表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シュールナンセンス掌編集

首といも

作者: 藍上央理
掲載日:2014/08/10

「首といも」



 逆立ちするとよいと聞く。なにがよいのか、わからないけれど。

 道を行く人々すべてが逆立ちをしている。

 ポケットの中身を落としながら、エクスキューズミーと私は拾ってあげる。

 地面を手が踏み、それとも支えるかして、彼らは目的地へと向かう。

 地面は傾斜していく。

転がっていく丸い玉に追いつけるように、犬までが逆立ちをする。

 町の隅に白墨で線を引く人がいる。

 境界を決め、何もかも自分のものにすると言う。

 書類の手続きは必要ではないのかと忠告すると、彼はあわてて区役所へ走っていった。

 ズボンをはおり、ジャンパーを履く。

 彼らに頭のでかい首は要らない。

 鎖をつけて引きずっていくのだ。

 私だけまともに歩く。それでも私はまともではない。

みんなが私を振り向き、気が狂っているとわめく。

 くまでをもってきて、私は彼らの頭をかき集めていく。

いくらやめてとお願いされようと、そんなことは無視だ。

 スーパーで買ってきたさつまいもを首の中に紛れ込ませる。

 マッチに火をつけて、悪態をつきまくる首の中に落とすとよく燃えた。

 メラメラと燃えるたき火に串を刺す。

 取り出したいもの皮をむく。

 焼きいもは好物なのだ。

 ここにバターがあればもっといいのになぁ。

 「痛いじゃないか」

 間違えて、私はいもではなく、首の皮をむいていたようだ。

 そのうち、首がパンパンと弾けとび、ポップコーンがわたしの足元をうずめ始める。

 何もかも考えられない。

 私の不幸は焼きいもと首の区別がつかないことだ。

 さて、逆立ちする人よ。私のために焼きいもを探してほしい。

 お礼はないけれど、ありがとうを言おう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