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第2話 平穏に暮らしたい魔王、少女になりきる。

勇者パーティーに攻められて壊された魔王城を離れて、私、家来でバフォメットのリリアンと主である魔王様が人間の姉妹になりすまして田舎の村に住み始めて気がつけば一年が経っていました。なので私から見た魔王様の可愛い日常をお見せしましょう。


「朝ですよ〜魔王様?起きてください〜?」

「あと5分…ムニャムニャ…」

「きゃ♡いつ見ても可愛い寝顔♡起きないと目覚めのチュウしちゃいますよ〜♡ちゅ〜♡」

「んっ…?はっ!やめんか、アホ!」

「ほへっ♡」


毎朝、私がチューする寸前で魔王様は起きしまい、おしおきの頬ビンタをもらうのがお決まりです♡


「毎度、毎度、起こしに来るたびにチューしようとしてくるな!」

「だって魔王様、本当の妹みたいで可愛いんですもん♡」

「我!きさまの主!少しは敬わんか!」

「つれないところもツンデレ妹って感じでたまらないです〜♡」

「朝からウザ…」


んなこと言われても少女姿の魔王様が可愛いんだから、仕方ないですよね♡ちなみに魔王様によるとこういうときの私は目をハートにして涎も垂らしてるらしく少々気色悪いらしいです?自分ではわかりませんね!


「ハァ、朝食は出来てるんだろうな?」

「もちろんです!腕によりをかけて、いや愛を込めて作っております!」

「そういうのいらんから、今日も朝から店を開かねばならぬし、起きるか。」

「着替えますか♡なら手伝います♡」

「それくらい自分で出来るわ!というかこの会話も何十回目じゃ!」


残念、今回も着替えを手伝うの断られちゃいました。パジャマから普段着に着替えなされた魔王様はまず朝食を食べて。


「魔王様、あーん♡」

「ガキか我は!自分で食えるわ!」


朝食を済ませた魔王様は洗面台に行き歯を磨き顔を洗い髪も整えポニーテールに結んで、仕事用のエプロンに着替えたら鏡越しで笑顔の練習をします。


「うむうむ、今日も可愛い笑顔じゃ。これなら我があの恐ろしい魔王だったなど誰も気づきまい。」

「自画自賛、可愛い♡」

「みっ見るな!」


照れちゃって可愛い♡そして身支度も済ませた魔王様と私が家を出て向うのは家の庭に建てられた小さな屋台で私達はこの屋台である物を売って生計を立てています。そのある物とは私が作る手作りのポーション。それを魔王様が可愛い人間の少女の売り子になりきって売ってくれています。ご覧ください、魔王様の完璧な接客を!


「いらっしゃいませ。どの商品をお買い求めですか?」

「毒消しと疲労回復のをください。」

「毒消しと疲労回復ですね。合計で5000エミールになります。」

「ちょうどで。」

「お買い上げありがとうございます。また買いに来てくださいね。」

「可愛い…また買いに来るよ。」

「はい。お待ちしてます。」


スマイル100点!接客も文句ナシの100点満点!そもそもこの村は近くにとても広い森があり、その森に村で木こりや狩人を職業にしている方だけでなく遠い場所からわざわざ珍しい素材を取りに来る冒険者や採集者などが入るので、怪我した時に備えて村に一つしかない私達のポーション屋に買いに来てくれて繁盛するのは当然といえば当然です。がしかしです!可愛い魔王様の接客に惹かれてリピーターになってくれてる方もいると聞きます!わかるなぁ♡


「魔王様、頑張れ♡」

「隠れて応援してないで!きさまは足りなくなった商品をはよ作らぬか!」

「はーい♡」


でも魔王様本人はあまり嬉しく思っていないらしく[生活費を稼ぐため、自分の正体を隠すために仕方なく少女を演じてるだけに過ぎない!そもそもなぜ魔王である我が働かなければならないのだ!これも城にあった金銀財宝のほとんどを勇者パーティーが戦利品として持っていたのが悪いのだ!絶対に魔力が全回復したら復讐してやるからな!勇者パーティー!]と不満らしいです。


