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プロローグ

荒廃した宇宙を舞台に、一匹狼のバウンティハンター、ランスロット・スターマインが駆ける。

彼の相棒は、旧式ながら歴戦の傷を刻んだ宇宙船ヴァリアント、そして守るべき存在である養女、アルテミス・スターゲイザー。

だが、この宇宙の残された資源を暴力で独占する悪徳ギルド《スカル・クロウ》の横暴は、ランスロットの熱血漢な心を揺さぶる。

「弱き者を食い物にする輩は、俺が許さない!」

彼は仲間を集め、移動ギルドベース《ビックコメット》を拠点に、巨悪に立ち向かうことを決意する。

しかし、ランスロットはまだ知らない。彼の養女アルテミスと《ビックコメット》に隠された、宇宙の運命を左右するほどの壮大な真実を――。

これは、熱血漢のバウンティハンターが、謎めいた少女と共に、荒廃した宇宙で巨悪と戦い、やがて宇宙の運命を左右する物語の序章である。

宙域207、通称《忘れられた星域》。かつては賑わった交易路の果て、今ではデブリと朽ちた宇宙船の残骸が漂う墓場だ。太陽の光すら届かぬ暗闇で、一機の小型宇宙船が微かな推進器の音を立てていた。その名は、《ヴァリアント》。旧式だが、歴戦の傷跡が刻まれたその機体には、乗り手の意地が宿っていた。

操縦桿を握るのは、バウンティハンターのランスロット・スターマイン。年季の入った操縦服に身を包み、鋭い眼光でスキャン画面を凝視する。彼の隣には、幼い少女、アルテミス・スターゲイザーがちょこんと座り、外の星々を興味深げに眺めていた。彼女の瞳は、この暗く荒廃した宇宙にあって、唯一の光のように輝いている。

「ちっ、今回はハズレか。ここまで来て、クズ鉄ばかりとはな」

ランスロットは舌打ちした。ターゲットは、この宙域に眠るとされた希少鉱石オリハルコン。だが、見つかるのは腐食した金属片ばかり。貯蓄は心もとなく、修理費用も馬鹿にならない。この荒んだ時代、正当な仕事だけでは食っていけない。だからこそ、彼は時には危険な《掘り出し物》にも手を出す。

突如、警報が鳴り響いた。スキャン画面に複数の反応。それも、この宙域にしてはあまりにも巨大な影だ。

「まさか、奴らか……?」

ランスロットの脳裏に、この《忘れられた星域》を根城にする悪徳ギルド**《スカル・クロウ》** の名がよぎった。彼らは、わずかに残された資源を暴力で独占し、弱者を徹底的に搾取する。ランスロットが最も忌み嫌う存在だ。

「ランスロット、前方より高速物体接近。数、三。大型です!」

アルテミスの声に、ランスロットはハッと顔を上げた。少女の声はいつも冷静だが、その緊迫感は本物だった。彼は即座に操縦桿を握り直し、メインモニターに敵影を捉える。

肥大化した《スカル・クロウ》のエンブレムが、モニター越しに威圧感を放っていた。

「くそっ、こんな場所で絡まれるとはな!アルテミス、バリア出力最大!バルカン砲、チャージ!」

ランスロットは叫んだ。彼の宇宙船、《ヴァリアント》の小さな機体では、大型の戦闘艇相手に勝ち目はない。だが、彼の熱血漢な性格が、逃げることを許さなかった。ましてや、隣には守るべきアルテミスがいる。

彼らの機体に向かって、敵機の主砲が火を噴いた。爆炎が《ヴァリアント》のシールドを叩き、船体が激しく揺れる。アルテミスが、ぎゅっと目を閉じた。

「くそっ、このままじゃ…!」

その時、ランスロットの視界の端で、アルテミスの指が微かに動いた。次の瞬間、彼の思考を置き去りに、宙域に似つかわしくない巨大な影が《ヴァリアント》の背後に出現した。それは、流線型の船体を持ち、鈍く輝く金属の装甲に覆われた、移動ギルドベース**《ビックコメット》** だった。その巨体から伸びたアームが、《ヴァリアント》を優しく包み込む。

「なっ……!《ビックコメット》!?なぜこんな場所に!?」

ランスロットは驚愕した。彼は知らなかった。彼の養女であるアルテミスが、この巨艦と、そしてこの荒廃した宇宙の、あまりにも壮大な真実と繋がっていることを。

《ビックコメット》の巨体が、敵機の砲火をものともせず、静かに前進を開始する。その船体から、今まで見たこともないほど巨大なアームが展開され、唸りを上げた。

これは、たった一人のバウンティハンターと、一隻の移動ギルドベース、そしてそこに宿る謎めいた少女が、荒廃した宇宙で巨悪と戦い、やがて宇宙の運命を左右する物語の、始まりに過ぎなかった。

ゲームを考えてる時に小説にしたらどうなるだろうと思って書きました。作者もどういう結末になるかわかりませんw

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