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9 進撃

 9 進撃


 弘左衛門の背中に乗った小さな男の子とシュレーディンガーが一路、なんでもたべちゃうゴンのもとに向かう。

 弘左衛門の飛行能力もまた大乗寺啓之助の研究成果のひとつだ。それは宇宙の通常の安定状態と、その下に隠れたさらなる安定状態=真空状態のエネルギー差にかかわる研究だったが、説明をはじめると本一冊ほどの紙面を費やしてしまう。……ということで、詳しくは成書を参照されたい。

 それはさておき――

「あ、見えてきた!」

 と小さな男の子が叫ぶ。

 怪獣はトキオタワーを食べ尽くし、スカイツリーのあるスミダ区オシガミの方向に向かっている。ガーツと炎を吹き出すと、進行方向にあるすべての建物を一瞬のうちに焼き尽くす。オレンジ色の炎に覆われ、炎が消えた後には何も残っていない。


 ズシン ズシン


 と歩くたびに巨大な足音をとどろかせながら大怪獣が進撃する。ときどき地下通路に足を取られ、それをさらに地中深く陥没させる。怪獣の通った進路跡は、みなまっさら/まっ平らとなってしまう。おおよそ食べられそうだと感じたものを怪獣がみんな食べてしまったからだ。

 草の根ひとつ残らない。


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