女子高生って言えなくない? 2
あたしはふと周りを見渡す。
早倉ちゃん、
神崎先生、
天国先生、
そして、雨宮まみや。
その他の、生徒は?
「…察しが良いね、他人のことになると」
あたしに目線を合わさず、雨宮まみやは笑う。
「ほかの生徒はどうなっているの?
生徒だけじゃない、先生…ほかの人間は?」
「…この町以外の人間まではさすがに掌握できないだろうけれど、一応私の方で処置は施してある。
市内の安全は確保済みだよ。
…けれど、その間は校内に気を回せなかったから、半々と言ったところかな。
…私の部下がいたが、戦闘中だったからね。
…どうだい、色主。
―――そちらは、どのように把握している?」
苦笑する早倉ちゃん。
「さっそくスパイですか。
抜け目のないお方。
アンナ先輩には気の毒ですが、この校内にいた人間はすべて掌握されています。
と言っても、私は三分の一の支配を任されましたが。
…もう一つ言わせていただくと、私は『早倉』です。
早倉として生まれたのですから、転生前のことは過去の事です」
それは失礼したね、と早倉ちゃんに視線を向ける雨宮まみや。
この校内を支配しているなんて…。
あたしはぞっとした。
三年は授業を自由参加になっているから、来ていない人が多いとしても、この高校もそれなりに大きいほう。
早倉ちゃんが差し向けた生徒数はどう考えてもそれに対して少ないから、きっとまだ隠し持っているんだろう。
「…うん、いい機会だね。
…私もそれなりに情報をそろえてきたから、イリタ君くらいは助けられそうだ」
その言葉に、心のどこかがほっとする。
あの問題児で厄介なイリタでも、あたしにとっては大切なもののひとつだ。
早倉ちゃんがあたしの様子を見て、優しく微笑む。
どうやら同じ心境のようだ。
「…私はこのけんかをいい加減終わらせたい。
…めんどうだからね、せっかく転生したんだ。
できるだけ平凡に、静かに暮したいのだよ。
…そこでまず、早倉さんの力を貸してほしいのだけれど、
心中穏やかじゃないかな?」
ベッドから腰を上げ、ゆっくりと早倉ちゃんに歩み寄る、雨宮まみや。
対する早倉ちゃんは、可愛らしく首をかしげながら、微笑む。
「お心遣い感謝いたしますが、ご安心を。
千賀先輩の為ならば、この早倉、
何を捨てても臆しません。
それは上が誰でもこの姿勢は変わりませんわ」
恋する乙女の姿勢にしては一途過ぎるような、彼女の情熱。
すごい、というより…
「…見事。
期待を裏切ったら殺されてしまいそうだから気をつけるとしよう。
…そこで心打たれている草野さん、
…もちろんあなたにも力を貸してもらうよ。
…みんなで協力してくれないと、私の愛する先生生徒が捨て駒にでもされてしまうからね」
そして雨宮まみやも立ち上がる。
目的は違うけれど、あたしたちは力を合わせることに同意した。
この校内に潜んで、イリタを足元に置いている黒崎野なみ――
風倉御子の捜索から、まず始まる。




