【大量レベルアップ】
サクラ達を引き連れて中央の隊に走り込む。
サクラ「シグレ様。ロードの後ろをゴブリンジェネラルが3匹追ってきてます!」
「アカネ、ツバキ!森の中のアーチャーとメイジを頼む。サクラ、ナナイ、ボタン!ジェネラルを1匹ずつだ!」
サクラ「お任せを!」
ナナイ「問題ないわ!」
ボタン「遣れます!」
「良し!ロードは俺がやる!ヒイラギ遠慮無しだ!」
「「「「「はい!」」」」」
森から出てきたゴブリンロードは敵味方関係なく冒険者やゴブリン、グリーンウルフを蹴散らしながら走っていた。
ゴブリンロードの走る先にはアーチャー、メイジの無差別攻撃で傷つき思うように動けない漆黒の牙がいる。
「ギャギャギャーーー!」
後数メートルで漆黒の牙に届く嬉しさからか、ゴブリンロードが雄叫びを上げた。
その背後からゴブリンロードの足下に氷の槍を飛ばしてやる。
―― ヒュン! ギン!
ゴブリンロードが知ってたとばかりに振り返り氷の槍を薙いで笑った。
「ゲ、ゲ、ゲ、ゲ・・・・」
「お前を止めるための氷の槍だ。浮かれるな。」
「ゲ、ゲ?」
「まったく小賢しいことをしてくれる。ケリを付けてやる。」
俺は骨喰をしまいアイギスを起動する。
「行くぞ!」
アイギスの盾と銀甲を装備してゴブリンロードの間合いに入る。
ゴブリンロードの武器はデュアルソードと言う奴だ。そのデュアルソードを体の大きさを生かして上段から振り抜いてくる。
俺は剣筋を見きってアイギスで受け流し銀甲でゴブリンロードの左膝を集中的に攻めた。
『力は凄いな。あの時のB級が子供に感じる。剣も速きゃ動きも速い。
でも、力はいなせるし速さは俺の方が速い!これなら【細氷】無しでもいける!』
その頃、アカネとツバキはゴブリンロード、ジェネラルに続いて森から出てきたアーチャー、メイジを雷、炎渦で一掃し森の表面を更に雷と炎渦で焼き払っていた。
サクラはゴブリンジェネラルの手前で水鏡を飛ばして足場を作り、ジェネラルの後ろに回り込み難無く首を切り裂いた。
ナナイは魔力を込めた灼熱の焔を一閃、ジェネラルに何もさせず切り倒している。
ボタンは2本の大剣でジェネラルの棍棒を弾き飛ばし最後は横薙ぎにジェネラルを2つに切っていた。
俺はデュアルソードを風車のように振り回し切りつけてくるゴブリンロードに対し、風車の間隙を突いて一撃、二撃と当てて下がっているとゴブリンロードが体勢を崩した。
俺が膝を殴りつけるとぐらつき、嫌な表情をしながら1歩後退した。
「どうした?終わりか?」
「ガーーーー!」
呼吸を整え終わったのか再びデュアルソードを振りかざし迫るゴブリンロード。
重心を低くし俺は足下に取り付きアイギスと銀甲で左膝に連檄を加えた。
―― バキ!ボキ!
大きな音を立てゴブリンロードの膝が砕けた。
左に傾くように膝を折ったゴブリンロードの顔をアイギスの盾で思いっ切り横殴った。
―― ガン!
激しく右を向くゴブリンロード。
露わになったゴブリンロードの首に銀甲の抜き手を叩き込んだ。
―― ズン!
「ギャーーーーー!」
銀甲を纏う右手が深くゴブリンロードの首にくい込む。
くい込んだ手に何やら骨の感触を感じそのまま握って引き抜いた。
―― ガボ!
「グガ・・ガ・・」
―― ドサ!
「う、おおおーーー!スゲー!ゴブリンロードを一人で倒したぞ!」
「何だ此奴!ゴブリンロードの首から骨を引き抜きやがったーー!」
「首の骨!ゴブリンロードの骨を喰らいやがったーーー!」
俺とゴブリンロードの周りには結構な数の冒険者達が集まっていたらしい。
口々に何か叫んでいるようだが、なんか俺が骨を喰ったことになってないか?
