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魔法少女ぜんぶのせ☆ ~マジカルハーレム、進行中!~  作者: 夏目八尋
第1章 みんな魔法少女だった
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第05話 ご近所さん(魔法少女で隔世遺伝)

毎度応援ありがとうございます。

頑張りますのでますます応援よろしくお願いします!!


ご近所さん(魔法少女)、登場!

「みはり!」

「うん! ……星の力を秘めし輝石よ! 我が導きに従い、その力を解き放て! ――“解放(ルシス)”!」


 リビングの大窓を派手に砕いて突っ込んできた、喋る黒猫と杖を持った小柄な少女。

 葉子のつるに縛られたまま、俺は両の眼でそれを見た。



 まず目を引くのはその容姿。

 透き通るような銀髪と青い瞳。おまけに白い肌ときたら、それはもうファンタジーの妖精か何かだ。

 髪は頭の後ろで大きなお団子を二つ作っており、小柄な見た目に似合っていてとても愛らしい。

 瞳は澄んだブルーグレーで、パッチリと見開かれた視線には、強い意志を感じる。


 どちらの国からお越しかな? ってくらいに、日本じゃまずお目にかかれないビジュアルである。

 彼女が近所の私立小学校の制服を着ていなければ、絶対に見間違えること請け合いだ。



 続けて少女の持つ特徴的な杖。

 羊飼いが持つような牧杖(クルーク)の、フックみたいに湾曲した部分の内側に鐘が吊るされている。


「お願い、力を貸して――山羊座(カプリコーン)!!」


 その鐘に向かって少女がもう一方の手に持つ宝石を投げる。

 碧緑に輝く宝石が宙を舞い吊るされた鐘に触れると、不思議と目に優しい閃光とともに取り込まれ――。


『ケェーーーーーン!!』


 リビングに、咆哮とともに突如として透き通る緑色のヤギが現れた。



「モッ! モモモッ!?」

「これは……!?」


 不可思議な状況はさらに続く。


 ガラーンッ! ガラーンッ!


 今度は葉子と捕まってる俺の周囲から、いくつもの鐘の音が響き、重なっていく。

 始めは高かった音が次第に低くなっていくにつれ、深い緊張の中にあった俺の心が不思議と落ち着いていくのを感じた。



「みはり~。この子、星輝石(ゾディアックストーン)の迷子とは違うみたいだよ~」

「でもでも! 陸人さんのピンチだから、助けなきゃ!」


 喋る黒猫と言葉を交わす、今まさに不思議な力を使っている少女。

 尋常ならざる存在である葉子を前にしても惑わず、宙を舞い、杖を振るい、立ち向かう女の子。


 俺はこの子が誰なのか――知っている。



「……占い。大当たりだったよ、みはりちゃん」


 彼女こそ。

 これまで何度も話題に出てた“ご近所さん”その人である。


(でも。その姿は一体……?)


