【グレイパッセル】
大池の畔に止めていた馬車に戻り、ナナイの指導で昼食作りが始まった。
『ん?・・・』
視線を感じて振り返った。振り返った先はさっきまでいた島だ。
ナナイ「どうしたのシグレくん?」
「いや、何か視線を感じた気がして。」
サクラ「私の探知には何も。反応はグレイパッセルだけです。」
「そうだな。俺の探知も同じだから気のせいかな。」
出来上がった昼食はやっぱり美味しかった。ナナイの指導が良いのかな。
「アカネ。料理はどう?」
アカネ「・・・まだまだです。」
ナナイ「焦らない。焦らない。シグレくんとの時間は始まったばかりよ。ゆっくりやりましょ。」
アカネ「うん。頑張る。」
「「「ははは・・・」」」
「ん?・・・やっぱり見られてる。」
島の中から感じる視線がある。
サクラ「相変わらずグレイパッセルだけですが。」
島をジッと見ると島の木の中に人の姿が見えた。
「誰か来る。」
サクラ「そんな!突然人族の反応が!」
人の姿が近づいて来る。
近づいてきたのは女だった。
歳は30歳くらい。灰色?キラキラしてるから銀色なのか?その髪を後ろで束ねているようだ。灰色の瞳にサクラたちに負けない綺麗な顔立ち。
何故かメイド服を着ている。そして胸の主張が素晴らしい。
『F寄りのGかな。ナナイの方が少し大きいけど見事だ。』
近づいてきた女が立ち止まった。
「シグレ様。先ほどは助けていただき、ありがとうございました。」
「どうして俺の名前を?お前は誰だ?」
突然名前を呼ばれ警戒レベルを上げる。
「名前は皆様が呼んでいるのを聞き及びました。」
『名前は確かに会話に出てた。でも、助けた?どこに居た?』
「助けたと言ったが、どこかに隠れていたのか?」
「いえ、襲われて傷ついたところを魔法で治して頂きました。」
「魔法?俺がそこで【ヒール】を使ったのはグレイパッセルだけだぞ?」
「はい。そのグレイパッセルでございます。」
「「「「は?」」」」
意味がわからない!
「私に敵意は有りません。そちらに行っても宜しいでしょうか?」
「ああ、敵意がないのは感じてたよ。えーと状況が上手く飲み込めないんだけど・・まあどうぞ。」
グレイパッセルと名乗る女が俺達のすぐそばに来ていた。
「私はグレイパッセルの長。始祖でもあります。」
「始祖?始まりのグレイパッセルってこと?」
「はい。既に8000年は生きています。」
「「「は、8000年?」」」
うん。そりゃみんな目が点になるよね。
8000年って・・・ピンとくるわけねーよ!
「はい。長く生きたためこのように【人化】が出来るようになりました。」
「【人化】?スキルか。で、その始祖様が何用でここに?」
「様はお止めください。ここに来たのは助けて頂いたお礼とお願いが有ったからです。
此処は私達グレイパッセルの繁殖地の1つ。中でも最も古く大事な場所です。
この湖沼群には昔からウォーターリザードはおりましたが、私達がいたためこの大池には住み着きませんでした。ところがあの変異種が現れてから湖沼群のウォーターリザードに変化が起こったんです。」
「ウォーターリザードが居なかった沼は彼奴に集められてたからか?」
「はい。あの変異種は雄を間引いて雌を集め仲間を増やしていました。ところがこの先の池であふれかえり、この大池が欲しくなったのでしょう。」
「じゃあ俺達が来たのは丁度良いタイミングだったわけだ。」
「はい。私達は脆弱な魔物です。普通のウォーターリザードにすら抗う力を持ちません。皆様には本当に感謝しております。」
「まあ、お礼は受けるよ。で、ちなみにだけどお願いって何かな?」
「はい。大変不躾ですが、私をお仲間に加えて頂けませんか?」
「「「「は?」」」」
再び全員目が点だ。
「私は6000年前に人化を覚えました。それから人種にまぎれるようになり、そして人種の雄に興味を持ちました。
グレイパッセルに雄はいないのです。」
「雄がいない?どうやって繁殖してるんだ?」
「雄がいなくても卵は産めるのです。何故かは解りません。ファンタジーですから。」
「ファンタジーって・・何処で覚えたんだ?」
「8000年生きていますので。」
『ああ・・・だからファンタジーってことね。』
「人化している私の体は人種の雌と何ら変わりません。むしろ胸は雄の目を引くほどにあります。」
『さりげなく砕けてきたな。』
「今まで人種の雄に興味は持っても、人種の雄と交わろうとは思えませんでした。試してみたいとさえ思えなかったのです。
ですが、先ほどシグレ様に傷を治していただいてから、私の内に何かが生まれました。」
ナナイ「あーそう言うことか!6000年経って初めて雌じゃなくて女として目覚めたってわけね。」
「はい。おそらく。」
「ちょ、ちょっと待って。1回落ち着こうか。ふーーーーー!