「ふぅ。今日も売り切ったぞ。」

「おや、今日も完売かい。相変わらず大人気だね。」

「こんにちわ、お隣さん。」

「こんにちわ、リリィちゃん。お昼ご飯まだだろ?作りすぎたからまたおすそ分けに来たよ。」

「いつもありがとうございます。」

「いいんだよ。リリィちゃんはいつもお姉ちゃんのお手伝いして偉いわよね。」

「そんなことありませんよ…」


だけど褒められるのは案外、嬉しいみたいです。


「今日もポーション完売したぞ。」

「ご苦労様でした。」

「本当に疲れたぞ、日に日に客が増えるからな?あとお隣さんからまたおすそ分けもらったぞ。」

「見てましたよ。魔王様ったら褒められて照れちゃってましたね♡」

「だっ抱きつくな!あと隠れて見るのやめろ!」

「え〜。ポーション作りで疲れたのにな〜。またこれから明日の仕込みもしなきゃならないのにな〜。魔王様を抱きしめて萌え萌えチャージしないと頑張れないのにな〜?」

「調子に乗るのもいい加減に!」

「おやつに餡子入りのお饅頭、用意してあげますから。」

「1分だけだぞ…?」

「わぁーい♡これで明日の仕込みも頑張れます♡」

「くぬぅっ…」


あと好物で釣ると素直に言う事聞いてくれてチョロかったりもします♡


「お饅頭美味しい〜。我、これを食べるために生きてる気がする〜。」

「ふふ、人間界を支配する野望はどこへいったんですか?」

「わっ忘れてなどおらぬわ!だけどまだ魔力を溜めて一年しか経っておらぬからな!全盛期の1%しか回復しておらん!だから早く魔力を回復するためにも食事からエネルギーを吸収しているわけで!」

「必死に言い訳する魔王様、可愛い♡」

「言い訳じゃないわい…」

「それで申しわけないんですが。私、明日の仕込みが終わってないのでまた夕飯のおつかいお願いできますか?」

「仕方ないな…」


‐夕飯の買い物を済ませて帰ってきた魔王(少女姿)‐


「おかえりなさい、今日もお願いしたよりいっぱい食材がありますね?」

「ふふん、行く先々のお店でおまけしてもらったのだ。」

「魔王様って村の人から気に入れられてますものね。」

「まっまぁ、全然、嬉しくはないがな。」

「嬉しいくせに。」

「そっそんなことないわ!」


‐そして夕飯後、お風呂場にて‐


「なぜ今日もお風呂に一緒に入らねばならないのだ…?」

「姉妹仲良く一緒に入りましょうよ♡」

「それは人前だから妹を演じるだけだぞ…?」

「照れちゃって♡」

「あのな!」

「体洗ってあげます♡」

「いっいらん!自分で洗える!ひゃっ!」

「相変わらず可愛い声♡」

「くぬぬ、覚えておれよ…」


‐さらにお風呂から上がり、就寝前‐


「なぜ我の部屋にまでいるのだ!」

「一緒に寝ましょうよ♡」

「きさまは寝相が悪いから一緒に寝たくないのだ!」

「明日のおやつも餡子入りお饅頭にしてあげますから。」

「ぐっ、今日だけだぞ…?」

「はぁーい♡」 


これが私が知る限りの魔王様の可愛い日常の一部です。皆さん、キュンキュンしましたか?それではおやすみなさい。


‐数分後‐


「んっ!」

「ごふっ!」


バフォメットのリリアンは冗談抜きに寝相が悪く、魔王(少女姿)の顔に腕が強く当たり、夜中に目が覚めた。


「スゥゥ、スピィ。」

「ハァ、だからこいつと一緒に寝たくなかったのだ…」


トイレに行った後、お茶の間に布団を敷いて眠ろうとした。


「くぬぬ、リリアンの奴め、我が冷たい床で寝るハメになったではないか、最近、あいつスキンシップは過剰だし、生意気になってきておる。このままでは駄目だ。我が奴の主であることを見せつけなくては、しかし、どうやって…うーん、そうだ!」


魔王はリリアンがポーション作りに使っている部屋に入り、ポーションを作り始めた。


「我にだってポーションを作れることを見せつければきっと主の偉大さを再認識するはずだ。今の少ない魔力ではあまり数は作れないと思うが、やるぞ。」


‐次の日の朝‐


「でっ出来た、最低でも二、三本は作ると思ったんだが、徹夜して完成出来たのは一本だけ…まぁいいか…これで…リリアンも我を見直すはず…」


魔王はそのまま寝落ちした、それを朝起きて魔王が居なかったので心配したリリアンが見つけて、布団をかけた。


「もしかして魔王様、ポーションを作って?」

「ムニャムニャ…我だってポーション作れたぞ…見直したか、リリアン…」

「少ない魔力で頑張ったんですね。私はずっと魔王様を尊敬してますよ、チュッ。」


リリアンは眠る少女姿の魔王の頬にキスをした。


「このポーションは記念に取っておくとして、今日はポーション屋はお休みにして明日やるはずだった素材採集に行ってこようかな。魔王様は寝かせおいてあげよう。魔王様のためにも頑張るぞー。」


その頃、魔王達が暮らしているアズキ村の近くの森に入った者達の混乱が起こっていた。


「なんでこの森にあんな強い魔物が!?」

「そんなの聞いてないぞ!」

「逃げるんだ!そして村にこの事を知らせよう!」

「そうだな!じゃなかったら村の人間は皆殺しにされるぞ!」


人間達の見た魔物とは果たして⋯?



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