【ネールへ】
俺は既に起きていた。
『順番通りならもうすぐツバキが起こしに来るはず・・・』
―― カチャ!
『来た!』
ツバキ「シグレ様?寝てますね。ん!・・・・」
『やっぱり!寝てると思ってツバキのキスが大胆だ。今だ!』
ツバキ「ん?んんん――ゴソゴソ――んん・・」
ツバキを左腕で捕まえて右手でツバキのブラトップをたくし上げた。
ツバキ「ぷはぁ!シグレ様ダメです!時間が・・あ・・ダメ・・」
「わーい、ツバキのおっぱい気持ちいいーー!」
――カチャ!
ナナイ「やっぱり捕まってたわね。ほらシグレくん起きて。出発するよ。」
「はーい!」
昨日の打ち合わせ通り服を着替えてパーティーボックスを出ると馬車には既にアカネとボタンがオウコとコハクを繋いでいた。
俺が馬車の馭者席に行くとサクラが手綱を持って待っていた。
「おはようサクラ。行こうか。」
サクラ「はい。」
サラケスの南門を出てネールを目指す。朝食はサンドイッチをそれぞれ馬車の中で食べている。
今日はオウコとコハクに頑張ってもらうつもりだ。
サクラ「今日はツバキに悪戯してたんですか?」
「そうだよ。みんなのおっぱいは俺の活力の素だからね。」
サクラ「ふふ。じゃあ明日はボタンですね。」
「ああ楽しみだ。」
サクラと会話しながらオウコとコハクの走りを観察していた。
軽くサラケスに来た時の3倍ほどの速度が出ている。
「オウコもコハクも問題無さそうだし、この速さならオークも襲ってこれないな。サクラ。適当に休憩するから宜しく頼むよ。」
サクラ「了解です。」
それから順調に進み午前中に最初の村を通過しお昼を挟んで四の鐘のころには2つ目、ネール側の村も通過した。
「思ったより早く進んでるからこのままネールに行こう。」
「「「「「了解!です!」」」」」
結局俺達は五の鐘が鳴る前にネールの北門に入った。
「なんだ?北門の馬車溜まりに随分馬車が居るな。」
ナナイ「ヨスの森は南側だから、南門にいた馬車が動いたんじゃない?」
「なるほどね。と言うことは南門はすいてるね。南に行こう。」
ナナイ「良いの?」
「構わないよ。この馬車はダイモンが不壊を掛けたから壊れることは無いし、コハクはオウコが守るだろ。」
ナナイの言う通り南門の馬車溜まりに行くとガラガラだった。
馬車を止めギルドに向かうとギルドの中は冒険者で溢れていた。
「メリンダさん!」
メリンダ「あっ!シグレさん!来てくれたんですね。ありがとうございます。」
「サラケスの支部で緊急依頼の参加要請は受けたけどここでカードを出して欲しいって言われたんだ。」
メリンダ「はい。みなさんのカードをお願いします。」
メリンダにカードを渡しながら状況を確認した。
「で、森膨れの様子はどうなの?」
メリンダ「速ければ明後日の昼にはスタンピードが起こるかも知れません。」
「当初より早まってるね。サラケスからの冒険者達はギリギリかな?」
メリンダ「それは大丈夫です。途中の村で馬を交換して夜通し走ってくるそうです。明日の昼には着くと報告がありました。なので明日集まって貰って打ち合わせをします。参加はソロは全員。パーティーはリーダーを含めた2人まで。時間は四の鐘です。シグレさんもお願いします。」
「了解した。」
ギルドを出てナナイのお兄さん、エバンスさんの営む宿屋妖精の樹に向かった
―― キィー!