確認ね?仲間って言うのはそう言うことも含めた仲間って事?」
「はい。私に人種の雄と雌の営みを教えて頂きたいのです。お返しとしてシグレ様が死ぬまで誠心誠意尽くさせて頂きます。」
「・・・・・」
二の句が継げないってのはこういう事だな。あまりに突拍子も無くて頭がフリーズしたよ。
ナナイ「良いじゃない。シグレくん受けてあげなよ。」
ナナイの言葉で頭が再起動を始めた。
「ナナイちょっと待って。グレイパッセルって話だよ?」
サクラ「シグレ様。私には狐耳があります。尻尾もあります。獣人と何も変わらないと思います。」
サクラが参戦してきた。ナナイに1票らしい。
「サクラも賛成なの?」
アカネ「私も良いと思います。理由は勘です。きっとシグレ様の為になります。」
アカネも賛成票だ。これでナナイが2票。いや、ナナイ自身を入れて3票か。
ナナイ「シグレくんおっぱい大好きじゃない。彼女良い物持ってるわよ。」
「そこはもちろん目が離れないんだけど・・・」
「私は脆弱なグレイパッセルです。戦いではお役に立てないかも知れませんが、私の一族はこの世界中に居ます。シグレ様の目や耳としてお役に立てると思います。」
うちの3人を見ると女に恥を欠かせるな的な視線が痛い。こうなったらもう無理だな。うん。みんなが良いなら腹を決めるか。綺麗だし、おっぱい大きいし。
俺ってこんなに軽かったっけ・・・
「解ったよ。これから一緒に居よう。その為には名前を教えて欲しいな。」
「シグレ様。名前を頂けませんか。私達魔物には名前がないのです。」
「そうなの?じゃあ・・・ツバキは?俺の国の花の名前なんだけど。」
「ツバキ。響きの良い名前をありがとうございます。」
突然体を虚脱感が襲う。
「・・・なんだ?体から力が抜けていくこの感じは?」
ツバキ「古来より、魔物に名を付け魔物が受け入れれば従魔の契が生まれます。その時魔物は主人から魔力をもらい繋がりが深くなると言います。」
「魔力を持って行かれたって事か。ふう落ち着いた。」
ナナイ「大丈夫シグレくん?でもなー、私もシグレくんに名前付けて欲しかったなー!」
「だから、ナナイって言う名前が気に入ってるの。好きなの!」
ナナイ「ふふ、知ってるよー。そんなに好きなんだ私の事!」
「「ブーブー!抗議します!私達にも好きって言ってください!」」
「いや名前の話で・・・もちろんサクラもアカネも大好きです。えーと、ツバキはこれからわかりあっていこう。」
ツバキ「はい。宜しくお願いします。」
「ツバキ。申し訳ないが俺と奴隷契約をして貰いたいんだ。そうしないと、パーティー登録が出来ないと思うんだ。」
サクラ「シグレ様。パーティー枠は増えたんですか?」
「ああ、ウォーターリザードを狩ってる途中で増えてた。2人分増えたよ。」
ツバキ「問題ありません。シグレ様が望まれる通りに。」
「じゃあ隷属魔法を掛けちゃおう。」
ナナイ「シグレくんがやって良いの?」
「依頼の途中で旅の奴隷商から引き取ったことにすれば大丈夫だよ。」
結論を言えば、この後初めての隷属魔法も問題なく出来た。
「これでツバキは仲間だ。みんなと仲良くしてくれればそれで良いから。」
ツバキ「はい。新参ですが宜しくお願いします。」
サクラ「サクラです。宜しくお願いします。」
アカネ「アカネです。宜しくね。」
ナナイ「ナナイよ。私も新参なの。宜しくね。」
「ツバキ。パーティー申請をするから受けてくれ。」
名前:シグレ
種族:人族
年齢:17
レベル:25
称号:英雄
スキル:【偽装】【高速思考】【並列処理】【多言語理解】
【気配探知】【気配遮断】【剣術】【棒術】【格闘術】【体術】
【隷属魔法】【回復魔法】【風魔法】【氷結魔法】【火魔法】
【魔力操作】【性豪】
【パーティー】
【成長促進】
【コピーandペースト】
【通信】
【セルフボックス】
【パーティーボックス】
アイギス:【解析鑑定】【全魔法才能】【全スキル才能】【次元収納】
名前:サクラ
種族:銀狐族
年齢:18
レベル:23
スキル:【双剣術】【俊足】【成長促進】【通信】【気配探知】
【気配遮断】【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】
【回復魔法】【魔力操作】【パーティーボックス】
名前:アカネ
種族:人族
年齢:20
レベル:23
スキル:【弓術】【風魔法】【火魔法】【回復魔法】【魔力操作】
【成長促進】【通信】【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】
【パーティーボックス】
名前:ナナイ
種族:ダークエルフ族
年齢:35
レベル:54
スキル:【斧術】【豪腕】【気配遮断】【成長促進】【通信】
【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】【回復魔法】
【魔力操作】【パーティーボックス】
名前:ツバキ
種族:グレイパッセル
年齢:8032
レベル:30
スキル:【聴覚強化】【遠見】【暗視】【気配察知】【気配遮断】【無属性魔法】【人化】【収納】【料理】【掃除】【礼儀作法】
【成長促進】【通信】【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】
【回復魔法】【魔力操作】【パーティーボックス】




