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宝石職人の朝

2話目です。

朝目覚める。背伸びをする。窓の外に目をやる。

昨日の夜は雨だったみたい。桜の花びらが窓のサッシに落ちてキラキラしている。

「んわぁ〜!モルガナイトかと思っちゃった!」

上品な匂いがしそうなほどの美しく薄いローズピンクに雫が散りばめられている。

「これを宝石と言わずしてどうするの!」

触って頬ずりしたいところだがとても繊細な宝石は触れば変わってしまうだろう。

「ってか桜の葉っぱも濡れてペリドットみたいになってる!春って最高な季節だなぁ!」

本当は外に出て散歩して散歩して散歩して!宝石探ししたいのにぃ!

はぁ〜っとため息をつく。

花の高校生ってなんだよ。始まってまだ1週間だけどさ。

もっと高校生って瞳キラキラしてる原石いや!宝石の塊だと思ってたのに…。

クラス分けテストに部活の仮入部とかなんかなぁ…。

ピロン♪

宝石の壁紙にしたチャットには

「今日の宿題写させてくれる人ぼしゅ〜」

「てか今日の体育だる」

石っころみたいな言葉たち。

そろそろ通知オフろうかな。

閉じたチャットの下には黒猫のアイコン。

昨日のことを思い出しまた目が輝きだす。

「あっ!陽菜先輩におはようございます!って送っちゃお!」

黒原陽菜。私が見つけた原石だ。

ビビっとくるってこういうことなんだ!はぁ〜凄いよねぇ人間の勘って。

濁りきった真っ黒な目って他の人は思うと思う。

でも私は見たんだ。一瞬揺らいだ瞳の奥がすごい綺麗だったんだ。

あれはオニキスだね。

黒曜石でもスピネルでもないオニキスだね。

まぁ、今は完全じゃないけど。

目は口ほどに物を言う

有名な言葉の通り瞳はその人を映し出す分かりやすいものだ。

自信が無いとか希望がないとかで濁っちゃう。

逆に楽しかったり希望に溢れてれば輝いている。

ってか思うんだけどあの人ちゃんとしたら結構可愛い部類じゃない?

え、ほんとに原石じゃん。やば。あとあと…

「怜奈!時間大丈夫なの?!」

「え?え?!うそっやば!すぐ行く!」

お母さんの声に我に返る。

時計は8時きっかりを指している。

大ピンチすぎる!あと10分で家を出なくちゃ遅刻する!

急いで制服を着てルビーみたいな色のリボンを結ぶ。

やっぱりこの色可愛い♡じゃなくて!

サッとメイクをしてスモーキークォーツの髪を結う。

鏡を見て琥珀のチェックも良し!

「うん!今日も良い瞳!いってきます!」

棚に沢山置いてある宝石に一瞬の別れを告げて走る。

あぁ陽菜先輩に会いたい!

早くキラキラした瞳を見たい!

「今日も楽しみ!」

私のアオハルは始まったばかりだ。


宝石ちりばめました。是非調べてみてください。

とても綺麗なので。

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