エバンス「いらっしゃ・・シグレくん?ナナイ!」
ナナイ「ただいま兄さん。みんなは元気?」
エバンス「ああ元気だ。ヨスの森で森膨れが起きててお客さんは少ないけどね。」
「森膨れは聞いてます。その緊急依頼を受けて帰ってきたんです。エバンスさん2食付きで6人3泊お願いします。」
エバンス「助かるよ。ナナイ部屋はどうする?うちは4人部屋までしかないだろ?」
ナナイ「4階の4人部屋で良いわよ。」
エバンス「解った。夕食はいつも通り五の鐘からだよ。」
ナナイ「了解。森膨れは心配しないで。なんとかするから。」
エバンスさんから鍵を受け取り4階の部屋に入った。
ボタン「ナナ姉。さっきの男の人はナナ姉のお兄さんなの?」
ナナイ「そうよ。この宿は兄がやってるの。」
パーティーボックスに入り俺達はリビングに腰を降ろしている。
「ボタン。妖精の樹に居る間はご飯の用意は要らないからね。エバンスさんに頼んであるから。」
ボタン「はい。それならご飯だけ食べに来ても良いのにちゃんと部屋を借りるなんて・・・やっぱりシグ兄は優しいね。」
ナナイ「でしょ?惚れても良いわよ。」
ボタン「大丈夫ナナ姉。もう惚れてるから。」
「うぉほん!あー明日からのことだけど、ツバキ。ヨスの森の様子はわからないかな?」
ツバキ「既にゴブリンが300匹ほど、グリーンウルフも300匹ほど争いもせず群れを作っているそうです。ですが森は最中膨れているらしいのでまだまだ増えそうだと言ってます。それと、森の奥に強い気配を感じるようです。」
「さすがだね、もう調べてあるんだ。ナナイ強い気配って何だと思う?」
ナナイ「間違いなくゴブリンキングね。ゴブリンとグリーンウルフが争っていないんでしょ?ゴブリンキングが【統率】で纏めてるのよ。それにゴブリンキングが生まれると森膨れの進行が速くなるの。」
「【統率】なんてスキルもあるのか。」
ナナイ「もう一つ厄介なのが【指揮】よ。魔物を軍隊のように使ってくるわ。」
「当然ギルドも予想してるよね?」
ナナイ「おそらくね。」
「なら任せて指示に従うだけだな。」
夕食を食べ終わっていつものお風呂タイムに突入した。
サクラ、アカネ、ナナイ、ツバキと洗い終わり今はボタンを洗っている。
「んーやっぱりボタンが増えたから洗うのに時間が掛かってるよね。」
サクラ「しょうがないですよ。」
アカネ「シグレ様は1人ですから。」
「そうなんだけど、みんなをボーッと待たせてるのも時間が勿体ないよね・・・・しょうがない明日から洗い方を変えよう。」
ナナイ「何か人生の一大事見たいね。」
「もちろん!俺にとっては森膨れより重大事だよ。」
ツバキ「それでは、どのようにしますか?」
「それなんだけど、最初の1人は俺が石鹸を付けながら洗う。これは今までと一緒。その間に各自石鹸で体を洗って、仕上げは俺が1人ずつするから。」
ボタン「それって、今までと違うんですか?」
「少し速くなる!」
ナナイ「ふふ、きっとほんの少しね。でも唯待ってるよりは良いわね。」
「だろ?」
ツバキ「髪はどうしますか?」
「2人ずつペアでやろうか。これからは5日魔物狩りをして1日休むを基本にしたいんだ。休みの前の日にみんな髪を洗おうよ。」
サクラ「良いですね。では、髪を洗う日は覚悟しないといけませんね。ふふ。」
おいおい、何かとんでもないことがあるみたいじゃないか。
ボタン「えっ?何を覚悟するのサク姉?」
アカネ「ボタンは未経験だったわね。」
ナナイ「ボタン。ベッドの上に鬼が出るのよ。」
ボタン「鬼?ベッドの上?」
ツバキ「私が初めて鬼を見た時はまだ2度目でした・・・」
「あのね・・・嫌なら髪を洗わなくて良いけど・・」
ツバキ「嫌なんて言ってませんよ。むしろ週に1回なら・・」
サクラ「私も週末が楽しみになりそうです。」