 彼女が魔法を使えるなんて、そんなのこれまで一度たりとも聞いたことがなかった。

 俺には今まさに活躍する彼女が、本当は知らない誰かなんじゃないかと、疑う気持ちをぬぐえなかった。



      ※      ※      ※



 俺とご近所さん――星宮(ほしみや)みはりちゃんとの縁の始まりは、だいたい4年前。

 高校1年だった俺が、春の地域清掃ボランティアに父と一緒に参加した時のこと。


「エクスキューズミー。メイアイヘルプユー?」

「あ、へぅ、わたしは……」

「あ。日本語で大丈夫な感じ? じゃあ改めて。何かお困りですか?」


 草むらに座り込んでた見知らぬ少女に、声をかけたのがきっかけだ。



「なるほど、迷子になったからここで家族を待ってたんだ。賢いね」

「……でも」

「ん?」

「おとうさんも、おかあさんも……むかえにきてくれない」

「あっ」


 事情を聞いてるうちに泣き出してしまった彼女を慰め、それからしばらく話をしたのを今でも覚えている。


 たわいもない話題から、お互いのちょっとした自己紹介。

 最近田舎から引っ越してきて、周りの視線が変わったのが怖かった、とか。

 その珍しい銀髪や青い瞳は、母方の遠い血筋の隔世遺伝なんだ、とか。

 お星さまが大好きで、色々な伝説や物語があって素敵、とか。


 彼女の口から色々な話を聞かせてもらった。



「これ。前に住んでたところで見つけた、キレイな石……」

「へぇ……ほんとだ。お星さまみたいですごく綺麗だね」

「! うん、うん!」

「「みはり!」」


 打ち解けてきて、みはりちゃんの大事な宝物を見せてもらった辺りで、彼女のご両親が探しにやってきた。

 ここまで案内したらしく、俺の父さんが離れたところで手を振っていて。

 彼女のお父さんは方々を駆け回ったのか汗びっしょりで、お母さんはまだ幼い男の子を抱いていて、色々と事情を察する。


「ウチの子が大変お世話になりました」

「いえ。俺もお星さまのお話とか教えてもらって楽しかったんで」


 話をする上で家が同じ町区のご近所さんだということも判明し、これ以降、ウチと星宮さんの家は家族ぐるみでお付き合いをすることになった。



「陸人さん!」


 そして、すっかり俺に懐いてしまったみはりちゃんは。


「おはようございます、陸人さん!」


 毎朝の登校時間や、放課後の帰宅途中など。

 ほぼほぼ毎日どこかしらで顔を合わせ、ちょっとしたお話をする仲になったのである。


 最初は見知らぬ不慣れな場所で人見知りしてた彼女も、今やすっかり元気はつらつないい子に育ち、ご近所中から愛される女の子に成長して。


 星宮さんちのみはりちゃん。


 といえば、この辺りじゃ知らぬ者なしの、ちょっとした町のアイドルみたいになっていた。


 そんな子が――。



「モモモー!」

「くぅっ! やっぱりちょっと効きが悪い?!」

「みはり、ムチャだよこれは~! 保護(ステーゴ)だって使えないのに~」



 ――今、ウチの葉子(観葉植物・魔法の力で色々スゴい)と対峙していた。



      ※      ※      ※



「モッ! モッ! モーーーッ!!」

「やっ! はっ! えいっ!」


 伸びてくるつるを、トビウオみたいな羽の生えた靴で空を滑り、寸でのところで避けている。


(すごい……!)


 飛んでる原理はさっぱりわからなくても、みはりちゃんが類まれなる動体視力と運動神経で対応しているのは見てわかる。

 元々体育が得意と言ってたけれど、これはその領分を超えた動きなように見えた。


(でも、苦戦してる……!)


 けれどそれでも。

 旗色がいいとはどうしても言えなかった。



(さっきからから鳴ってる鐘の音は、おそらく心を鎮める力がある魔法だよな?)


 みはりちゃんが使った不思議な力。緑のヤギがいなないて、辺りに響かす鐘の音。

 そのせいか葉子のつる使いも鈍くなり、俺を拘束する力にもほんのちょっとだけ緩みが出た。


 だが、そこまでだ。

 鈍ったとはいえ無数と言っていいほどある葉子のつるたちが、四方八方迫りくるこの状況。


(隙を窺うでもなく逃げ続けてるってことは……おそらく)


 それを打開するための決定打が、みはりちゃんには……ない!



「モモモー!!」

「わぁ! いっぱいきた~!」

「よ、け、るーーー!!」


 普通の家に比べたらけっこう広いリビングを、小さな体が必死に舞う。

 このままじゃそう遠くないうちに彼女も捕まって、さっきまでの二人みたいに尊厳の危機が訪れるかもしれない!


「みはりちゃん、攻撃魔法とかはないの!? 炎出したり切ったりとか!」

「! あ、ありません!」

「だよね!」


 杖を振るって物理的につるを弾くみはりちゃんに、直接聞いて確認する。

 我ながら魔法があること前提でちゃんと思考が回転するのを褒めてやりたい。


 立て続けに超常的な物を見せられてマヒしているとも言う。



(みはりちゃんに攻撃の手はない。だったら……!)


 俺は視線を、この場にいるもう一人の魔法少女へと向けた。

紫髪のプリンセス。

オレンジ髪の白衣ギャル。

銀髪の制服ロリ。


応援、高評価してもらえると更新にますます力が入ります!

ぜひぜひよろしくお願いします!!

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