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例え話が苦手な場合。

作者: 麻人 弥生

君はくだらない話が好きだった。

日々の在り来たりや、ありふれた物事についてよく僕に意見を求めた。

そこから膨らむ話とて、何にも意味がないものだったから君はとても喜んでいたのだけれど。

僕が覚えているのは外側だけで、その中身についてはきっと透明で綺麗な尊いものだったのだろう。

と今は推測することしか出来なかあった。

また、どうしてこんな事を思い出したのかと聞かれたら、なんと答えるのがいいだろう。

やっぱりくだらない理由の方が似合うだろうか。手作りお菓子に失敗したからとか、イヤホンが片方聞こえなくなったからとか。

それとも失くしたと思っていた単行本を君が借りて行ったのだったと読み返していた前の巻に挟まったメモを見つけたから、というのはどうだろう。

ちょうど歯抜けのその巻で幸せになった登場人物が、僕達みたいだと妙に気に入っていた。

君はそこまでしか読んでいなかったから、その二人が辿った結末を知らない。

僕は同意を求められたけれど適当にはぐらかした。

例えば君を喜ばせるために嘘をつくのが上手かったら、例えば僕も何も知らないままだったら。

例え話が苦手な場合、もしもの世界を上手に想像することもままならない。

テナグサミ

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