【オーク?貴族?】
昨日は本能の趣くままやってしまいました。
ふふふ、17歳舐めるなよ!
サクラからは『シグレ様は・・・底なし。』
アカネからは『毎日これは・・・無理です。』
と言われてしまった。
ただこれも言っておこう。初めて2人を満足させられたと。
実はこの世界に来て気づいたことがあった。
体が大きくなっていたことだ。セレゴスの王宮で立ち上がった時、袖やズボンの裾が短くなっていることに気づいていた。
元々170cmちょっとの俺が175cm以上あるようだ。
そして、自分の身長以上に驚いたのがジュニアだ。
あらためて言うが、ジュニアがオリジナルからとんでもない成長をしている。
宿でシャワーを浴びた時にリアルに2度見したのを覚えている。
そこで思い出したイサドラ様の一言。
『強い体にしておきますね。きっと役に立ちます。』
きっと強い体ってそっち方面に強い体って事だったんですね?
イサドラ様。何度でも言わせてください。役に立ってます。ありがとう!
一の鐘がうっすらと聞こえたが、そのまま二度寝に入った。
実は眠ったのが明け方近かったりする。
うん。頑張った!
再び目を覚ましてもサクラもアカネはまだ寝ていた。
よっぽど疲れたんだな。誰のせいだろ・・
2人が起きるまでステータスを見よ。
名前:シグレ
種族:人族
年齢:17
レベル:17
称号:英雄
スキル:【偽装】【高速思考】【並列処理】【多言語理解】
【気配探知】【剣術】【棒術】【格闘術】【体術】【隷属魔法】
【回復魔法】【風魔法】【氷結魔法】【火魔法】【魔力操作】
【性豪】
【パーティー】
【成長促進】
【コピーandペースト】
【通信】
【セルフボックス】
【パーティーボックス】
アイギス:【解析鑑定】【全魔法才能】【全スキル才能】【次元収納】
名前:サクラ
種族:銀狐族
年齢:18
レベル:16
スキル:【双剣術】【俊足】【成長促進】【通信】【気配探知】
【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】【回復魔法】
【魔力操作】【パーティーボックス】
名前:アカネ
種族:人族
年齢:20
レベル:16
スキル:【弓術】【風魔法】【回復魔法】【魔力操作】【成長促進】【通信】【セルフボックス】【高速思考】【並列処理】
【パーティーボックス】
俺は目をシパシパさせてステータスを見返した。
『なんだこの【性豪】って・・』
「う、うーん・・おはようございます。シグレ様。ん・・」
「ん・・おはようサクラ。」
「シグレ様。おはようございます。ん・・」
「ん・・アカネおはよう。」
朝のキスは忘れない。
もう二の鐘が近いようだがゆっくりと用意をして1階に行くと、ナナイさんが極上の笑顔で迎えてくれた。
ナナイ「おはようシグレくん。疲れてない?」
「なんで起きたばかりで疲れてるんですか!」
サクラとアカネは少しけだるそうだ。
ナナイ「あらそう。ふふ。今日は遅いって行ってたからシグレくんたちの分はサンドイッチにしておいたわよ。良かった?」
「充分です。果実水も貰えますか。3人分で。」
ナナイ「はーい。」
ナナイさんがサンドイッチと果実水を持ってきて並べていく。
並べ終わったナナイさんがサクラとアカネの間でしゃがみ込み、何やら女3人で話し込んでいる。
実はこの3人。割りと始めから仲が良い。と言うかサクラとアカネが懐いているといった方が良いかもしれない。
まさに姉と妹達といった感じだ。
ナナイ「えっ、ウソ・・そんなに・・・明け方まで?・・凄い!何回?・・やだ、ほんと?・・・でも・・・幸せだったんだ・・」
『あのー、3人で何を話してるのかな・・もしかして俺の個人情報ってダダ漏れなのかな?』
女同士の話が終わってナナイさんが一言『鬼ね。』と呟いた。
えっ、なにどういう事でしょう?ナニカシタノカナ?
