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23 首相の考え
23 首相の考え
日本国首相は核攻撃失敗の報を聞き、というより自分の目でそれを確かめ、
「ほっ!」
と安堵のため息をつく。と同時に、
(これで、これからの外交政策が楽になったな……)
とひとり、ほくそ笑む。
(こんなに酷い仕打ちを我が国にしたからには、各国政府もしばらくは大人しく、こちらの言い分を聞いてくれることだろう!)
が、そのときの首相には、各国首脳のみんながみんなこうなれば次の――そして最後の――手段をとるしかない、と考えていることをまるで知らない。さらに、この非常事態の元凶=宇宙大怪獣が、いまだ日本の首都トキオにいるということを忘れている。
「これで、わたしの任期は安泰だ!」
晴れやかな口調で彼はそう呟き、意気揚々と国会議事堂に取って返す。




