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疑問なしの女性
なかなか寝付けない夜だった。枕元の時計は、2時15分。ベッドから出て台所で水を飲んだ。そのあとに、ゆっくりと大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
なぜ、眠れないのかと聞かれればいくつかの答えがあるはずだ。例えば、寝る前にホラー映画を見たとか、怖い夢を見たとか、眠ればそのまま目を覚まさないかもしれないとか。彼女の場合、そんな答えはない。ただ、眠れないだけ。彼女にとって、なぜ眠れないのかという質問は、なぜ生きてるのかと同じように答えと呼べるものを持ち合わせていないのだ。
ベッドに戻ったところで、どうせ眠れないのだからと思い、彼女は本を読むことにした。「本物のニセモノは本物に勝てるのか?」というたいとるだ。




