」


ナナイ「それは間違いなくシグレくんでしょ。まあ一言で言えば――」

「「「「チート!」」」」


「おいおい・・・」



 朝から露天風呂を堪能し朝食を食べ終え二の鐘を聞いて馬車を出た。


「さてと、まずは市場に行こうか。ところで、市場ってどこか解る?」


ナナイ「そうか初めてだもんね。こっちよ。」


 ナナイに案内され歩くこと30分。(サラケスは広い・・)

 南西区の西門寄りに大きな山形の屋根が立ち並んでいた。


「サラケスは市場も広いな。ネールの倍どころじゃないね。」

 東京ドーム程のスペースは有りそうだ。まあ、東京ドームを良く知らないんだけどね。


ナナイ「ネールとは人の数が違うからね。」



 端からゆっくりと市場を見て行く。


 ツバキが油屋で止まった。

ツバキ「ご主人。この油はオリーブじゃないですか?」


油屋「そうだよ。黒の森の辺りで採れる貴重なものさ。」


「オリーブオイルか。良い物を見つけたねツバキ。」


ツバキ「ご存じでしたか?実はダイモンが初めてオリーブから油を作ったんです。ネールでは買えなかったので無くなったと思っていました。」


「まったく大した人だねダイモンは。おっちゃん!そのオリーブオイル、壷ごと貰うよ。」


油屋「壷ごと?大銀貨5枚になるぞ?」

「かまわない。ハイよ!大銀貨5枚!」

油屋「ああ、毎度あり・・・」


「ところでおっちゃん!()()()って聞いたこと無いか?」


油屋「米?に珈琲?ね・・・ああ米は思い出した。セグルドで見たことあったな。白くて粒々の奴だろ?2年前までセグルドに居たんだがその時は有ったぞ。」


「セグルドか。この市場にはないかな?」

油屋「どうかな・・俺は見てないがこの広さだ、探せばあるかも知れないが。」


 オリーブオイルを買って市場の中を奥へと進んでいく。

 時々立ち止まり、野菜や足りなくなったパン等を買い足していく。

 八百屋で生姜を見つけているので、後は醤油があれば今晩は生姜焼きだ。


「あそこは麦を売ってるな。」


 この世界のパンはライ麦パンだ。ライ麦パン自体は健康に良いし食べ慣れれば問題ないんだが、やっぱり白くて柔らかい小麦のパンも食べたくなる。


「おじさん。小麦はないの?」


麦屋「有るよ。こっちがそうだ。数が取れないから高いぞ。」


「その1袋で幾らだ?」

麦屋「10kg、1袋で大銀貨2枚だ。」


「其処に有るの全部くれ。」

麦屋「おいおい、10袋有るんだぜ?金貨2枚になるぞ?」


「ハイよ!金貨2枚。運ぶのも収納持ちだから問題ない。」


 麦屋の目の前で10袋100kgを収納に入れる。



「誰かパンを作れない?」


ナナイ「作れるよ。小麦では作ったことは無いけど。」

ツバキ「私はダイモンのところでは小麦でパンを作っていました。」


「じゃあツバキと一緒に小麦のパンを作ってよ。」


ボタン「私も作ってみたい!」

ツバキ「力持ちが加わってくれるのは嬉しいですね。」

ボタン「任せて!」



サクラ「シグレ様!」

 少し離れた店を覗いていたサクラとアカネがやって来た。


アカネ「お目当ての物が有りましたよ!」

「どこどこ?」


 サクラ達に案内された店を覗くと沢山の壷が並んでいた。

 壷の前にある見本を手にして臭いを嗅いでみる。


「醤油だ!おじさん。これ醤油だよね?それにこっちは味噌だ!」


醤油屋「そうだよ。高いからこのへんじゃ馴染みは少ないけどな。」


「そりゃ勿体ないな。こんな万能調味料。おじさん、この醤油と味噌幾らだ?」


醤油屋「醤油も味噌も壷1個なら金貨1枚だ。量り売りもしてるぞ。」


「金貨1枚ね。なら醤油も味噌も手の付いてない壷5個ずつ貰うよ。」


醤油屋「壷で5個ずつ?白金貨1枚だぞ?大丈夫なのか?」

「ハイよ!白金貨1枚だ。収納に入れるぞ。」


醤油屋「お、おう。あんた良いかいっぷりだな。」

「おじさん。この醤油は何処で作ってるんだ?」


醤油屋「デュラト聖道国さ。はるばる船で運ばれてくるんだ。だからどうしても値が張るのさ。」


「聖道国か。おじさん、米を売ってるところを知らないか?」


醤油屋「米か。たしか米も聖道国産だったはずだ。サラケスの市場にあったかな・・」


「米も聖道国産なのか・・ああ、おじさんありがとう。探してみるよ。」


『大豆は比較的何処でも採れるが、米は雪国の方が美味しい。デュラト聖道国は大陸の北。米が採れてもおかしくないか。』


