7 話し合い
7 話し合い
すると啓之助は厳かな声で男の子に答える。
「まず話し合ってみることじゃな。……幸い、怪獣には人間の言葉がわかるようじゃ。話し合えば何か解決策が見つかるかもしれん」
「そう、うまく行きますかね」
とシュレーディンガーが皮肉な調子で口を挟む。
「なんてったって、あいつはノータリンの顔をしています」
「とにかく、いっぺん話合いに行こうよ!」
脇から男の子が主張する。
「もし、なんでもたべちゃうゴンが本当になんでも食べられるんだったら、人の住んでいない星の山を食べるとか、川の水を飲むとか、そうしてもらうことができるはずだよ。とにかく、出かけよう!」
「そうだな、失敗して元々だからな……」
とシュレーディンガーが男の子の意見に同意する。
「おいでよ、弘左衛門! 出かけるよ!」
男の子は啓之助の居室から縁側を伝って大乗寺家の庭に降りると、縁の下に隠れていた弘左衛門に声をかける。前足をつかむと、うんしょ、こらしょ、と縁の下からひっぱり出す。
「ほらほら、出ておいでよ!」
けれども空飛ぶセントバーナード犬=弘左衛門は、なかなか縁の下から出てこようとしない。
「わしゃ、いやじゃね。そんな怖いところに好んで誰が行くもんかね!」
「ねえ、そんなこといわないでさ」
「いやじゃよ」
「おいでよ。みんなのためだよ」
二人の間で、しばらく押し問答が続く。
「もう、しょうがないな。じゃあ、最後の手段!」




