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第14話 平穏に暮らしたい魔王、正体がバレる。

勇者パーティーを警戒してチズ達を魔界に逃がした次の日、いつも通りポーション屋を開くことにした。


「お買い上げありがとうございました。」


今日もリリアンの上質なポーションと少女姿の魔王の癒しのスマイル接客を求めて客が絶えず買いに来て、在庫はあとわずかになっていた。


「もう少しで今日の分が完売だ、頑張るぞ。」


すると最後に並んでいたお客は見覚えがあって、公園でリズと遊んでいた小さい男の子と女の子だった。


「君達はリズとよく遊んでくれてる子達だよね?お使いで買いに来てくれたのかな?」

「そうだよ!」

「ふたりでかいにきたの!」

「そうか、偉いね。残ってるのは少級回復ポーションだけだけどいいかな?」

「うん!」

「それがほしかったの!」

「よかった。」


商品を持ってきた瞬間、サングラスをかけて柄の悪い格好をした強面の男が割り込んできた。


「どけっ!」

「きゃ!」

「わっ!」


そして何食わぬ顔で注文してきた。


「おう、売り子のお嬢ちゃん、その残ってるポーションをワイに売ってくれや?」

「おじさん!おれらがさきだよ!」

「そうだ!そうだ!」

「うるさいぞ!ガキ共!黙らんとしばくぞ!」

〈ひいっ!〉


サングラスを外し睨みつけられた子供達は完全に怯えて涙目になった。


「ポーションの評判を聞いて、わざわざ買いに来てやったんや、売ってくれるよな?」

「子供達が先に並んでましたから、このポーションは子供達に売ります。また今度、買いに来てください。」

〈おねえちゃん。〉

「なんやと!舐めんとんのか、ワレ!」


男は理不尽にもブチギレて、少女姿の魔王の胸ぐらを掴んだ!


「やめろよ!」

「おねえちゃんをはなして!」

「邪魔するな!クソガキ共!」

〈きゃあっ!〉


男は止めようとする子供達を突き飛ばした!


「調子に乗るからだ。」

【貴様ァ、今何をしたァ?】

「あん?痛だだっ!!」


魔王はそれに完全にキレて、胸ぐらを掴む男の腕を折れそうなぐらい掴んだ!


【この子達はチズと仲良くしてくれる良い子だ、今の所業、許さんぞ?】

「折れる、折れる!!やめてくれ!!」

【だったら子供達に謝れ、そして二度とこの村に来るな?よいな?】

「わかりましたぁ!!」


魔王は腕を離すと、男は子供達に謝って村から逃げて行った。


〈おねえちゃん!〉


子供達は泣きながら抱きついてきた。


「もう大丈夫だ。お使いのポーション、買って帰るといい。」


ポーションを子供達に売ってあげて店を閉めると、家に帰った。


「今日はいつもより疲れたぞ。」

「何があったんです?外がやけに騒がしいかった気がしましたが?」

「まぁいろいろとな。」

「でもよかったんですか…?」

「何がだ?」

「微力ですが魔力を出しちゃってましたよ…?私、それが気になって来たんですから…?」

「マジ…?」


魔王は怒りで微力だが魔力を出したことに本人では気づいていなかったらしい。


「だっだが微力の魔力だ、勇者パーティーの連中も気づきまい。」

「だといいんですが…?」


しかし、それはフラグであった。なんと勇者パーティー達はすでに村に来ており、さっきの魔王が柄の悪い客に怒った場面をたまたま見ていて、微力の魔力から魔王だと判断していたのだ。


「今のは間違いないわ?」

「あの娘が放ってたのは魔王の魔力だぜ?」

「まっまさか昨日会ったあの娘が魔王だったなんて…?」

「人間になりすまして暮らしてたんだろうな?」

「でもどうしてそんなことをする必要が…?」

「そんなの本人に聞いてみればわかることよ、ねっ?ロード?」

「あっああ、聞けばわかるはずだ。」


勇者パーティーは魔王達の家に行った。向かう際に勇者は少し考えていた。


(子供達にあんな優しくしているなんて、魔王は人間を奴隷にするとしか考えていない最低な奴だったはずだ、だが今はそんな面影はないようだった、もしかして良き心を手に入れたのか?話し合えば戦う以外の道があったりするのか?)


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