アカネ「私はいつでも良いですよ。」
ナナイ「週1で良いの?私達に遠慮しなくて良いのよ?」
ボタン「えーと、話がよく見えないんですけど・・」
「ところで、明日は午前中はこれと言って用事が無いからエバンスさんには朝食をサンドイッチにして貰ったんだ。」
「「「「えっ?」」」」
「と言うことで、みんなで髪を洗おうか。」
「「「「はい。はーい。」」」」
ナナイ「ボタン。良かったわね、鬼に会えるわよ。」
ボタン「えっ?えっ?えっ?」
良い朝だ。
いつもは俺より早く起きているサクラ達が俺の横でまだ寝てる。
最近疲れてたのかな?サラケスでも色々あったし。
サクラ「シグレ様。おはようございます。ん・・・」
「ん・・・おはようサクラ。」
アカネ「おはようございます。シグレ様。ん・・・」
「ん・・・おはようアカネ。」
ナナイ「おはようシグレくん。ん・・・」
「ん・・・ナナイおはよう。」
ツバキ「ん・・・おはようございますシグレ様。」
「ん・・・おはようツバキ。」
ボタン「うーん・・あっ!シグ兄。おはようございます。ん・・・」
「ん・・・おはようボタン。」
順番にキスをしたサクラ達はセルフボックスに入っていった。
実はセルフボックスも最近レベルアップしてシャワールームが増えたのだ。
シャワールームが付いてから、サクラ達は寝起きにシャワーを浴びるようになった。
その間に俺は朝風呂に入った。お湯は昨日のままだが【浄化】で綺麗にしたから問題は無い。
大きな湯船で朝風呂に入る。
気持ちが良い・・森膨れのことを忘れそうになる。こうなると露天風呂が欲しくなる。
「大門屋敷に作ろうかな。それより・・・次のレベルアップでこのパーティーボックスに露天風呂が出来ますように!・・良し!ダメ元で1日1回お願いしてみよう。」
因みに【浄化】はダイモンの書で身に付けた。
全てを浄化すると書かれていたが今のところお風呂を浄化したり、夜のイチャイチャの後を浄化しているだけだ。
浄化を覚える前は、俺が一人ひとりイチャイチャ後に【クリーン】で綺麗にしてたけど(なんで?)浄化は素晴らしかった。1度で体もシーツも全て綺麗になった。
アカネがシーツのシミまで落ちていると言ったのを聞いて浄化を全員にコピペした。
浄化を使えるようになってから、洗濯担当のサクラとアカネは時間の無いとき限定で洗濯物を纏めている大きな籠に浄化を掛けて終わりにしている。
それなら毎日そうすれば良いと思うんだが、サクラ達曰く手抜きっぽくて嫌なんだそうだ。うん。働き者には頭が下がる。
因みに食事後の食器洗いも同じで時間が無いとき限定で浄化を使ってるようだ。もちろん掃除も。
朝風呂を終えてリビングに行くとナナイがエバンスさんのサンドイッチを運んできていた。
朝食をはじめると時々ボタンが顔を真っ赤にして俯いている。
「どうしたボタン?どこか悪いのか?」
ボタン「何処も悪くないです・・」
サクラ「解った!昨日のこと思い出してたんでしょ?」
アカネ「ああそうか!」
ナナイ「ふふ、ボタン可愛い!」
ツバキ「ボタンも幸せそうでしたけど?」
ボタン「そうなんだけど・・・でもシグ兄は凄いね。私達5人を相手に明け方まで・・私、気を失っちゃって、ごめんなさい。」
サクラ「ボタン。大丈夫、私もだから。と言うか誰もシグレ様には適わないから。」
アカネ「そうよ。私だって鬼の日はいつも記憶が無くなるか気を失ってるんだから。」
ナナイ「私もよ!毎回気づいたときはお日様が昇ってるのよね。」
ツバキ「でも、可愛がって貰えなくなったらと考えたらゾッとします。頑張らないと!」
「「「「はい!」」」」
「うぉっほん!えっーと、取り敢えずこの後1度ギルドに行こうと思ってるんだ。何か変更があるかも知れないからね。」
「「「「「了解!です!」」」」」