サクラ「シグレ様。お怪我は?」
「ああ大丈夫だ。俺よりサクラは?」
サクラ「私は大丈夫です。アカネもナナイもツバキもボタンも誰も怪我はしていませんよ。」
「そうか。そうだキングは?赤い連檄はどうしたかな?」
ナナイ「大丈夫よ。ケリを付けたみたい。」
「そう言えばこっちのキングは?」
漆黒の牙とゴブリンキングの戦闘場所に行くと、膝を折るように崩れているキングと腕や足に矢を受けている漆黒の牙が居た。
「大丈夫か?矢を抜いたらすぐ【回復魔法】を掛ける。良いか?」
「ああ頼む。ん!・・」
リーダーの矢を抜きヒールを掛け、他のメンバーにも同じように【ヒール】を掛けた。
「すまん助かった。しかし参ったぜ。敵味方関係なく矢と魔法の雨だ。キングも背中を矢と魔法で蜂の巣にされてこのざまだ。」
状況は、ゴブリンロードや上位種を倒され魔物達は統率を欠き冒険者達から逃げ出す物も出始めていた。
「魔物を出来るだけ狩っておきたいところだな。」
ナナイ「でも中央はさっきの奇襲で離脱した冒険者が多いわね。」
「みんなは此処に残って掃討戦に入ってくれ。俺は左翼に行って何人か連れてくる。」
「「「「「はい!はーい!」」」」」
左翼に走るとティナ達が目に入った。
「ティナ。メンバーを連れて中央を手伝ってくれ!それとそっちのパーティーも頼む。中央が手薄なんだ!」
ティナ「了解です!」
「おう!任せろ。」
ティナ達を引き連れ中央に戻り、サクラ達と合流し目に付くゴブリンやグリーンウルフを狩っていった。
二の鐘で始まったスタンピードは三の鐘が鳴る前に片が付いた。
臨時で作った防護柵の前でオットマーの勝利宣言が始まった。
オットマー「ご苦労だった!残念なことに奇襲により亡くなった者達も出たが、この規模のスタンピードでは過去に無いほどの勝利だ!みんな本当に良くやってくれた!
魔物の死体はそのままにしておいてくれ。ギルドが全て回収する。今日の成果はカードで行う。今日明日中にギルドでカードの確認をしてくれ。以上だ。」
「ティナ。生き残ったな。」
ティナ「はい!これも全てシグレ様のおかげです!」
「ちょ、ちょっと待った!いつからシグレ様になったんだ?さんで良いよさんで。」
ティナ「いえ、本当に感謝しているのです。昨日のご指導も、サラケスで諭して下さったことも。本当にどう感謝してもしきれません!」
「あー良いからそういうのは。なあイデリナ?」
イデリナ「私も感謝している。今日は自分でも不思議なくらい上手くいった。昨日鍛えた連係がなかったら・・・シグレ殿には感謝が尽きん。」
「い、良いからそう言うの。な?ほら見ろよこれがゴブリンキングだ。」
矢と魔法を背中に受け、正座をするように蹲っているゴブリンキングが居た。
ティナ「ゴブリンキング・・こんなのが3匹も居たんですね。」
その時僅かにゴブリンキングの背中が動いた。
そして片手剣と呼ぶには大きな剣を掴んだゴブリンキングが身を起こし吠えた。
「グ・ガ・ガァーーーー!」
「うわー、ゴブリンキングが生きてたぞーーー!」
「逃げろ!キングが息を吹き返した!」
「離れろ!ボタン土の壁でキングを囲め!」
ボタンが土壁を抜き地面に突き刺し叫ぶ。
ボタン「【土壁】!」
2m四方の壁が3枚、コの字にゴブリンキングを囲んだ。
骨喰を抜き、剣を持つ右手を切り落とす。
―― シュン!ボト!
「ガァーーーー!」
ゴブリンキングの咆吼が響き渡る!
「ティナ!【氷槍】を打て!」
ティナ「はい!【氷槍】!」
―― ドス!
「もう一度!」
ティナ「【氷槍】!」
―― ドス!
「顔にもう一度だ!」
ティナ「はい!【氷槍】!」
―― ガス!・・・ドサ!
ゴブリンキングが倒れ激しく痙攣して動きが止まった。
ティナ「はぁはぁ・・・生きていたんですね。」
「ああ止めを刺してなかったみたいだな。」
ティナ「あ・・・うっ・・」
イデリナ「ティナ様!・・・な・に・目眩が・・」
紫蘭玉樹のメンバーが次々膝を折っていく。
「1度に大量にレベルアップしたからだろうな。すぐに体も慣れるよ。」
イデリナ「レベルアップ?・・そうか!ゴブリンキングをティナ様が倒したから。」
ティナ「私がゴブリンキングを?シグレ様!」
「ティナが止めを刺したんだ。胸を張れ!お前の手柄だ。」
誤字報告ありがとうございました。




