閑話休題
あたしたちが一致団結して、作戦を練っている間の、
これはイリタの視線。
***
目を覚ますと、どこかに横たわっていた。
教室?
見慣れた天井。頭がぼんやりする。
体を起こそうにも、肢体に力が入らない。
でもかろうじて視線だけは動かせる。
ゆっくりと右横に視線を向けると、ピアノが見えた。
ということは、ここは音楽室か。
どうやら床ではなくくっつけた机の上に寝ているようだ。
ふと前髪に風を感じる。
左に目線を向けると、白いカーテンが見えた。
窓が開いているのか、ゆるりとした風がカーテンを揺らしている。
物音。
反射的に目を閉じる。
誰かが部屋に入ってきたようだ。
こちらに足音が向かってくる。
「まだ眠られているのですね…
―――その姿も美しい、素材も良質。
さすが、我らが神…」
どこかで聞いたような女子の声。
いや、投げかけられる声はいつも似たようなものだから、
はっきりと区別できるものではないけれど…この声はどこかで―――
ていうか俺、神だったのか…
「探しましたよ、長きに渡って。
貴方の声を探して、こんな姿になってまで。
でも、私は貴方を見つけることができた、
たとえ、器に身を潜めていようと――
あなたは久遠に私の光…
闇に投じられて視界を封じられても、
貴方を諦めることはできなかった…」
頬に触れてくるその指は、優しく温かい。
涙声になっている彼女は、心底嬉しそうに語っていた。
「貴方を解放したら、私を選んでください。
槌御神など――
貴方の欲した光を求めるのは止めて、私に還ってきてください…」
手を握り、嘆願している。
たぶん、泣いている。
もう、我慢ならなかった。
目を開ける、声をかけよう、
と、するところで…
意識が、飛ぶ。
「また泣いているの、風倉御子?」
意識が飛ぶさなか、彼女の泣き顔を見た。
美しく、そして寂しそうな瞳をしていた。
「何度お願いされても、
僕は
お前のもとには還らないよ―――」
嘲る自分の声を、最後まで聞かず
俺はまた眠った。