ナナイ「良かったねシグレくん。まずはお目当ての物が手に入って。」


「みんな今日の晩ご飯は俺が作るよ。」


サクラ「何を作ってくれるんですか?」


「豚肉の生姜焼きさ!ああ使うのはオーク肉ね。まあ楽しみにしてて。」

「「「「「はい!はーい!」」」」」


 その後も市場の中を歩き回り、とうとう細々と片隅に積まれていた米を発見した。何故か売ってたのは香辛料屋だった。


「おじさん!それ米だよね?」


香辛料屋「ああそうだ。面白そうだから仕入れたんだが、このへんじゃ高くて誰も買っちゃくれねえ!参ったよ。」


「ちょっと見せて貰えるか?」

 袋を開けて貰い米を手にしてみた。


「品種で言えばジャポニカ米だ。思ったより良い米だぞ。」


香辛料屋「兄さん。米を食べたことあるのか?」


「ああ、()()()()()()()ほど好きな物はないな。」


香辛料屋「炊きたてのご飯?」


「ん?おじさん、この米はどうやって食べてるんだ?」


香辛料屋「スープと一緒に煮るのさ。ただ気をつけないとスープを吸い尽くして膨れ上がるんだ。」


「リゾットかお粥って感じか。それじゃ炊きたてご飯は解らないな。おじさん、困ってるならその米全部貰うよ。それとこの黒胡椒と白胡椒も1壷ずつ貰う。」


香辛料屋「米は1袋大銀貨8枚だぞ?5袋全部持ってくのか?」


『10kgで大銀貨8枚。日本円で8万円か。そりゃ売れないよな。』


「ああ。金貨4枚で良いか?胡椒は?」


香辛料屋「黒胡椒が1壷大銀貨3枚、白胡椒は高くて4枚だが両方で大銀貨5枚でいいや。」


 香辛料屋に金貨4枚と大銀貨5枚を渡し、米と胡椒を収納に入れた。


アカネ「良かったですねお米が見つかって。」


「これで珈琲があれば申し分ないんだけどね。」


ツバキ「あまり一度に見つかってしまったら逆に楽しくなくなりますよ。」


「そうだね。取り敢えずこれで食生活の幅がグンと増えたんだから良しとしよう!」


 市場で歩き回っている間に三の鐘が鳴ったので、市場の中央に集まっている屋台で好きな物を買い昼食を取った。


ナナイ「大体一通り見たと思うけど、この後の予定は?」


「家具屋に行って大きなベッドを買って、そうだ鍋は何処で売ってたっけ?」


サクラ「雑貨屋ですね。」


「じゃあ雑貨屋に行って鍋を買って、その後は服屋かな。」


アカネ「服屋ですか?」


「サクラ達に服を買ってあげたくてさ。」


ナナイ「それは昨日の鬼の襲来のお詫びかしら?」

ボタン「昨日もみんな気を失うまで・・・シグ兄凄すぎだよ!」


「違うよ!みんなが綺麗になるのが好きだからだよ!」


ツバキ「そう言うことにしておきましょう。」

「「「「ふふふ・・・・」」」」



 市場から家具屋に行き、『トリプルキングサイズより大きなベッドを見たい』というと、売り場にはトリプルキングサイズが小さく見えるベッドが普通に売られていた。ファンタジーだ。

 新しくトリプルキングサイズ2つ分の幅のベッドを買い、代わりに中古の家具もよく売れると言うのを聞いていたので、事前に収納に入れてきたベッドを引き取って貰った。


 雑貨屋に行き炊飯用の鍋を物色していて突然思い出した。


「そうだ!そう言えば大門屋敷の売りに出さなかった棚に鍋があった気がする!」


ツバキ「待って下さい・・・思い出しました!アルミと言っていた素材の鍋が有ったと思います。」


「そうそれ!じゃあ後で取りに行こう。でもこの銅製のは買っておこうかな。」


 雑貨屋を出て服屋へ。と言っても何処と言って決めていないので通りを歩きながら女子達のお眼鏡に叶う店を物色していく。

 まあそれもサクラ達には楽しいわけで・・


 ようやく納得出来そうなお店に入りそこからジックリ1時間粘られた。まあ良いけどね。

 ただし、今日は俺も市場調査をしていた。

 恥ずかしさを堪えて見ていたのは下着売り場だ。


 やはりというか、所謂セクシーな下着は少ない。そう、全くないわけでは無いがどれも中途半端な印象が強い。これなら普段サクラ達が普通に履いている唯のショーツの方が遥かにセクシーだ。


 当然ブラジャーと言った物もないので、ブラトップのような発想もない。


 サクラ達が夜着にしているネグリジェに似たものと言えば薄く裾の長いTシャツ素材のようなノースリーブがあるだけだ。


 下着類は間違いなく売れる!


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