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予告編

「これなんかがおススメですよ~」


ギルドの受付嬢が笑顔で勧めてくるがオーラの色は灰色だった




完全に事故物件だよね!?




だから


「いえ辞めときます」


と速攻でお断りした





しかし受付嬢は


「この街道は最近魔物の襲撃が増えてますけどその分護衛の冒険者を多く雇ってますからおススメなんです!」


とこっちの言う事をまったく聞く気がないようだった





どんだけ必死なんだよ!


いや案外ノルマがあるのか?


それとも賄賂を貰っていたりするのな?




内心不信感で一杯だ


でも掛かっているのは俺の命


受付嬢はオレが死んでもたぶん夕食は笑って食べていることだろう


だから忖度する必要はナッシング



いや冒険者が受ける依頼を決めるは自分自身がすることだ


なにせ自己責任だからな





という訳で


「このダンジョンの探索依頼をおねがいします」


と懇願を振り切った





「・・・残念です」


私悲しいいですって顔で言われた


だが考慮する必要は全く感じなかった


なにせオーラは真っ黒だったからな




多分護衛の依頼を受けていたら死んでいたかもしれん


オーラの色からはヤバい感じがビンビンしていた





もっともそれが判るのはオレが掛けているメガネのおかげだ





ダンジョンの宝箱で見つけた不思議なメガネ


なんと感情が色で判るのだ



赤なら怒り


青なら安静


ピンクなら欲情


黄色なら好奇心


灰色なら不信や不安


黒色なら殺意


おかげで冒険者ギルドの依頼を受ける時とかとても便利


・・・実に便利なメガネだと思う





おかげで人に騙されることが少なくなった




・・・無くなったでないのが泣けるね


オレもまだまだだな






「ソフィアちゃんかわいそ~」


オレとのやり取りを聞いていた他の冒険者がオレをダシに受付嬢のソフィアに声を掛けていた





「俺なら頼まれちゃうのに~」


「え~本当ですか~」


「ホントホント」


「嬉しいです(ハート)」


なんか頭の悪そうな会話が聞こえて来たけど我慢ガマン




「あ、おれもおれも」


さらに聞こえて来たけど聞こえない振りをしてギルドを出た




今日もいい天気だな~


晴れ渡った青空を見て思った


・・・人はそれを現実逃避と呼ぶ(笑)





オレが受けた依頼は喜園ボンボンの探索依頼だ


ダンジョンに入ったのはいいが3日たっても帰って来なかったそうだ


次男とはいえお貴族様の一員


速攻で探索依頼がギルドに来た



依頼を受けた冒険者が探索した結果、見つからなかったそうだ


そりゃそうだ


探すだけで日当が貰えるんだ


誰が真剣に探すかというものだ


・・・お貴族様は人間というのが判っていなかった





という訳で比較的真面目な人間に受付嬢から依頼が公開されたという訳だ





もっとも真面目な人間を狙い撃ちする依頼というのは結構多い


そして賄賂でも貰っていたりすると特定の依頼をプッシュするのかね?


今回はそんな感じだった




まあヤバ目の依頼はダンジョンでゲットしたメガネのおかげで回避できたんだけどさ


騙されて依頼を押し付けられた冒険者は死なないといいね(苦笑)




まあオレには関係ないし


そう思ってきた時もありました




それが思いっきり勘違いだと判るのはお貴族様のボンボンを助け出した後のことだった


ボンボンはダンジョンの人目に付かない隅の方で蹲って震えていたよ(呆)





一体何がしたかったんだろうね


思わず問い詰めたくなったよ




依頼が終わってギルドに報告に行ったら


「お前のせいで!」


と知らない冒険者に絡まれた




誰だっけ?


そう思っていたらなんとオレが断った護衛を引き受けた冒険者だった



なんでも魔物の数が多くて半壊したんだそうだ





・・・全滅でなくてよかったじゃん


そう思ったけど言わなかったオレを褒めてやりたい


時として正論が受け付けられることがないというのは良くある事だからな




大体生き残ったんだらラッキーだと素直に喜べたいいんだよ


死んだ奴は運がなかった


いわゆる自己責任ってやつだ





冒険者なんてハイリスクローリターン


他にやることがない社会の落ちこぼれがする職業だ


死んだからといって文句をつけるなと言いたい


・・・オレ、なんで冒険者やっているんだろうな




とまあそんな訳で冒険者というのは自己責任が基本だ


それなのに依頼を受けなかったおかげでノウノウと生き残ったオレに矛先が向かってきていた




いや一緒にいたおまえが見捨てたんだろう


そう言ってやりたかった


まあ言ったとしても聞きはしないだろう


何でも人のせいにして自分の心を守るクズだろうから



え?


適当なことを言っている?





いや違うよ


奴のオーラに後悔の紫が入っているから


怒りの赤いオーラに交じって紫の線が所々入っているのが見える


絶対に後悔しているよな


そんでもって認めたくないから人のせいにする


・・・クズだよな




だから言ってやった


「オレが頼んだわけでもないし、命令した訳でもないのになんで責められなきゃいけないんだ」




結構効果があったと思う


なにせ奴の赤いオーラがちょっとだけ治まったから


人のせいにするという八つ当たりの自覚にクリティカルヒットしたようだ




「なんでも人のせいにするなよ」


赤いオーラが揺らいだ


結構いけそうだ





「一緒にいたんなら助けてやればよかったんじゃん」


赤いオーラが少し減った




「ひょっとして見捨てたのか?」


赤いオーラが大分減った




「てめえ見捨てたな!」


といったら


「ち、違う!」


と言ってきたんだが赤いオーラが揺らぎまくっていた






「見捨てたからオレのせいにしたいんだろう!」


胸倉を掴んで言ってやった


そして奴の耳に口を近づけて


「周りの奴らが睨んでいるぞ(ボソッ)」


と小声で忠告してやった




本当はそんなことはない


ただ喧嘩が始まったので見ているだけ


だがこんなのは言ったもの勝ちだ




それに大分気弱になってきているからな


勘違いさせやすくなっている


するならばラッキー、くらいの感じで言ってみた





そうしたら目に見えて勢いがなくなってきた


チョロいな




まあすべて感情が見えるメガネのおかげだけどな


人間相手なら楽勝だ


なにせ相手の手の内が見えているのだ


相手の手札をカンニングしながらやるポーカーみたいなものだ


勝って当たり前


いや負ける方が難しいだろう




「く、クソ、覚えてやがれ!」


定番の捨て台詞を言って逃げていった





ふっ、正義は勝つ!


そう思って周りを見渡したら結構引かれていた


何でだろう?





こんな対人相手ならほぼ100%の割合で口喧嘩に勝ってしまうオレが成り上がっていくのはこの後のお話


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長編候補ネタですがまずは短編で公開してみました


決してクレクレではありませんのでご安心ください


楽しんで書いているので頑張って読んでください、がモットーですから


誰に読まれることもなくても書く私


・・・運営神様に喧嘩を売ってますよね

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