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それは【学園騒乱罪】にあたります。

作者: 双月一星
掲載日:2026/05/07

何度かバカな事が起きれば、そりゃ対処もされるわけで。


のお話です。

今日は学園の卒業式でした。


過去形?なのは、壇上に上がった数人の生徒が行った行事の私物化のせいでございます。



今日の祝辞を述べる筈の殿下は、私の婚約者でございます。

ですが、彼は数人の生徒を壇上にあげ、彼らが囲う女子生徒を傍らにおきました。


そして始まったのは……



「フィアン・セデシータ公爵令嬢!出てこい!」

この国の第一王子、ナンバーン・センジー殿下が私を呼びました。


周りを目線でチラリと見ましたが、学園長の姿は見えません。

礼儀よく涼やかに歩を進めていきます。


「なにようでございますの?殿下」


壇上を見上げると、殿下の隣にいる令嬢が、キャッ!と殿下にしがみつきました。


「私のこっ……ゆっ友人のボーネ・コドロー男爵令嬢を睨みつけるな!


貴様は爵位を袈裟に着て、ボーネに対し暴言をはき、彼女の所有物を壊し、更には階段から突き落とそうとしたらしいなっ!!


恥をしれ!!

そして、私とお前の婚約は破棄させていただくっ!!」


イヤナニソレ(初見なんですけど)


「まずは、私フィアン・セデシータは【学園騒乱罪】に加担する意図はございません。


ので、以後の話し合いは別室にて行う事をご提案いたします。」


バーネ男爵令嬢が、目をウルウルさせ両手を組み叫びました。


「この場から逃げずに自分の罪を認めて謝って下さいっ!!


私っ、とても辛かったですが、謝って下されば許して差し上げますからっ!!」


彼女は精一杯優しい私ってとっても可愛いでしょアピールをしはじめた。

因みに聖女でも特待生でもない、普通の男爵令嬢である。


「私、謝れば許される程度の事で断罪されてますの?


あ、私は応答しているだけですので【学園騒乱罪】に賛同はいたしません。


婚約破棄についても、王命によるものでございますので、当方に返答の是非は出来かねます。」


加担はしないが、火に油を注ぐ位の仕返しはさせていただきましょう。


無事着火した殿下は苛立ちを隠せないご様子。


「さっきから【学園騒乱罪】【学園騒乱罪】と煩いぞ!!


何なんだその【学園騒乱罪】というのはっ!!」


「ええ、【学園騒乱罪】についてですが……学園長直々にお聞きするのが宜しいかと思われます。」


やっと到着なされた学園長に道を譲り、私は半歩下がった。



学園長が壇上に上がり、殿下達も場を譲ったようだ。




「こほん……まずは卒業するものに祝辞を贈ろう。


そして、【学園騒乱罪】について、改めて説明させてもらおう。


【学園騒乱罪】であるが、学園内で起きた乱闘やデモ、公式行事の私物化等を取り締まり処罰する為の決まりである。


そなたらの祖父、曽祖父世代に起きた婚約破棄事件にて、1人の少女が起こした多数の婚約破棄の沙汰により、その世代で中枢の幹部入れ替えが起きたのは知っておるだろうな。


そしてその後の騒乱、あー、爵位入れ替えもあったか、爵位のマウントのいざこざが起きたりもした。


そして記憶に新しいのは愚兄であった元王弟の婚約破棄だ。

この件で愚兄は廃嫡され王位継承権を失い、準男爵位となった。

その際にも、中枢は王妃筋に挿げ変わった。


それを顧み、出来たのが【学園騒乱罪】だ。

程度によって数週間の寮内謹慎、清掃活動、停学等あるが、その最たるものは学園の卒業資格剥奪となる。」


学園長は自分の甥にあたる殿下をギロリと睨みつけた。


「元来、婚約というのは家と家同士の契約であり多くの意味合いが含まれておる。


だからこそ、一方の感情如何で婚約破棄する事を、【学園騒乱罪】適応としている。


学園は【社交の学び舎】であり、【人脈作りの場】でもある。

が、【己の感情】で【家と家との結び付き】を【破棄】するのは、この学園で【何も学んでおらぬ】として、【学園卒業資格】を得ておらぬ事と同義となる。

その為、【学園卒業資格剥奪】となる。


警備員よ、此方におる該当者らを連れて行ってくれ。

一部屋に纏めて入れて構わぬ。

部屋からは一歩たりとも出すでないぞ。

王弟名にて、王子らへの捕縛は許可する。

連れてくがよい。」



彼らは暴れた挙句、猿轡に簀巻き状態で警備員に担がれて退場した。


「フィアン嬢もすまなんだな。おぬしの発言については不問とする。

【学園騒乱罪】についても該当しておらぬので、安心するがよい。」


私は学園長に深く頭を下げる。


「今回、場を収める事が出来ず、恥ずかしい限りでございます。

【学園騒乱罪】とならず安心いたしました。

ご温情いただきありがとうございました。

これからも女公爵として邁進し、国家に尽くしたく存じます。」


そう、第一王子であったナンバーンは、側室の子です。

そしてこの国の王太子は王妃腹の第二王子なのです。


側室腹の婿養子なのですが、お花畑(ナンバーン)にどれだけ(情報)をあげても、流れ出てしまうらしく、自分が立太子されないのは私のせいだとまで思われてたご様子。

お花畑に集まる彼らはせっせと冤罪を作り上げ、私を断罪して婚約破棄を行い、男爵令嬢を王妃にしようと画策。

まあ、側近達も二軍でしかないので、纏めて卒業資格を失いました。


学園でも処罰したので、後は貴族同士のお話をどうぞ。というわけです。


学園を卒業出来ないと、成人したと見做されないので、跡取りから外されたり廃嫡されたりするのでしょう。

しかも卒業資格もないので、王宮はおろか王都での就職は絶望的ですので、平民よりも酷い環境下に置かれる事になります。


結局、卒業式の祝辞等進行は私が行うことになりました。

草案は私が担当しておりましたので、その後は難なく進行し、無事学園長の御言葉をいただき終了いたしました。

公式行事の私物化はいけませんよ。という話。


学園内の事なので、学園内で処罰したらいーじゃん。

罰則あるから各々気をつけるんだぜ。

やんちゃするなよ、無茶するなよ、ヤムチャしやがって……。

だから段々グレーゾーンが塗り潰されて行くんだよ。


まぁ先祖のヤラカシで出来ました。的な何かです。

処罰者減るといいなぁ。(トオイメ)

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― 新着の感想 ―
学園でアホがおイタやらかす話は数あれど、学園側が空気の話は結構多いですよね。逆にガッツリ面談して説教している話もありますが。 現実に例えると学園側が無策のまま、学園行事を謳歌できた筈の他の生徒の権利が…
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