ナナイ「そうだ。シグレくん、10時まで仕事があるのよ。その後はどう?」
「問題ありません。食料品も買いたいので市場にも連れてって貰えますか?」
ナナイ「もちろんよ。じゃあ、10時に降りてきて。」
「了解です。」
約束の10時になり、4人で最初はギルドに向かった。
メリンダ「あれ?ナナイさん。珍しいですね。」
ナナイ「メリンダちゃん、おひさ。」
メリンダ「今日はどうしたんですか?」
ナナイ「シグレくんたちがウォーターリザードの討伐を受けたでしょ。遠出や野営が初めてだから私が一緒に行こうと思って。良いわよね?」
メリンダ「もちろん問題ありません。むしろシグレさんたちに指導して頂けるなんてとても助かります。」
ナナイ「じゃあ、はいカード。」
メリンダ「良かったですねシグレさん。ナナイさんが若手の指導をしてくれるなんて、今まで何度お願いしてもお断りされてたんですよ。」
「そうなの?」
メリンダ「ええ。ナナイさんクラスの経験者はこのギルドには少ないんです。」
ナナイ「はいはい。メリンダちゃん。その話は良いから。行くよシグレくん。」
カードを返して貰ったナナイさんが振り向きもせずギルドを出た。
ナナイ「さて最初はテントとか野営グッズね。」
ナナイさんに案内され冒険者御用達の道具屋に入った。
ナナイ「まずはテントね。最近は見た目が小さくても中が空間拡張された物が主流ね。拡張の大きさで値段が違うの。」
「空間拡張テントか。なろう定番だな。」
ナナイ「なろう?」
「ナナイさんお薦めはありますか?」
ナナイ「この6人用かな。パーティーは基本6人までだからパーティー用ってことね。6人用って言っても中は拡張されてて快適よ。」
「パーティーって人数制限があったんだ?」
ナナイ「知らなかったの?一緒に成長出来るのが6人までなの。だから冒険者ギルドではパーティーの上限を決めてるのよ。」
『なるほど成長の為の経験値の共有が6人までなのか。この世界のシステムってわけだ。うん。ファンタジーだ!』
「じゃあこれで。他には?」
ナナイ「魔物避けの結界魔道具ね。」
「結界魔道具なんてのがあるんですね。」
ナナイ「ピンキリだけどね。ああこの辺ね。基本魔石の付いたこの4本が1セットなの。縦横高さの有効範囲で値段が違うわ。」
「これもお薦めは?」
ナナイ「10m有ると馬車も入るからお薦めなんだけど、そのサイズだと白金貨1枚するのよ。」
「それなら持ち合わせがあります。10mにしましょう。」
ナナイ「シグレくんって、お金持ちなのね?」
「ちょっと訳有りで貰ったんです。ああ、ちゃんとしたお金ですからね。」
ナナイ「別に詮索なんてしないわよ。そうだ、結界の魔道具は魔物には有効だけど盗賊には無力よ。まあその辺は野営しながら教えるわね。」
それから鍋釜食器類などを買っていった。この辺はパーティーボックス用の物とダブりそうだが、気にせず全て買いそろえていく。
ナナイ「後は寝袋か毛布ね。空間拡張のテントだと中の温度調節が出来てるから毛布を使うパーティーが多いかな。」
「じゃあ、うちも毛布かな。いずれパーティーが6人になるとして6枚買っておきます。」
ナナイ「そうね。私も入れたらあと二人だしね。」
「はい?」
ナナイ「ああこれも必要よ・・」
ナナイさんサラッと何か言わなかった?
ナナイ「拡張鞄なんか持ってる?」
「おれは収納持ちなんで必要ないですね。あっ、でもサクラやアカネ用に買っておけばいいのか。」
ナナイ「大きな物はシグレくんが持つとして、サクラちゃんたちの装備が入るくらいのはあった方が良いわね。腰のベルトに付ける拡張ポーチが女の子には人気よ。」
ナナイさんのアドバイスに従って、サクラとアカネに好きな拡張ポーチを選ばせた。3人でキャイキャイ言いながら軽く30分以上。
女の買い物は長い・・・
ナナイ「さて、後はポーション類の消耗品ね。」
最後にライフポーション、マナポーションをそれぞれ10本ずつ追加して全部で白金貨2枚に金貨3枚大銀貨5枚を支払った。
「マナポーションって高いんですね。」
ナナイ「シグレくん魔力切れしたことある?あれは酷いよ。もう殺してくれって思うからね。それを考えたら買って損無し!ってね。」
道具屋を出ると丁度三の鐘が鳴った。
ナナイさんお薦めの小洒落た喫茶店のようなところで昼食を食べ(異世界侮るべからず。なかなか良い感じの店も数多い)食材の買い込みのために市場に向かった。
市場というか、大きな屋根は無く野菜や食料品、日用品を並べた出店が立ち並ぶマルシェと言った感じだ。
『トマトにレタス?大根にニンジン。野菜は同じに見えるな。ただ名前はビミョーに違うけど。面倒だから日本風で良いか。』
「おばちゃん、これ1籠。あっ、そっちとこっちの奴も1籠ずつちょうだい。」
「兄ちゃん。そんなに買って持てるのかい?」
「俺収納持ちだから大丈夫。ほら!入っただろ。」
