第4話 平穏に暮らしたい魔王、村で目立ってしまう。
森に出掛けた家来のバフォメットのリリアンを無事に連れ帰った魔王(少女姿)はなぜか村長と村人から感謝されて大人達から胴上げされた!
「なっなんなのだ!?」
話によると見た目少女である魔王がジャイアントが出て危険だとなっていた森に入って行くのを目撃した村人がいて人数を集めて探しに来ていたらしい。すると魔王がジャイアントの頬にキックをして吹っ飛ばしている場面を見たらしい。その後、ジャイアントが森の奥に消えて行ったので、魔王がジャイアントを追っ払い村を救ってくれたのだと勘違いしてしまったようだ。
「リリィちゃんがあんなに強かったとは思わなかったぞ!」
「小さいのにジャイアントを倒すなんて!」
「あなたは村の英雄よ!」
「ちっ違います!見間違いですよ!」
感謝する村人に魔王は必死に否定した!なぜなら魔力が全回復するまで勇者パーティーから見つからないようにするために田舎に住んであまり目立つに平穏に暮らすと決めていたからである!だがこれでは本末転倒、目立ないどころか英雄扱いである!だから魔王は必死に否定しているのだ!しかし、それが通用するわけもなく…
「あはは、見間違えるわけないさ!」
「助けてもらったリリアンちゃんも証言してくれるよな?」
「違うよね!リリ、いやお姉ちゃん!」
「はい♡私を助けるために颯爽と現れて助けてくれました♡」
「おい!?」
〈おぉ!〉
「やっぱり本当だったのね!」
「ねぇちゃん、かっけぇ!」
「わたし、あこがれちゃう!」
「ぐっ…」
(人間の子供、そんな純粋な目で見るんじゃない!光魔法よりダメージが来るではないか!精神的にだけど!)
魔王でも人間の子供の純粋な視線には勝てないようだ。
「村長、村をあげてお返ししましょうよ!」
「えっ!」
「それがいい!」
「なっ!」
「うむ、ワシもそう考えておった。リリィ君を称えて村をあげて祭りをすることにしよう。」
「しなくていいですから!!」
なんとか村をあげて祭りをすることだけは諦めてもらえた。しかし、その日からというもの一歩家を出れば憧れた子供達が寄ってくるようになり、大人達もリリィちゃんがいたらこの村は安心だと話していたり、完全に村の英雄扱いされて目立ちに目立っていた。そしてさらに極めつけはポーション屋の売り子の最中に強さを知ってパーティーに誘ってくる冒険者すらいたことだ。
「ハァ、どうしよう…このままだといずれ我が普通の人間の少女ではなく魔王だと正体がバレてしまって、勇者パーティーにその情報が行き渡り、まだまだ魔力が回復してない我を今度こそトドメを刺そうとやって来るに違いない…絶望だ…」
「魔王様ったら、考えすぎですよ。」
「ムカァ!そもそも誰のせいでこうなったと思っている!」
「まぁまぁ。今週のおやつはずっと餡子入りお饅頭にしますから。」
「本当か!」
「機嫌直してくれますか?」
「しっ仕方ないな、許してやるか…」
「魔王様、チョロ可愛い♡」
魔王の心配していたことは起こることはなかったが、平穏な暮らしを脅かしかねない存在が魔王の生存を知り村まで迫っていた。
『間違いねぇっす。微量だけど、三日前に感じたのは確かに魔王様の魔力だった。』
その存在とは革ジャンを着て金の鼻輪のピアスをした牛の角のある高身長で巨乳の女だった。
【ガルルッ!】
その彼女におでこに目がある狼の魔物が襲ってきた。
『おっ、久しぶりのメシっす。』
【ギャルルッ!!】
しかし、彼女は一切動じる素振りも見せず、持っていた大きな斧で狼を真っ二つにして、その狼の生肉を食べた。
『ぷふぅ、ご馳走さんっす。待っててください、魔王様、あなたの一番の家来、ミノタウロスのあたいが会いに行くっすから。』