「兄ちゃん良い物持ってるね。買いっぷりも良いしいい男だね。おまけしておくよ。」
「そいつは嬉しいな。はい銀貨。また寄らせて貰うよ。」
ナナイ「シグレくんって買い物が上手いね。」
「そうですか?ちまちま買わないからおばちゃんが喜んでるだけですよ。」
ナナイ「だから良いのよ。此処のおばちゃん達って商売人だから次回からもオマケしてくれるわよ。」
「それは嬉しいな。そうだナナイさん塩とか調味料の良い店は無いですか?」
ナナイ「それならこっちよ。」
ナナイさんに連れて行かれた店には塩に胡椒、砂糖に油もあった。
『塩、胡椒はやっぱり割高だな。油は・・・何かの植物油かな。』
「おっちゃん。塩と砂糖を壷1つずつ。それと胡椒もその壷まるごと貰うよ。それと塩や砂糖は何処のだ?それとこの油は何の油なんだ?」
「兄ちゃん良い買いっぷりだな。塩は言わずとしれた塩山で採れる山塩。砂糖は砂糖大根から作ってるものだ。両方入ってくるのはセグルドからだが取れてる場所は良く解らねえ。油も場所は解らねえが菜の花の油さ。」
『山塩?岩塩って事だよな。海塩はないのか?製法が出来てないのかも知れないな。砂糖は砂糖大根、甜菜だ。これもサトウキビとは違ったな。油は普通に植物油だな。』
「兄ちゃん随分別嬪ばかり連れてるな。羨ましいね。どうだうちのかあちゃんと交換しねえか?」
「はは、そりゃ無理だ。みんな俺の恋女房なんだ。誰一人おっちゃんには渡せないな。」
サクラ「えっ?恋女房・・」
アカネ「私が?・・」
ナナイ「もうシグレくんったら。」
「かー、言ってくれるね。実は俺もうちのかあちゃんには惚れてるんだ。頼まれても渡せねえや。気に入った!まけてやるよ。油はどうする?」
「油もその壷でくれ。」
「あいよ。でもこんなに入るのか?ああ収納持ちか、なら問題ないな。金貨1枚だが大銀貨8枚でいいや。」
「そいつはありがたい。ところでおっちゃん。醤油や味噌は無いのか?」
「醤油?味噌?聞いたことねえな。」
「そうか。ありがとな。」
ナナイ「シグレくん。醤油もお味噌もあるわよ。」
「そうなんですか?何処で売ってます?」
ナナイ「この街には無いけど、近いところだとサラケスの街に行くとあるわよ。あそこは迷宮があるから人が集まるの。だから色々な物が売られてるわ。」
「そうか。じゃあ、いずれ行かないと。」
ナナイ「ふふそうね。」
必要な食材を買い終わり市場の出口をでた。
サクラ「シグレ様。」
「ああ、俺にも解ったよ。何人か来るな。」
俺達の前をプレートメイルの騎士が2人塞いだ。
「そこの女。主がお呼びだ。付いてこい。」
どうやらサクラが狙いのようだ。
「行くぞ!」
俺が騎士を無視して進もうとすると、俺とサクラの間に騎士が1人割り込もうとする。
それを遮って騎士と向かい合う。
「貴様に用は――」
「邪魔だ!」
「貴様は我ら――」
「さあ帰るぞみんな。」
最後まで言わせず無視する、もう一人がさすがに切れた。
「貴様いい加減にしろ!我らはラディス辺境伯家の者だぞ!」
「サクラ、アカネおかしな奴が多から気をつけないとな。ナナイさんも変な奴に絡まれないようにして下さいね。」
「「はい!」」
ナナイ「はーい。」
スッと俺の横に寄ってきたナナイさんが小声で話しかけてきた。
ナナイ「シグレくん。ラディス家の鼻つまみ者マッフェオの手下よ。面倒なのに目を付けられちゃったね。」
「ラディス?ラディス・・どっかで聞いた名だな。」
「き、貴様ーー!おいお前!良い度胸だな!」
漸く出てきたか。前の通りにそれらしい馬車が止まっていたから此奴らの親玉がいると思ってたんだけど。
「なんだお前?人語をしゃべるオークか?やっぱり語尾はブヒブヒ付けるのか?」
「すげー、あの兄ちゃん煽ってるよ。」
「あれ彼奴だろ。サラケスで余されて此処の領主預かりになったって言う。」
野次馬の声が聞こえてくる。
やって来たのは、年の頃は・・・太ってて良く解らない。小太りを通り越したデブで、既に汗ばんでる。
「き、貴様!お、オークだと?私をラディス家の長男と知って侮辱してるのか?」
「お前が誰だろうと知ったことか!お前もお前の子分も名乗りもしない。お前が何処の貴族様だろうが、名乗りもせず礼を知らない者に返す礼は持ち合わせてない。俺が本気で怒る前に失せろ!」
「き、貴様!貴様!私はラディス家長男マッフェオ・ラディスだぞ!跪け!手打ちにしてやる!」
「お前本物の莫迦だろ。この往来で自分がどれだけ恥ずかしいことをしてるか解ってるのか?大声張り上げて家の名前を宣伝して、やってることはその家の名に泥を塗ってるんだぞ?」
マッフィオ「もはや捨て置けん。貴様を侮辱罪でこの場で成敗し、その銀狐族は私が貰ってやる。やれ!」
「「はっ!」」
2人の騎士が剣を抜いた。斬りかかってこようとした時だった。
「待て!剣を収めろ!」
『今度は誰だ?』




